・・・・・〈パリ二人旅 8〉の続き・・・・・
そこで絶対飲むべき、と薦められていたホットショコラを注文。はい、飲物だけの注文です。ケーキもありましたが、どういうわけか旅行中、余り多くを食べたくないのです。憧れのサロン・ド・テ「ラデュレ」にも入りたかったけど、スィーツは見ているだけで充分・・だなんて、普段だったら考えられませんよね。
歩いてホテルへ帰る途中、ギャラリーラファイエットのデパ地下に寄り、夕食用の食材(寿司ロールとサラダ、フルーツ、飲物など)を調達。お惣菜売場の店員さんはとても陽気で、片言日本語で話しかけてくるんですよ。こういうお愛想って、イタリアならわかるけど、昔のパリには全くと言ってよいほど無かったことです。(・・って、一度しか行っていないけど。)昔のパリっ子は、こっちが何かを英語で聞いても、フランス語でしか返ってこなかったんですから。だから憧れの都パリ、といっても鼻っ柱が強いという印象をずっと持ち続けていました。今回の旅行を通して、そのイメージはすっかり変わりました。 ホテルに戻り、部屋で食事をし、シャワーを浴び、次は夜のお出かけの支度です。パリ最後の夜は奮発して、オペラ・ガルニエでオペラを、と思ったけど、ちょうどその日はバレエだったのです。ヌレエフ振り付け、とのことで興味ありましたが、パリにしかないシャンソニエにも是非行って聴きたかった。歩いていける所に「コメディー・フランセーズ」もあるし、モーリス・ドニの天井画のあるシャンゼリーゼ劇場もいい。なのに時間は今宵だけ。 夜遅くから始まるショーは終わる時刻だって午前様。女性二人で夜中にモンマルトルはちょっとね・・。たまたま娘が日本で知り合ったフランス人男性の友達と会う約束をしていたので、じゃ、シャンソンに誘ってボディーガードになってもらおう、ということにしたのです。彼も快諾してくれました。 私たちはタクシーで、フランス人のF君は自分のバイクで、現地で待ち合わせをしました。そのとき捉まえたタクシーの運転手が娘ほどの若い青年で、英語堪能な上、親切。学生さんがバイトとしてドライバーをしているのかしら、と思ったほど見た目もフィーリングも好青年でした。帰りに迎えに来て欲しい、と思っちゃいました。 着いたところは、ピカソやユトリロも皆無名のころ頻繁に通ったというシャンソニエ、「オ・ラパン・アジル」。建物を見ただけでもうドキドキ。ユトリロもこの建物を沢山描いているし、その場所でまだシャンソンを聴かせている、っていうことが嘘のよう。夜暗かったので周りの景色がよく見えなかったのですが、こんな所に、というような場所。 前もって電話で予約を入れておいたのですが、薄暗い店内に入ったところからして、雰囲気ありすぎ。アテンドしてくれた男性だって、びっくりするほどの個性を発しているし、席に通すときも、中央が沢山空いているのに何故ここなの、と思う場所でした。といっても店内は狭い。 ぼちぼち人がやってきては皆、壁寄りに詰めて座るよう案内され、フリードリンクが配られる。梅酒のような甘酸っぱいドリンクだったけど、グラスが小さかった。 話すように歌い、歌うように話すシャンソン。歌詞が可笑しくて皆がドッと笑ったりしているときは、F君も笑いを堪えながら内容を娘に小声で伝え、それを娘が私の耳元に日本語で伝えてくれたので、チンプンカンプンで孤立せずに済みました。男女間のきわどい内容の歌詩が多く、お腹がよじれるほどの忍び笑いをしていたF君でしたが、こんなシャンソニエがあるなんて知ってよかった。自分の親を是非連れて来たい、と話していました。 途中で韓国人だか中国人の団体さんがドッと入ってきたのにはびっくり。だから私たちなど、最初からの客を奥に押し込み、反対側のスペースをあけてたんだ、と納得しました。10人以上の団体ですが、その一人は、繰り返しフレーズのときにマイクを向けられても、返せたので拍手ものでした。 出入り口付近で若い女性シンガーとお喋りして写真を撮らせてもらい、店の外に出たところで、さっきまで歌っていた中年の男性が出てきたので、又、一緒に写真に納まってもらいました。 オ・ラパン・アジルのHPの《AMBIANCE》という項目で歌い手の方々の写真や歴史などを見ることができます。アテンドしてくれた男性がFrederic Thomas。上の男性がGerard Caillieux?(眼鏡掛けていないので違うかも?)中心になって歌っていた男性がIves Mathiewさん。女性はKrystel Barrereさん(かな?)。 帰りは大きな通りまで降りて行き、タクシーを捉まえるまで、F君がいてくれたので本当に心強かったです。