ビアンカの  GOING MY WAY ♪

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パリ二人旅 11(最終回)

2008-12-31 | パリ二人旅

ルーブル美術館をあとにして、チュイルリー公園をオランジュリー美術館に向かって歩いた。旅行最終日もすでに午後三時を回っていたので、視線だけはあちこちキョロ付かせながらも次第に急ぎ足になる。歩きながら撮った写真はどれもピンボケ。

チュイルリー公園はヴェルサイユを造園した庭師ル・ノートルにより設計された完全なフランス式庭園だ。広い散歩道を中央に置き、左右対称に造られている。東のカルーゼルの凱旋門から西へコンコルド広場のオベリスク、シャンゼリゼ、エトワールの凱旋門と、すべて都市計画に沿ったとおりでしょうが、一直線に長く伸びている。公園内にはカフェもあり、寒々しい木立の中で唯一温かみのある光景だ。

    
    

オランジュリー美術館の前では、立ち止まらずに入館したので建物の画像はない。外が薄暗くなり慌てていたし、3回目の正直で、やっと中に入る事が出来たものだから外観を眺める間もなく入ってしまった。12時半にならなきゃ開館しない美術館だと、つい一日の最後の方に組むようになり、前の予定がずれこめば美術館は閉まってしまうから、旅行者は上手に時間を組まなければならない。この建物は19世紀に造られた温室(オランジュリー)を美術館にしたとのこと。

ずっと見たくて堪らなかったモネの「睡蓮の間」。ゆるいカーブの壁面が睡蓮の連作で埋まっている。それが二間ある。想像していたより室内は明るく、真ん中の椅子に座って思う存分モネの世界に浸ることができる。こんなにゆったりと見れる贅沢さはまさに感動もの!
第一次大戦でのフランスの勝利を記念する作品を国家に寄贈するため、8点からなるこれらの睡蓮の連作を描き始めた。それがモネ82才のときだったとは恐れ入ってしまう。
    
          
       
      

          

        

        

        

        


広角レンズでないときれいな楕円に撮れないけど、なんと幅の長い作品だこと!

「絵の中にいるように撮って!」と言われて何枚か撮ったけど、ジヴェルニーの家の庭にいる様に撮れているかしら?
 
絵のタッチはとても大雑把なのに、離れて見るとどうしてこうも美しいのだろう。



オランジェリー美術館については、モネの「睡蓮の間」がある美術館、というだけしか知らず、ほか何も調べていなかった。それが、建築家ジャン・ヴァルテルと画商ポール・ギョームのコレクションが寄贈されたことで、パリが芸術の都として最も華やいでいた時期の有名な画家たちの作品が地階でタップリと鑑賞できるとは、思ってもいなかったので嬉しくなってしまった。モネ、ルノワール、セザンヌ、マティス、ピカソ、スーティンなどなど・・・馴染みのある画家揃いで本当に充実した内容だったし、美術鑑賞するのに程よい作品の数なので適度な時間でじっくり見れ、本当に本当によかった。


★ルノワール・「二人の少女」

 
★ルノワール・「ガブリエルとジャン」


★マティス・「赤いキュロットのオダリスク」


★ピカソ・「?」


★ピカソ・「?」


★ピカソ・「白い帽子の女」


★セザンヌ・「リンゴとビスケット」


★マリー・ローランサン・「マドモワゼル・シャネルの肖像」


★ユトリロ 「モン・スニ通り」(白の時代の典型的な絵)


★?

ルーブルの後、すぐオランジェリーに来たものだから、デジカメで写すことにウンザリ気味だったけど、撮りたくなる絵がなんと多い美術館だったこと!行列もなく好きなだけ絵を見ていられるだけでも有難い。「立ち止まらずに前に進んでください」なんて言われないものね。

チェイルリー公園内の、書籍や雑貨を売っているショップも、つい中に入って見たくなるようなディスプレーだ。
公園を抜け、リヴォリ通りを横切り、娘の寄りたいというブティックを探すのにフォーブル・サントノーレ通りに戻る。雲の巣のようにあちこちに伸びた道と、同じ道でも途中から名前が変ってしまうのには閉口してしまうパリだが、ここは違う。チェイルリー公園、リヴォリ通り、サントノーレ通りと、三本が並行しているので、このあたりだけは絶対迷わない!
途中、ショコラティエ「ジャン・ポール・エヴァン」の前を通ったので中に入った。高級そうなのに人の出入りが絶えないとは、どういうことなんだろう。時間が許せばお茶したかったな~。

