暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

アートな一日

2016年02月13日 13時52分16秒 | 日常

 

2016年 2月 12日 (金)

前夜4時間の睡眠のあと8時半に起床、老人一日優待切符を使って家人とロッテルダムへ。 45分ほどで着く。 駅前からバスでオランダの有名ブランドである van Nelle の旧コーヒー工場へ。 ここはこれまで何回も電車でロッテルダムに近づくたびに見ていた建物なのだがもう随分長く使われてはおらず大分前に世界遺産として登録がされてから徐々に保存の努力もされておりそれが進むとここは1920年代に建てられた時には最先端の未来建築物であったことから今ではITやメディア関連などの比較的新しい企業のオフィス・コンプレックスとして使われていると聞いている。 下にそのファン・ネレ工場に関しての記述を牽く。

ウィキペディア; ファン・ネレ工場の項

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8D%E3%83%AC%E5%B7%A5%E5%A0%B4

駅前のバスステーションに着くと50年代のアンティークなバスが大分前に待っており、こちらが走ろうという仕草を見せると運転手は走らなくともいいというサインをこちらに送る。 中高年が多い車内に入ると普段のバスとはまるで雰囲気の違う美術の雰囲気が充満していた。 車中から普段見ない中心から郊外への変化をみながら会場に着くとゾロゾロと続く人の流れについて行った。 ここでは現代美術の大きな見本市会場でもある。 来るのが大分早すぎて時間が十分あるので眠気を覚ますのにカンティーンでゆっくりコーヒーを摂った。 この期間、ロッテルダム市内外でアート・イヴェントが開催され今日がそのオープンだったらしくその会場の一つがここだった。 11時半から1時間ほどオランダ芸術専門業界紙が催す小さなセミナーに家人が参加していてそれに誘われて付いて来たというわけだ。 自分は暇だから来たのであって気合は入っていない。 あちこち興味本位に歩き回り飲み食いしながら一日を過ごすのが自分の怠惰な目的だった。

ファン・ネレで夕方5時ごろまで過ごしロッテルダムのセンターに出て食事の後8時半からボイマンス美術館で今まで名も知らなかった Ugo Rondione 展のオープニングに陪席した。 作家は多才らしかったけれど作品自体には別段興味が湧くものではなかったし去年レンブラント展を夜のアムステルダム美術館で観た時と同じ状況だったので本体である常設展示を見て回った。 人気の殆どない館内は行くところでは警備員だけかいても静かな空間で愛を語り抱き合う若い恋人たちに行き合うとお互い驚くということもあり、別の場所では老人がゆっくり一人で絵をみているところではそんな昼とは違う薄暗い空間は画のようだった。  気に入りのレンブラントを数枚見てダリを集めたセクションを通り越し、好きなヒエロニムス・ボスの「放蕩息子」はと探したがこの日が世界的なボス展覧会のオープニング日でもあり数百キロメートルある美術館に出張しているからある筈はない。 展示場所がおおまか時代ごとに集めてあるものの展示部屋が変わると戸惑い作品を探すようなこともしていて人の居ない館内を日頃は聞くこともない自分の靴音を聴きながら観て廻るのは贅沢なものだと思った。 そうしているうちに携帯で家内からどこにいるのか尋ねられ、そろそろ帰るからとロビーに来ると給仕から飲み物のシャンパンを渡されそこに集う100人を超す人々に混じって歓談することもなく慌ただしく帰路に就いた。 月夜で冷える中、駅から自転車を漕いで帰宅すると11時を遙かに廻っていた。一日歩き回ったので流石に疲れた。 何もせずそのままベッドに沈没した。