旭川市在住の絵本作家こしたみさえさんの絵本原画展が、旭川市のギャラリー舞ふれんどで始まった。
会場は、こしたみさえワールドの温かい愛と恋と冒険の楽しい空気で満ちている。
展示されている新作の「ペンタのハート」全16ページの原画も、大人向けのほのかなで癒やしの簡潔なストーリーと、センスのいいお洒落な色調で心が和む。
作者の思いを凝縮した恋する紫のペンギンの表現がユニークで微笑ましい。プロセスを16枚に構成する楽しさを説明する作者本人の明るい個性的な人柄が滲み出ている。
絵本「ちーちーちー」16枚の原画も、独特な色調整によって柔らかい癒やし系の画面で好感がもてる。
出品されている自費出版の絵本「Blue」は主調色が青で、これまでの赤の「ハート」「ベビイ」の黄色と連作が続き、制作意図が納得できる。
ドライポイントに手彩色の小品も手がけて傑作を生み出し、最近挑戦始めた初期的なエッチングにアクアチントの銅版画の展示も趣がある。
これらの凹版画による絵本が近い将来に仕上がれば、表現での世界が広がるので、一層魅力的な絵本作家として躍進するだろう。
より積極的な発表の機会をつくり、こしたみさえ絵本の魅力が注目されることを期待しいる。
「こしたみさえ絵本・イラスト展」は、3月12日まで。
頑張ります。