日本語のわかる店員さんもちゃんといた。あちこちでショコラティエを見かけたけど、お土産用に購入したのは、スーパーを除くとここだけだ。このすぐ近くに娘の目指した店があった。さて、ここは一体何のショップでしょう?(ヒント;この日に行った美術館名)

この店になぜだか入りたくない私は、ウィンドウ越しに中を覗きながら、外で待つことにしたが、娘がなかなか出て来ない。夕暮れ時の道端で、日本人おばさんの立ちん棒なんて見っともない、と思ったけど、だれも振り向きゃしない。当然!(笑)
店からやっと出てきたときの第一声は、「たかかったぁ~!でも買っちゃた!」・・・いったい何を買ったのかな?

このあとにもう一ヶ所、そこも友人のお勧めだったポンピドゥーセンター(パリ国立近代美術館)へとメトロを使って行くことにした。エアポート行きのタクシーがホテルに来る時間を考えると、建物を見ただけでUターンとなりそうだったけどそれでも決行。

メトロ内はラッシュの時間帯のようで、結構混み合って余りいい雰囲気ではない。半分警戒しながら身構えて乗っていたので下車したときはホッとした。初めて利用した駅なので地上に出ると自分達がどのあたりにいて、目的の場所がどっち方面かわからなくてウロウロしてしまった。そんな中で青いイルミネーションが綺麗な建物をパチリ。後で調べたらそこはなんとパリ市庁だった。
やっとのことで到着したポンピドーセンターでは入口で手荷物チェックをさせられた。二階にあったセルフカフェでコーヒーを飲み、馬鹿みたいだけどトンボ帰りでホテルへ向かう。

      

そのときのタクシーの運ちゃんが最悪で、いくら渋滞とはいえメチャクチャ遠回りされ、ホテルに着いたときにはすでに予約タクシーを15分も待たせてしまっていた!これまで、タクシー運転手には恵まれていたのに、一人でもこんなヤツに出会うとガッカリだ。結局は歩いたほうが断然早かったと思う。

ドゴール空港では、私たち二人のトランクが重量オーバーで、手荷物のほうに入れ替えるのに(特に娘のほう)何回も何回も入れ直さなくてはならなかったし、TAX FREEの用紙をどこに出すかでが空港のあちこち走り回り(教えてくれた人が不親切だった)、最後に空港内のショップをゆっくり見て回ってカフェでもしようと思っていたのに、結局、搭乗ギリギリまで手間取ってしまった。

パリに来てから常に感心したのは、街中やメトロ内で人と体が触れ合うと即座に「Pardon(失礼)」と言うこと。又、カフェでは給仕に対して、列車では切符点検係りの人などに、だれもが自然に「Merci(メルシー)」と言うことだ。見ていてほんと気持ちがいい。

 

こうしてプラハ三泊・パリ五泊の二人旅は、ふと気が付けばすでに遠く過ぎ去った思い出となってしまいました。途中、気が抜けてブログup出来なくなりましたが、その後、恥ずかしさの余り、投稿日時を偽り続け、丸一年以上かけて最終回にこぎつくことが出来ました。あ~やっと終わった!まるで宿題をしょい続けていたようで、やっと解放感を味わうことができました~。最後なのにこの回が最も手抜き、というか、記憶が曖昧になりすぎていることを実感。おみやげなどの画像も撮り忘れたし、書き足りないこと、忘れていることも沢山ある気がしますが、気が付いたら付け加えようかしら。たぶんやらないかなぁ?


最後にひと言付け加えたいと思いますが、この旅はなんと、娘から私へのプレゼントだったのでした!誕生日とか名目があってではなく、突然「私が出すからね。」だったのです。そのかわり滞在中の費用はママが出してね、とのことで、内心ビクビクでしたけど、一流レストランにも行かないし、ブランド物なども見るだけで充分な私たちにとって、滞在中の費用はたかが知れていました。もっとご馳走してあげればよかった!お洒落なコートでも買って上げたかった、と今更ながら反省です。いや、今だから言えるのかもしれませんね。

            

 

            娘よ、素敵な旅をありがとう! 

