totoroの小道

「挑戦することで、きっといいことがある」  http://www.geocities.jp/totoroguide/ 

海の命

2008-10-22 10:02:02 | 6年 国語

6年 海の命

5時間目のことです。明日小木先生の中心授業があります。今日はその先行授業として川村先生が、小木先生の指導案で授業を行ってくださいました。

私は授業があり見に行くことができませんでした。そこで、授業後の板書を見ながら、その様子を教えていただきました。

川村先生によると、子どもたちはよく集中して考え、発言も活発だった。しかし、色々な大事な言葉がでて、それをどうつなげていけばいいのか困ってしまった。という反省でした。おっしゃるとおり、黒板には、海の命とか、村一番の漁師、一人前の漁師、海のめぐみ、・・・・等々、大事な言葉がたくさん出されています。

あれもこれも取り上げて話し合うのでは、他校の行っている国語と変わりなくなります。いや、書く時間を削る分批判の対象が多くなります。

そこで、川村先生と、小木先生とで放課後実際に黒板を使って模擬授業をして、指導案を再検討することになりました。


6時間目、小木先生は、
「明日の授業に備えて授業を進めます。明日は(なぜ大魚を殺さなかったのか)という大問題をあつかいます。」
「その答えはどこにありそうかを見付けておきましょう。」
「この段落の、前半にありそうですか?後半にありそうですか?」
『後半です。』
『いいで~す。』

「後半は、26、27、28、29の4つの小段落です。そのどこですか?」
『順序よく学習していく方が意味がよく分かるから、26を勉強したいです。』
『泣きそうになったから、ふっとほほえんだのところで、気持ちが変わっていると思います。気持ちが変わる理由が、その前にあると思います。』
そのような話し合いで26段落が選ばれました。

「26の段落の中の、どこをあつかったらいいでしょう?」
そう質問した小木先生の頭の中には、
 この魚をとらなければ、ほんとうの一人前の漁師にはなれないのだと、太一は泣きそうになりながら思う。の「太一は泣きそうになりながら思う。」が出てほしいという思いがありました。
指導案も、それで考えてあります。

ところが、子どもたちの選んだ文は
①この魚をとらなければ、
②ほんとうの一人前の漁師にはなれないのだと、 
③太一は泣きそうになりながら思う。
の中の、②でした。

ここで授業が終わります。

小木先生は、頭を抱えます。どうしよう。子どもたちからでた、②ほんとうの一人前の漁師にはなれないのだと、で授業を行うべきかどうかを。

そこで放課後の教材研究に、平野先生を誘っておきました。平野先生はここを何度も実践されて詳しく分かっています。また、一昨年、この文で授業をした経験もあります。

放課後になります。
教材文を黒板に貼り、実際の授業展開を考えます。

「どうして、太一は大魚を殺さなかったのでしょう?」
①おとうと思えたから。
②海の命だから
「それは、どの文を調べたら分かりそうですか?」
『②ほんとうの一人前の漁師にはなれないのだと、です。』

「では、この文を切ってみましょう。」
ほんとうの/一人前の/漁師には/なれないのだ/と、
『一人前が大事だよ。』
『ほんとうのが大事だよ。』
『なれないだ大事だよ。』
『難しい言葉の意味を、まずはしっかり理解しようよ。』

【一人前】
(一)おとなひとりが一回に食べると考えた分量。
(二)子供が大きくなって、おとなと同じ権利・義務を持つこと。
(三)独立した社会人として恥ずかしくない生活能力・技芸を持つこと。

【本当】
偽りや△冗談(見せかけ)ではないこと。=真実=本物=掛け値のない

『大魚を捕らなければ、大人の漁師として、1000匹に一匹をとって生業を立てるという権利と海の命を守るという義務をもった、本物の漁師にはなれない、と読むことができるね。』

「では残った、なれないから問題はできない?」
『この大魚を捕ったら、一人前の漁師になれると、本当に思っているか居ないか』
「文字面を読むと、思っていることになる。」
「しかし、苦しんで泣けてくるのだから、本音と建て前と違うから苦しんでいるのだと思う。」
「ということは、本当は捕らない方が、一人前になれると思っているのに、建前として捕らなければならないから苦しいんだ。」
「つまり、本当の太一の心は、とらないだよ。」
「そうそう、それに気付いたから、ほほえんだんだ。」

「では、この答えは?」
『本当は、捕ったら一人前になれないと思っている!!』

では大問題の答えを考えましょう。

「太一は、なぜ殺さなかったの?」
『本当の気持ちの部分では、大魚を捕ったら、目標としている一人前の漁師になれないから!!』

そんな、流し方ができることが確認されました。

 

にほんブログ村 教育ブログ 小学校教育へ 藍色と空色と緑のページへ 光明小学校のページへ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