暇つぶし日記

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ファースター 怒りの銃弾  (2010);観た映画、 Apr. '14

2014年04月30日 22時34分37秒 | 見る

邦題; ファースター 怒りの銃弾   (2010)

原題; FASTER

98分

監督:    ジョージ・ティルマン・Jr
製作:    マーティン・シェイファー、 リズ・グロッツァー、 トニー・ゲイトン、 ロバート・テイテル
製作総指揮: ジョー・ゲイトン、 ダラ・ワイントラウブ
脚本:    トニー・ゲイトン、 ジョー・ゲイトン
撮影:    マイケル・グレイディ

出演:
ドウェイン・ジョンソン      ドライバー
ビリー・ボブ・ソーントン     警官
オリヴァー・ジャクソン=コーエン 殺し屋
カーラ・グギーノ        シセロ
マギー・グレイス        リリー
ムーン・ブラッドグッド
アドウェール・アキノエ=アグバエ
ジャン・ホーグ
トム・ベレンジャー


「スコーピオン・キング」「ウィッチマウンテン/地図から消された山」のドウェイン・ジョンソン主演で贈る復讐アクション。自分を陥れ、兄を殺した者たちへの復讐に燃える男とそれを迎え撃つ殺し屋、さらに事件を追う刑事、3者の攻防がスピーディーに展開してゆく。共演はビリー・ボブ・ソーントンとオリヴァー・ジャクソン=コーエン。監督は「ザ・ダイバー」のジョージ・ティルマン・Jr。

兄とともに銀行強盗を成功させた男“ドライバー”は、何者かにアジトを襲われ、目の前で兄を殺された上、自身も命は取りとめたものの刑務所送りとなってしまう。やがて、10年の刑期を終え出所したドライバーは、すぐさま復讐へと向かい、ターゲットを確実に仕留めていく。一方、その事件を任された定年間際のベテラン刑事は、犯人を割り出すや着実にドライバーを追い詰める。また、狙われる側も凄腕の殺し屋を雇い、ドライバーの暗殺に動き出すが…。

上記が映画データベースの記述である。 オランダで「本物の男たちのためのチャンネル」と銘打った民放テレビ局のゴールデンタイムにかかったものを観た。 8時のニュースで幾つかの血生臭い紛争の様子を観た後、チャンネルをザップしたらかかっていたので観た。 テレビガイドを覗くと評価が低く、ただ出演者の名前にビリー・ボブ・ソーントンとトム・ベレンジャーの名前があったから粗筋も見ず観始めたのだがそれまでに30分経っていた。 見終わってトム・ベレンジャーが出ていたのか考えてみると分からず、見過ごした初めの30分ほどに出ていてそのときに殺されていたのか、それとも自分の観た中でメークや扮装でそれと見えなかったのか、これまで彼のこの30年ほどの出演作を色々と観てきたことから少々残念な思いがした。

初めから観るつもりがなくともその映画の流れやスタイルで面白いと思うことがある。 観始めたときに若いイケメンの男がスタイリッシュな家のなかでヨガのようなアクロバチックな動きでトレーニングしその後にベッドに眠る若い美女を眺めキスをするというようなちょっとしたコマーシャルにあるような風情が、それが二人とも有能な殺し屋であることが分かりそれならブラッド・ピット夫婦のそういう映画があったことに思いがいき、それならどうストーリーが違うのか観てみようとおもうとどうも彼らは主役ではないような気がしてくるのだった。 新人をこのような話の中でスターにすべく制作されたものも数多くあるけれど追われる男、ドウェイン・ジョンソンを見ているとどうもただの殺人犯のようにも仕立てられていないようで初めの30分を見逃しているから余計にそれぞれの役者の設定位置が定まらずストーリーのテンポのなかで分かる仕組みなのだがそれでも最後まで謎が残る仕組みになっていて凡百のアクション物のなかではよく出来ていると思った。 それはそれぞれの設定とテンポ、その場その場のカメラ、雰囲気がスタイリッシュということにも依っているかも知れない。 ストーリーはまるで違うけれどテンポと感触が昔観たマイケル・マンの MANHUNTER(1986)に似ているから本作の監督は当時のマイケル・マンに比べられるかもしれないと思った。 けれど非情、クールでスタイリッシュでならしたマンに加えてある種の情がそれぞれの登場人物にあることがマンとの相違点だろうか。 チューンアップした70年代のアンティークな車に乗るジョンソンとシルバーのフェラーリで追うジャクソン=コーエンのカーチェイスでどちらの性能、運転テクが優れているのか興に乗って車線を隔てた両者が対面しジョンソンがフェラーリのタイヤを打ち抜きそこを去る場面で思わず笑った。 B級映画としてはよく出来た作だと思う。 多分マンのMANHUNTERと同じくこのジャンルではこれからも参照されるのではないかと思う。

今ネットのどこかで見たら本作の監督は現在、ジャズの帝王マイルス・デイビスの伝記映画を計画中とあって、それが誰によってどのように演じられ、そこにはどんなジャズメンが顔を出すのか出さないのか、だれが音楽担当をするのか完成作を観るのをいまから楽しみにしている。 そういえばマイルスは赤いフェラーリに乗っていてそれが警官の嫉妬から黒人差別となるような事件があったのではないかと当時のことを思い出した。 マイルスと同じくこの監督もアフリカン・アメリカンの力を示す結果を残していくのだろうか。

今日テレビのニュースで俳優ボブ・ホスキンスが亡くなったと報じられた。 先日本作の制作年と同じ年に撮られたイギリス映画で60年代の女性労働者の男女同一賃金を勝ち取る自動車工場の労働組合の中でホスキンスが板ばさみになる役をこなした「MADE IN DAGENHAM」を観たばかりだったのだがこれでまたいい俳優が一人逝った。