チューリヒ、そして広島

スイス・チューリヒに住んで(た時)の雑感と帰国後のスイス関連話題。2007年4月からは広島移住。タイトルも変えました。

学会で上京

2023年09月11日 17時13分11秒 | Weblog
今年の日本新約学会2023年度第63回学術大会は9月8日(金)〜9日(土)、東京基督教大学を会場に行われました。

東京基督教大学は、以前は都内にありましたが、現在は千葉県印西市にキャンパスを持っています。前泊ということで、7日(木)の午後に出発。まずは広島から新幹線で3時間半。品川で降り、京急のアクセス特急成田空港行きに乗り換えます。

品川から(いや、そもそもか?)京急に乗るのは初めて。ちょっとしたおのぼりさん気分です。乗り換え時間に余裕があったので、駅や電車の写真なんか撮ってしまいました。

 

京急に乗ったはずなのに、電車は都営浅草線、京成押上線、京成本線、京成成田スカイアクセス線に入って行きます。乗っていても別に気付きませんが。1時間ほどで目的地の千葉ニュータウン中央駅に到着。広島から全部で5時間10分かかりました。駅前のホテルに投宿です。学会から紹介されたホテルでもあり、同宿の仲間に何人も遭ったので、夕食をご一緒しました。

翌日はいよいよ大会初日。ところが、この日は台風が関東を直撃。朝早くからものすごい雨と風です。タクシー乗り場はホテルから数分のところにあったのですが、そこまで行くだけで足元がすっかり濡れてしまいました。運良く止まっていたタクシーに仲間と分乗し、いよいよ東京基督教大学へ。

 

会場は大学チャペル。磯崎新氏設計のチャペルは、意図的に「中心のない」空間を作り出しており、「これは一つの中心を持たない、ポストモダンと言われる現代世界を表現しています。そのような不完全で、中心のない空間を造ることで、「『神のことば』が語られること」がチャペルの中心であることを表しています。同時に、この世界でどのように「神のことば」を語るのか、と、ここに集う者たちに問いかけます」とのこと(大学ウェブサイトからの引用)。マルク・ガルニエ氏製作の見事なパイプオルガンともども、まるで西欧のモダンな礼拝堂の中にいるかのような感覚にとらわれます。ここで2日間、研究発表会とシンポジウム(今年の主題は贖罪論)を行うことができ、大変恵まれた時間でした。理事長・学園長の朝岡勝先生、学長の山口陽一先生はじめ、スタッフの皆さんの親切な、行き届いたおもてなしにも心打たれました。

  

チャペル入口(内側)の上には聖書の言葉(マルコ16章15節「それから、イエスは言われた。『全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。』」新共同訳)のギリシア語文を記したステンドグラスが。



チャペルを一歩出ると正面には、申命記6章4節の言葉がヘブライ語と日本語で刻まれています。常に聖書の言葉と向き合う環境が作られていることに大変感銘を受けました。



初日の夕方からは天気も回復し、2日目の午後は日差しで暑いくらいになったチャペルの中で、贖罪論をめぐって熱い討議が交わされました。シンポジウムの司会を仰せつかっていた身としては、良い議論の時間となったことに安堵の思いでいっぱいです。

東京基督教大学の皆さま、ありがとうございました。