鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

猛虎図小柄 藪常代

2009-11-02 | 小柄
猛虎図小柄 藪常代                             



猛虎図小柄 藪常代
 一宮長常の門人で紀伊国和歌山に住した藪常代(やぶつねよ)の、量感ある高彫表現になる小柄。緊密に詰んだ鉄地を立体的に仕立て、長常の親子虎図目貫や親子鶏図目貫にもみられるように、鏨で切り込むような技法で主題を彫り出しており、総体に迫力が充満している。鉄色優れて光沢あり、鉄の素材も魅力の一つ。
 敦賀市立博物館で開催中の《一宮長常展》では常代の作品は展示されていないので、一例だけだがここで鑑賞されたい。