 

 


パリ二人旅 10

2008-12-31 | パリ二人旅

とうとうパリ最終日の朝を迎えました。
夜の便で日本へ発つので、ほぼ一日を有効に使えるのですが、昨夜が午前さまだったのでゆっくり起床。同じホテルでの5回目の朝食もゆっくりと済ませました。

すぐにでも外出して、見残しているルーブルなどに飛んで行きたい気分でしたが、午前中は娘がデパートで買いものをしているあいだ、荷物の整理をし終えてボーっとしていました。

 
ホテルに荷物を預けて向かったのは勿論ルーブル美術館。足を運ぶのはこれで3回目ですが、ちゃんと見るのは初めてとなります。ミュージアムパス4日間を購入し、あれもこれもと予定していたのに・・・そうそう行けないもんですね。

    MUSEE DU LOUVRE



チュイルリー公園を歩いていたら、犬の散歩をしている素敵なマドモワゼルに遭遇。お洒落な人って景観にマッチする何気ないファッションを心得ていますね。絶対に着ているものと外観と背景がバラバラではないんです。

   

後ろを見ればエッフェル塔。前にはルーブルのピラミッドが。よくもこんなへんちくりんなものを作ったなぁ、と思いますが、1980年代の大ルーブル改造計画のときに
登場したものなんですね。これを取り除いたら、ベルサイユ宮殿のように、フランス革命前の歴代国王の宮殿としてしか見えないでしょう。だいたい私がはじめてルーブルを訪れたウン十年前のルーブルは、ただただ静かなイメージでした。観光客でごった返しているような時代ではなかったってことでしょう。

    
   

ピラミッドの下のナポレオンホールが美術館の総合案内所になっていて、そこから館内に入るようになっています。館内の見学順序などは決めずに適当に歩き回ったので、沢山の見どころを見逃しましたが、どれもが「見どころ」と思える所は、さすがルーブルだけあります。
    
  
     
A.カノーヴァによる「エロスの接吻で目覚めるプシュケ」


ミケランジェロの「囚われの身/瀕死の奴隷」


     
   
     
     
   
ドラクロアの「民衆を導く自由の女神」
以前、息子がこの絵のプリントしてあるTシャツを着ていたっけ(悪趣味?)


これは水死体?一生懸命調べたら見つかりました。ポール・ドラローシュの「若き殉教者の娘」。どこかで見た事がある、と思ったのですが、この絵は「オフェーリア」を連想させますね。異様・・なのに、ストーリー性を感じる幻想的な雰囲気に、つい目を奪われてしまいました。


     

さぁて・・モナリザの登場です。(webよりの写真)
私が撮ったのは残念ながらピンボケ!別に絵画を写真に収める必要はないと思うんですけど、つい撮ってしまうのはもはや癖。この場所だけはロープが張リ巡らされているんですが写真はOKだったのです。
 
   
 
・・・
 けど、モナリザを見つめている人を見るほうが面白い。
昔、ここでモナリザを見たときはロープなどなく、人もちらほらでした。
何だか贅沢な時代でしたね~今考えてみると!

 

モナリザと対面している、下の大きな絵の前にはロープがない!
こちらは、ヴェロネーゼの「カナの婚礼」。横幅が9.94mもあります。

  

モナリザの他にもダ・ヴィンチの傑作が。
    

レオナルド・ダ・ヴィンチの「洗礼者ヨハネ」(左上)は最晩年の作品。少年ヨハネが闇の中から光を浴びて微笑み、右手は天を指して救世主の到来を告げるポーズをとっている絵です。右は「バッカス」。この指の意味は?
以前読んだ本によると、ルネッサンス時代の名だたるアーティストにはホモが多かったとのことですが、それ故か、ダ・ヴィンチの描く男性像は表情がとても意味深で官能的にさえ思えます。

