松尾和子/和田弘とマヒナスターズ -
藤 圭子
富士の高嶺に降る雪も
京都先斗町(ぽんとちょう)に降る雪も
雪に変わりはないじゃなし
とけて流れりゃ皆同じ
好きで好きで大好きで
死ぬ程好きなお方でも
妻と言う字にゃ勝てやせぬ
泣いて別れた河原町
ぼくがしばらく来ないとて
短気おこしてやけ酒を
飲んで身体をこわすなよ
お前一人の身ではない
一目見てから好きになり
ほどの良いのにほだされて
よんでよばれている内に
忘れられない人となり
どうしたかと肩に手を
どうもしないとうつむいて
目にはいっぱい泪ため
貴方しばらく来ないから
唄はさのさかどどいつか
唄の文句じゃないけれど
お金も着物もいらないわ
貴方ひとりが欲しいのよ
♪富士の高嶺に降る雪も 京都先斗町に降る雪も、が歌いだしの「お座敷小唄」。
1964年のリリースで、作詞:不詳、作曲:陸奥明 歌:和田弘とマヒナスターズ、松尾和子でした。
キャバレーのホステスが口ずさんでいた曲を和田弘が採取し、ドドンパのリズムでアレンジしてレコーディングされたと言われています。
250万枚を超える売り上げを記録。
歌詞では、京都先斗町の芸者の立場から、馴染みの男性客(既婚者)への想い(または営業トーク)が歌われています。
なぜ「富士の高嶺」なのか?
これはおそらく、男性客の奥さん、つまり「夫人」と「富士」の掛詞(かけことば)ではないかと思います。
芸者の立場からは手の届かない高嶺の存在という関係性までうまく表現されています。
夫人という高嶺の存在でも、京都先斗町の芸者でも、女であることには変わりないじゃないか。
それでも「妻と言う字にゃ勝てやせぬ」。
本気なのか営業トークなのかはさておいて、立場に苦しむ芸者のやるせない想いが込められているようですね。