チューリヒ、そして広島

スイス・チューリヒに住んで(た時)の雑感と帰国後のスイス関連話題。2007年4月からは広島移住。タイトルも変えました。

「おおブレネリ」、あなたのお家わかったよ

2011年01月24日 18時49分29秒 | Weblog
以前から不思議に思っていた謎の解き明かしをネットで発見したので、すっきりしました。

「おおブレネリ」という歌があります。スイス民謡として有名な曲なので、たいていの人が知っているでしょう。

♪おおブレネリ、あなたのお家はどこ~?
♪わたしのお家はスイッツァランドよ~、綺麗な湖水のほとりなのよ~
♪ヤッホー、ホートランランラ

という歌ですが、不思議に思っていたというのは、

(1) なぜスイス民謡なのに、「スイッツァランド」と英語で国名を言っているのか? 「ヴレネリ」も、スイス人女性によくある名前 Vreni/Vreneli から来ているはずで、ならば「フレネリ」となりそうなのに、なぜV音を「ヴ」と発音しているのか?

(2) この歌、スイスではほとんど知られていない。昔々、最初にスイスに留学していた1991-95年の時のこと、日本の教会関係者がスイスの教会と交流するためにやってきて、その席でこの歌を一緒に歌おうとしたら、スイス側が知らず、「スイスの歌じゃない」などと言いだす輩までいたらしい(記憶が多少あやふやですが)。それを真に受けた日本側も、この曲をスイス民謡だと思い込んでいたことを「誤り」だと「自己批判」したのです。でも、歌詞内容から考えて、明らかにスイスの歌だし、ヨーデルだし、こんな曲を国外で作って、スイス民謡ってことにしたなんて、ちょっとあり得ません。

そんな疑問を20年近く持っていながら、そのまま放っていたのですが、何気なく覗いたウェブサイトで、疑問氷解。

元歌は、スイスのルツェルンで出版され、「第1次大戦前後に兵士たち、さらに学生たちの間に一時的に広まり、ついで、その改作されたメロディーの一つがアメリカに伝えられ〔中略〕これがアメリカでレクリエーション・ソングとして流行し、その方面の経路から、日本ではYMCAの歌集である「楽しい歌」に松田稔さんの訳でおめみえした、という次第」だそうです(リンク先から引用しました)。

なるほど、アメリカ経由で日本に伝わったのなら、「スイッツァランド」も「ヴレネリ」も納得がいきます。この歌は今日のスイスではほとんど歌われていないということなので、スイス人が知らなかったのも合点が行く話です。

ちなみに、「フレネリ」の部分は元々の歌詞(スイスドイツ語)では「娘さん」(Meiteli) となっていたそうです。(リンク先には、スイスドイツ語の元歌詞が掲載されています。最初は1番しかなかった日本語歌詞に2番が付け加えられた経緯も。)

よくぞ調べて下さいました。感謝。