右も晩年の作品「聖母子と聖アンナ」。
この絵は「モナリザ」や「洗礼者ヨハネ」と共に、ダ・ヴィンチが最後まで手元に置いた絵だそうです。
聖アンナの膝に座っているのがマリアで、子羊と戯れているキリストを抱きとめようとしているのですが、これは、犠牲(受難)の象徴である子羊にキリストが触るのをやめさせようとしているのだ、という説もあるそうです。



ダ・ヴィンチの絵は、しかし、どれも不思議な魅力が漂っているように思います。立ち止まって凝視せずにいられないインパクト、というか、ストーリー性を感じてしまうのです。



 

 

 
ボッティチェリの「若い婦人に贈物をするビーナスと三美神」

        

                      ・・・・サモトラケのニケ・・・・
絶対に見忘れない様に、と友人から念を押された一点でしたが、
広~いスペースにこれ一点だけなので、いやがおうにも目に入ってきます。
ギリシャのサモトラケ島で発見された勝利の女神ニケは高さが328cmもあります。

学生風のグループが写生をしていたので覗きこみましたが・・・
ウ~ン・・ イマイチでした。

          

この巨大な空間と天井の高さ!ダリュの階段の踊り場にある「サモトラケのニケ」のロケーションは最高でした。

     

これまた有名な、ダヴィッドの「皇帝ナポレオン一世の聖別式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠」の巨大な絵です。1804年12月2日ノートルダム大聖堂にて行われたナポレオン自身の戴冠式の様子を不滅のものにするために依頼したとのこと。完成までに3年も費やしたといいます。今から205年前になるんですね・・・

 

 左は、P.P.プリュードンの
「ジョゼフィーヌの肖像」

「歴史のなかの女たち~名画に秘められたその生涯」という本の中に、彼女もその一人として書かれていました。
それによるとこの絵は戴冠式の次の年に描かれたとのこと。そして、ロマン派の画家ウジェーヌ・ドラクロワが、先輩の描いたこの絵を見て次のように語った、と、その章の文頭にありました。
「ブリュードンは、ポーズと、表情と、装飾品における精妙な高揚感をこの完璧な似姿に結びつけるのに成功した。彼女はマルメーゾンの森の葉蔭に坐っている。憂愁に満ちた表情は、不幸な運命を予感させる・・・」と。
これほど美しいジョゼフィーヌですが、後継者が出来ないことで離婚という結果になるとは・・。本を読むと、更に詳しい事が知りたくなります。

 

    
    
    アングルの代表作「グランド オダリスク」は34才のときの作品。


時間に追われながら、急ぎ足でフェルメールの「レースを編む女」を探していた私たちですが、一度前を通ったはずなのに見落としていたのです。信じられなかったけど本当に。小さな絵なんですよね。係りの人に尋ねて引き返して見てきました。家に飾るのにちょうど良い大きさだわ。な~んてね。

          

        


下の二点はピーテル・デ・ホーホー(Pieter de Hooch)の絵です。オランダ全盛時代の風俗画家の一人として数えられ、フェルメールとはほぼ同時代。フェルメールの作品に影響を与えたことで知られているそうです。な~るほど。


 
「トランプ遊びをする人々」

         「Femme Preparant des Legumes」和訳は?


私が気に入った作品の一つはPieter van den Bosのこの下の絵。ピーター ファン デン ボスと読むのでしょうか?1600年代のオランダの画家です。


 

ルーブル美術館は、散歩するように見たい場所。建物を含め、全てが芸術品なんですものね。館内のエレベーターにも乗って見ましたが、これは新しかったです。中の押しボタンはこんなでした。今回は急ぎ足でしたが、それでも最高級の作品の数々のオンパレードに、充分堪能することが出来ました。本当に素晴らしかったです!


再度の遅いランチは、ず~っと憧れていたル・カフェ・マルリーで!
テレビで紹介されたり、ファッション雑誌の撮影場所だったりする度に指をくわえて見ていたんですが、ついにお客さんになりました。
陽気なボーイさんは口笛を吹きながらやって来るし、まるで映画の主人公になった気分でした。サンドイッチも何もかも美味しく、嬉しくてホンのちょっとだけチップを弾んだら、入口まですっ飛んで来ました。昔、パリのフランス人に抱いていた印象というと、《プライドが高く他人に無関心》的なイメージだったのですから、先入観はどっと崩れました~。

    

03Nov'09!