彼はそのあとバイクで、私たちのホテルよりずっと遠い自宅まで帰りましたが、別れぎわに「こんなちっぽけなお土産しかあげられないけど」と言いながら、二つの小さな包みを手渡されました。中にはフェルトで出来たクリスマスツリー飾りが一つずつ。彼らしい素朴なプレゼントに心温まる思いでした。 あるとき、モンマルトルで活動していた一人の無名画家が看板にウサギ(Lapin=らぱん)の絵を描いたのだとか。それが話題を呼び人気も出て、その画家のサイン:A.Gill(=ア・ジル)とagile(=あじる ※敏捷な)という単語の響きにちなんでAu Lapin Agile(=跳ねウサギ)と呼ばれるようになったようです。(web上より) ★Au Lapin Agile:22、rue des Saules 18e Paris
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★CAFE DE CLUNY
20 Boulevard St Michel, 75006 Paris レシートには15:44と時刻が印字されていたので、ざっくりと頭に描いていた予定が又、かなりずれ込む予感が。昨夜行けなかった分、この日にオルセー美術館とオランジュリー美術館を入れていたのですもの。
でもこの近辺は、美術館巡りをキャンセルしてでも、絶対歩きたい魅力的な地区だし・・
で、歩きに歩きました。興味あるお店の前ではウィンドウに見入り、写真を撮ったりし、お菓子屋ではドアを開け、中を覗き・・美味しそうだけど、お腹いっぱいだし・・・と、写真にだけ収めました。店舗名などメモっている暇もないくらい、行ったり来たり出たり入ったりと・・・。 ★下の写真のガラスに「Meilleur Ouvrier de France」と書かれていますが、これは「フランス国家最優秀職人賞 (MOF)」の意味だそうです。このショコラティエの名は“Patrick Roger”。
★デリカテッセンを兼ねたケーキ屋さん。思わず中に入りました。美味しそうなホールケーキがぎっしり・・。お客さんも次々で繁盛しているようでした。マカロンツリーの下にGeの字が見えますが、ジェラール・ミュロだったのかしら?私としたことが・・・確認し忘れました! ★この辺に市場があるはずなんだけど、と娘。探したけど見当たらない。そんなとき見つけた地元のマーケット。魚売場の赤魚(?)の口にレモンが突っ込まれているではありませんか!娘が言っていたのはマルシェ・サンジェルマンのようでしたが、夕方など、市は終わっていますよね。 ★壁面がカラフルな何かで埋まっています。近寄って見ると、それは全部キャンドルでした。キャンドルだけで商売ができるなんて、さすがパリ。 店内のお客さんを見ていたら、ドアを開けて中に入る勇気が出ませんでした。が、娘はヘッチャラ。
どこへもずんずん入って、高かったぁ~とか言いながら出てきます。
サン・シュルピス通りとその周辺は、入りたくなるような魅力的なショップが目白押し。旅行者にとっては常に時間との戦いです。 娘を待っている間、ふと反対側に目をやると、なんとそこには、お洒落な街に負けず劣らずのディスプレーで着飾った、お馴染み「無印良品」があるではないですか。なかなかやりますね、「MUJI]。 ウン十年前にこの街に来たときも、サンジェルマン界隈が一番のお気に入りでしたが、当時の印象はもっと学生街、って感じでした。学生運動も盛んでしたからね。
ただ、お洒落なのに気取らず親しみが持てる雰囲気はあの当時のままの気がします。 ★MUJI(サン・シュルピス店)
27, Rue Saint-Sulpice, Paris
この店をちょっと見てくるからね、とこれまたシックなブティックのドアを開ける娘。デジカメ片手にその瞬間を撮っている母。
デジカメが体の一部になっているように、動作だけは素早いのですが、それなりのピントの甘さだから、大きくアップ出来ません。 外から店内を見ていたら、帽子を被って鏡に写して見ています。帽子と釣りあうようなドレスなど、持っていないはずですが、あれこれ試しているだけで満足だったでしょう。 ドラクロアのフレスコ画などが見れるので中に入りたかったけど、教会見学はもう沢山、と、さっさと歩いて行く子。仕方なくあとを付いていく母。
盛りだくさんの今日の予定はなかなか消化できない予感がしてきました。 教会の外はすっかり夕暮れ時。日中が少ない冬場の旅行は本当に何回も書いているようですが、時間に追われるんです。
本文が長すぎて投稿不可になりそうなので、この日の続きは次のブログ記事に回しますね。 |