暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

Michael Moore Quintet

2008年12月23日 00時37分20秒 | 日常
Michael Moore Quintet

Sun. 20 Dec. 2008 at De Burcht in Leiden, The Netherlands

Michael Moore (as, cl, bas cl)
Eric Vloeimans (tp)
Harman Fraanje (p)
Clemens van der Veen (b)
Owen Hart jr. (ds)

Michae Moore は1954年カリフォルニア生まれ、幼少の頃からクラリネットを学びボストンのコンセルバトワールでジャッキー・バイヤード、ギュンター・シュラー、ジョージ・ラッセル等に師事し、1977年に卒業後1982年以来アムステルダムに拠を置いて活動しているアルトサックス、クラリネット、バスクラリネットを概ね得意とする演奏家であり ICP(Instant Composers Pool) のメンバーとしてだけではなく様々なジャンルの音楽家たちと多種のプロジェクトを進めているマルチリード奏者である。

86年以来彼はオランダ内外で様々なジャズの賞を受け、中でもダウンビート誌批評家の投票ではクラリネット部門で2000年から連続して何回か第一位として認められている。

私はこの日、風邪のため頭が重く会場では咳込み迷惑を掛けない様にとのど飴を用意して自転車を走らせた。 フリー・インプロヴィゼーション系のジャズコンサートには町のジャズ同好会主催の演奏会ではせいぜい50人ぐらいかと高をくくって入ってみれば中ぐらいの会議室然としたスペースに軽く100人は入っていてびっくりしたし、開演時間を間違えて遅れてドアを開けて入ったときには2曲目が始まったところだと言われ暗い会場の端にあった椅子をよせて舞台の横に落ち着いた。

先週家に届いたオランダジャズ専門誌では恒例の年末に、オランダ音楽関係者、批評家、コラムニスト20人ほどにアンケートで幾つか質問をした中で、今年の収穫としてその一人が今年一番のアルバムにこの人のレーベル、ramboy から25番目発売の Fragile を挙げておりそれには私も異存なくそのアルバムをこのコンサートの前にまた聴いておこうと捜したのだがなぜか見つからない。 このアルバムのピアノはこの日の Fraanje で、この人はこの何年か折に触れ他のだれかのセッションでも弾いいるのに接することがありその抒情性の高さにいつも感心するのだが、ドッビュシー、ラベルあたりのトーンを思わせ自分のピアノに配分する具合がなんともいえないくらい心地よいのだ。

この日のトランペット、 Eric Vloeimans、 ヨーロピアンピアノトリオのMarc van Roon が加わったアルバム ramboy nr. 22、 06年発売のアルバム、 Osiris も私の好きなアルバムなのだがこの日はその中からMooreの筆になる佳曲、Ishi も演奏された。 それを弾く Fraanje のピアノの解釈にはより一層の親和感を持つ。

演目には自作の Whistle Blower, Brazilian Tune, Ishi, Fiets in Orstrijk, What is to do, Meager Harvest, などに加えて Jacki Byard の Blues、 O. Coleman のものが載せられ、それぞれアルトサックス、クラリネット、バスクラリネットで演奏された。

私はオランダの各地の ICP をはじめフリー、インプロヴィゼーション系のコンサートで多くのミューシシャンたちが様々な組み合わせでセッションをするのに立ち会って、自分が好きな楽器のアルトサックスがあると聴いているうちに Michael Moore がそこにいて耳が自然とひきつけられ、その豊かな音楽性に惹かれるようになり、Michael Moore の名前がそれらのグループのメンバーの中にあると出かけるようにしている。 彼の地味な人格は音楽では深みとなって現れるようでどのコンサートに出かけても彼のソロには感心してしまう。 

この夜は風邪のため重い頭でアルコールも入れずに音楽を追っているとそれでも軽い酩酊状態となりアルコールも要らないほどの彼らの音楽は私の気分を広範な音の地平で俯瞰から下降とさまざまな速度で飛翔させてくれ、夜中過ぎの演奏後、クリスマスの飾りの明かりが灯った運河沿いにに送り出されたときには滑らかで暖かいトランペットとサックスの絡み合いの音が一瞬か二瞬間、今の時期にちなんでそうしたのかクリスマスキャロルのように響いたことを思い出した。