黄金の3日間を上手に使う。
最初の三日間は、その後の一年間を左右する重要なときです。最初の三日間に、学級をきちんと組み立てれば、その後はうまくいきます。逆に「みなさん、仲良くしましょうね。」などと、のほほんと過ごせば、最後には見るも無惨なクラスになります。この三日間はどんなやんちゃ君でも素直な態度でいます。だからこそ、教師としての方針を伝え、一年間のクラスのルールや仕組みの大部分を決める必要があるのです。
〇 黄金の三日間にすることとは?
黄金の三日間ですべきことは大きく分けて3つです。
(1)教師の方針を示す。
(2)生活のルールづくり
(3)学習のルールづくり
(1)教師の方針を示す。
教師の方針、それは教師の願いです。どんな学級にしていきたいのか、どんな子どもたちに育ってほしいのか、所信表明します。
(例)今年度のtotoroの方針
5年2組の学級の目標は「なみだ」です。
「なみだ」は3つの目当てです。これに向かって全員が努力すれば、必ず今年は良い1年になります。逆に、守れなければ、無駄な1年になります。だから、この目標に真面目に取り組まない子がいれば、私は全力で叱ります。
1 「なみだ」の「な」は、何にでもチャレンジです。
良いと思うことはすぐにしなさい。チャレンジした結果の失敗は失敗ではありません。逆に、いい加減に取り組んでいたら、本気で叱ります。
2 「なみだ」の「み」は、みんなのためにボランティアです。
お互いに気持ちよく過ごしたいです。でも、何もしないで気持ちよくはなりません。できるときに、できることを互いにし合いなさい。みんなのために奉仕しない人は、クラスにはいりません。
3 「なみだ」の「だ」は、だれとでも仲良しです。
ここは家庭ではなく、学校です。あなた一人だけが勉強が分かり、あなただけが楽しく生活すればいい場所ではありません。30人、だれもが分かり、安心し、楽しくなければなりません。分からなければ「ねえねえ、教えて!」と言え、分かる人は気軽に教え、みんなで成長するクラスでなければなりません。そのためには、全員が、仲良くなければなりません。自分のことしか考えない人は、本気で叱ります。
(2)生活のルールづくり(totoroの例)
学校のきまりの掲示がクラスにあります。遊び場所や持ち物等についてまとめてあります。これを、一緒に読んで確認します。最初に確認してあれば、あとから、「ここに書いてあるからダメ」と言えます。
(3)学習のルールづくり(totoroの例)
・聞くときは、何も持たずに話す人を見て聞きます。
本当に聞いていたかどうか、時々指名してチェックします。
・ノートは、必要があればメモし、まとめは3行書きます。
毎日集めてチェックします。よい内容ならA 普通ならB ダメならCと評価します。
このようなことは黄金の三日間だから子どもたちの記憶に残るのです。そして、一年間クラスの学級経営の支えとなります。何かあった時はいつでもこの指針に戻ってくることで、ぶれない学級経営をすることができるのです。
○ 日々の授業を魅力的にする
黄金の3日間がうまくいっても、日々の授業に魅力がなければ、子供たちは崩れていきます。子供だけが頑張ってもだめなのです。教師が教師の一番大事な仕事として、日々魅力的な授業を続けることが、よい学級を作る近道となります。
・子供は、なぜ授業に集中して取り組まないのか?
①分かり切ったことを延々と聞かされる。
②教師の指示が、不明瞭で、何を指示されているのか子供が分からない。
③空白の時間(何をするのか分からない時間)ができるので、無駄話をする。
④教材が、つまらない。
⑤話を聞くだけで、自分の活動がない。
⑥教師が学習内容を指示しているように見えるが、じつは丸投げで、何をどうするのか分からない。
・授業を魅力的にするために、教師が取り組むこと。
①指導書、赤本の通りに教えるのではなく、まず子供の視点で子供と同じ教科書を読んでおきます。
読めば分かることは、くどくど言わず読んで学ばせます。
読んでも分からないこと、読んだつもりでスルーするだろうことを見つけ、
どのように分からせ、視野に入れさせるかの作戦を立てておきます。
②指示は具体的に。5W1Hで指示します。いつまでに、どのように、どれぐらい等
③クラスの空気を常に感じます。ざわついている時、子供は何もしていません。
④大人なら分かる資料も、子供は何のために提示されているのか分かっていまえん。
提示するときには、どのように見せるか、どこを見せるか、どう気付かせるか、
戦略を練っておきます。
⑤指示は、1分で行います。それ以上長い指示は聞いていません。
1分で「なぜ」「どんな手順」「どのぐらい」「いつまでに」を指示します。
その分、子供の活動する時間を保証します。
⑥「新聞にまとめなさい。」「思ったことを書きなさい。」などという指示は、
指示のうちに入りません。スモールステップで授業を計画し、子供の現れを予想し、
子供が自発的に取り組んでいるように見えるけれど、
実はレールの上を走っていくとなるように準備をしておきます。
例えば、「新聞」だったら、1段目にP100~101について、2段目はP102~104について、
3段目はP105~107についてまとめ、最後にまとめを4行書きなさい、
というように指示をします。
例えば「思ったこと」を書かせたいなら、1行目に黒板のまとめの部分を書き、
2行目にその証拠を見つけ、3行目にその根拠からなぜこのまとめになるかを書きなさい
というように、「それをやればいいのね」と分かるように指示します。
○ 子どもの自治を作る
良いクラスは、教師だけでできるものではありません。
教師と子供とが、自転車の両輪となって回転することでし、初めてクラスとして機能します。
・係活動が、全員参加で機能するよう、仕組みを作っておきます。
・クラスの問題があったときに、子供たちに(個人情報には注意しながら)情報を開示し、
解決方法を一緒に考えさせます。
・子供に、係活動や話し合い活動をさせたいときは、その準備の時間を確保します。
・学級会は事前に学級委員とともに作戦会議を開き、イメージを共有しておきます。
・リーダーと、フォロワーの両方が大事であることを、行事等を使って具体的に教えていきます。
もう前を向いていますね。
この生き方が素晴らしい子どもの世界をつくるのですね。
4月から、3年生の担任ができそうです。
参考にさせていただきます。
が、3月31日をもって、本当に退職します。
チャレンジですが、4月からは私立の小学校でお世話になることにしています。何も分からないので不安ですが、頑張ります。