暇つぶし日記

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「情意」とは

2016年02月26日 18時30分20秒 | 読む

 

ネットのニュースを読んでいて、高校の校長が若者の間に徐々に夜更かしが増えているその原因の一つであるらしいスマホを夜間休ませようと「スマホのお布団」にヒントを得てキャンペーンを張っているとの記事があった。 そのこと自体は別段どうということもないのだがその動機として「もっと情意面で夜間の使用を抑えるようなことができないかと思っていたら、たまたま『スマホのおふとん』を見たので、ちょっとひらめいたのです。」とあり、そこでの「情意」という言葉が自分には分かったような分からないものだったのでこれもネットの辞書で牽いたら次のように出ていた。

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情意とは思い、気持ち、「情意相通じる」というように用いることが多い。

更に「情意」という言葉は、「能力評価」「業績評価」と並んで、人事評価についての話題の中によく登場してきます。 

「情意評価」を行う際によく用いられる評価項目には、つぎのようなものがあります。

   ・規律性 :会社の決まりや上司からの指示を守れたか
   ・責任性 :与えられた仕事を最後までやり遂げたか
   ・協調性 :組織全体の業績向上にむけて、周囲と協力して業務を進められたか      
   ・積極性 :与えられた仕事の範囲を超えて、工夫や提案、自己啓発を行ったか

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というような人事評価に関連する情意の要素が述べられているものがあった。 つまり、思い、とか気持ちというものであるけれど何故敢えて「情意」というような言葉をその校長は選んだのだろうかというところに引っかかったのだ。 「情意面で(スマホの)夜間の使用を抑えるようなことが出来ないか、、、」ということをその意味通り置き換えてみると「思い、気持ちの面で夜間の使用を抑えるようなことが出来ないか、、、」ということになり、これを要約すると、校長が子供たちの「思い、気持ち」の中に入って(スマホの)夜間の使用を抑えたい、ということだ。 つまり校長が子供たちの気持ちの中に入り影響を与えるための試作だということだろう。 更にこの「情意」という言葉は「人物評価」の話題によく登場するということからこの校長の日常業務の重要項目である将来の人材を育てるという観点からその社会性要請に応える、という点では人材の要素である「規律性、責任性、協調性、積極性」のなかでここでは早寝早起きを奨励し、そのことによって生徒たちの「規律性」を確立しようとする意図を持つと解されるのではないか。

この20年以上国民の就寝時間が遅くなってきていることは毎年報道されており当然若者の就寝時間もそれに含まれており今ではスマホが嘗ての我々にとってのテレビ、ラジオ、ゲーム機、電話、チャット機能をもつことから場所・時間を選ばずアクセスでき、小さい頃からそれに慣れているその年代はほぼ1日中それを弄ぶことになる。 世間ではそんなスマホの新製品が出るたびにニュースになり若者がそれを求めて列をなすというような社会現象も普通のことになっている。 日本に帰省するたびに電車内での乗客のそれぞれがじっとスマホに見入り多くは両手、片手で細かなキーボードを操作している風景が見え、ガラケイしか持たない自分はそんな人々を眺めている。 特に若者は周りを見渡すこともせずじっとその小さな平面に縛られているようにも見える。 そんな現象に対して校長先生の「スマホのお布団」は効き目があるのか眉に唾をつけて斜めに眺める気分だ。 それと「情意」という管理を意識した言葉との組み合わせを面白いと思った。

 ほぼ半世紀前に買った今ではセピアに変色してオーブンで焼いたようにも見える自分の広辞苑には次のように出ている。

 「情意」 感情と意志と。 情と意と。 こころ。 こころもち。

多分ここでのポイントは感情ではなく「意志」なのだろう。 「規律性」を押し付けても効果があるか疑わしい。 それに「こころ」「こころもち」などというようなふわふわしたものは今時のスマホにくぎ付けになる高校生にあるのかどうかも疑わしいような気がする。