暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

ディナーの準備

2008年12月27日 05時46分35秒 | 喰う
2008年12月26日、クリスマス第2日

日本で正月の三が日が伝統的には家族友人とゆっくりしたり寺社に参拝したりというのが普通だが、地球の反対側、とりわけ北ヨーロッパでは正月は元旦だけでそれからは日常がまた始まるというあっけなさ、だから日本の正月の気分と言うのは強いて言えばこちらのクリスマスにあたるのだろう。 イブには何日か分の買い物を済ませておいて夜には信心深い人々や子供のある家族などは教会のミサにでかけることが行われる。 そのあと25日、26日、おまけに27日とクリスマスの三が日は家族、友人とそれぞれの家で飲んだり喰ったりの様子で天気がよければ食事の後の腹ごなしに田舎や公園、海岸を散歩する人たちでにぎわうことともなる。

我が家は今年のクリスマスはまことに静かで舅夫婦がクリスマス第二日目に午後から夜にかけて晩餐するという行事が恒例となっていたのだが今年からそれもなくなり娘のボーイフレンドを加えて5人だけですることとなった。  参加者それぞれが一つづつ前菜、スープ、主菜、サラダ、デザートと準備するのが決まりで飲み物係の私はのんびりスーパーで買ってきた特別でもないボルドーの赤を室内温度と空気に馴染ませるという名目でちびちびやり始めた。

焼きたての小さなパンと台所にあったレイシ(茘枝、学名:Litchi chinensis)ムクロジ科の常緑高木の果樹、ライチ(広東語)とも呼ばれる、で今のところはちょうどいい。 白ワインは乾き物意外は大抵なんでもいけるけれど赤は乾燥イチジクとか干しブドウ、レイシなどの果物が結構合うようで夜中に何かのときにテレビを見ながらちびちびやるのにもこういう果物は重宝している。

娘は大蒜味の生チーズと茹でたホウレン草を燻製の鮭の薄切りで巻いたものが前菜だといってレモンを切るのに動き回っているし、その横ではボーイフレンドがブスッとし顔つきでモロッコから北アフリカの香菜とナッツを混ぜたサラダをつくりドレッシングが秘密だと家から持ってきたものをそれに降りかける。

家人は肉屋で買ってきた冷凍のオックステールスープを解凍してそれにマデイラワインを滴らせれば終わりだとソファーで新聞のパズルをしながら時々はオーブンのローストポークの具合をみている。 肉屋で特別にこのローストポークにつけあわせる、林檎をそのままクランべりー、赤ワイン、蜂蜜で煮たものは人数分トレーに用意されていて指でそのソースを舐めてみるとなかなかいける。 息子がノコノコとじゃが芋を剥いて薄切りにし水に晒して付近で水気をとり、それを層に重ねる隙間に白ワインを混ぜたベシャメルソースを引いて最後にグリュエールチーズを降りかけてオーブンに放り込むグラタンドフィノワを用意するのだと言う。 27日には息子が所属する学生団のグループがクリスマスパーティーをし、そのため40人分作ったティラミスの余分が我々のデザートになるらしい。

8時のニュースを見ながら飲むコーヒーにケーキは誰が用意するのか知らないけれど私の周りでは各自いろいろとやっているようで午後も半分を周った頃からみな食事の用意に走り回るというのも何か大晦日の気分に似ていなくもない。




2008年12月26日 家族で晩餐

2008年12月27日 05時41分59秒 | 日常

この4,5日は何をするともなく過した。 何もしなければそのまま日は過ぎていき、あれよあれよと言っているうちに時間は経つ。 特にこの10日ほど風邪が酷く、どのようにそれが経過するかはわかっているものの咳と咽喉の痰が生活の邪魔になり堪らん。 鼻が詰まるので口で呼吸すると咽喉がやられそんな具合だから何も匂えない。 物は旨くないし味気ない。

だから物を家族のために料理しても皆目味の見当がつかず目分量でやっつけ仕事となっていたのだがようやく昨日ぐらいから匂いが戻ってき始めた。

そんな具合だから日中はぶらぶらしていて重い頭のままでベッドの中で本を読んだりまどろんだりしている。 外に出るのは最小限度にしているのだが23日に晩餐の用意をするのにいつものスーパーに出かけたらその混雑の仕方には参った。 日頃はゆったりとしていて10台ほどしか入っていない駐車場が100台以上の満杯でその上階のパーキングに初めて上がらねばならないほどだった。 そこでも80%ほどの入りで大きなカートを山盛りにしてエレベーターにしても6つほど入れば満員で動くにしても待ち時間に辛抱がいるようなこどだったからこれは多分一年で一番混雑する日にあたっていたのだろう。

先日、義弟の誕生日に舅夫婦が出かけてきて退院後の姑はかなり元気で4時間ほど飲んだり喰ったりしていたから今日、クリスマスの2日目、オランダでは大抵家族で午後からゆっくり晩餐をする習慣があって我々もこの日は舅夫婦を招いて晩餐することになっていたものが、義弟のパーティーのあと疲れがでて姑の調子が悪く一昨日、今日は残念ながら行けないとキャンセルしてきた。 余命のこともあり今年が最後の晩餐になるものとそのつもりをしていたものが叶わなくなったからこの冬には家に来ることはないだろう。 暖かくなり四月か五月に外に出られるような体力が残っていることを願うのだがどうなることやら。

だから家人は用意していた今晩の料理を午前中そこに届け、温めて喰わせたらしい。 息子も私も酷い風邪だから出かけていってうつせばそれこそ命を縮めかねないから同行せず家人が戻ってきてからその様子を聞いた。 舅は食事を旨いと言ったものの普通は姑のほうが何でも食欲があったものが上出来の肉料理にもあまりフォークが進まなかったようだ。

結局、娘のボーイフレンドを加えて五人だけの晩餐となったのだがそれぞれコースメニューを分担して夕方五時ごろから前菜、スープ、サラダ、本采、デザートの晩餐を始めて結局、デザートを終えたのは八時前で、そのあと皆で八時のニュースをコーヒーとチョコレートボンボンで見るということになった。

私は風邪を引いていたから風呂もシャワーもこの何日か浴びていなくてクリスマスの晩餐であるから日ごろはしないネクタイをしめることになり、さっぱりするのにシャワーを浴びてから五時前の空を浴室の小窓から眺めると久しぶりの広重ばりの夕焼けが見えた。 八時のニュースの中の天気予報では今日は最高気温が2℃だったらしい。 夜間は昼間と同じく晴天で気温は零下3℃ぐらいまでさがるらしい。 夜中に散歩に出た猫を呼ぶのに庭に出てカシオペア、オリオン、北斗七星、北極星を眺めていると晩餐の折、十日ぶりに口にしたアルコールの温かさも直に醒めるようで猫と一緒に台所に入るとセーターに入り込んだ外の寒気が感じられた。