totoroの小道

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2007 海の命 3時間目

2022-03-13 14:09:03 | 6年 国語

 3時間目
 実は、一時間目の授業はそこそこ楽しかったのです。しかし、この日二時間目になるこの授業はメロメロでした。思い起こしたくもないほどです。子供たちが集中せず、ざわついていました。私は、それを子供たちのせいだと思っていました。一日に二時間国語をやると、集中が切れるのではないかと。

 分かるはずのことがどうしても気付いてくれないので、悔しくて、帰りの会までにどうやったら気付いてくれるかずっと考えていました。そして、一分だけ時間をもらい、この授業の続きをやりました。一分で、子供たちは納得して、理解しました。

 このことから、見えてきたことがあります。それは、私が前日に一時間分のプランしか持っていなくて、この日の二時間目は、だいたいこの辺りをつつけば、この辺りの学びができるだろうと、かなり甘い考えの元に行いました。プランが甘いから、子供たちも追求が甘くなるのだなあと感じました。もっというと、授業がつまらないから、必要性を感じないから、追求しなかったのだと思います。


まず、「なぜお父さんはロープを体に巻いたままこときれていたのか」という、めあてについてまとめます。
瀬の主である緑色の目のクエと出会い、お父さんはどうしてもこのクエをとりたくなって、ロープを自分の体に巻いた。それも、ほどけないようにきつく巻き、クエに勝負を挑んだ。しかし、クエにかなわずにお父さんは事切れてしまった。
およそ、このようなまとめが書けました。

T:では、一の場面では、この大問題のほかに小問題がありました。これについて考えておきましょう。
S:「なんで海に表情があるの?」「不漁の日が十日間続いても、父はなぜ少しも変わらないのか?」だったね。

T:最初から読んでおこう。
S:父も、その父も、
S:「も」だね。
S:代々、古くから。
S:海に住んでいた?
T:「また」は?
S:重ねた。
T:おじいさんも、お父さんも海に住んでた?
S:魚になっちゃう。
S:船の上に住んでたんじゃない?
S:??????
T:これは、全く手掛かりがないみたいなので、保留しておこう。また、出てくるから。その時にじっくり考えよう。また出てきて、二つを合わせて考えるときっと分かるから。
S:太一の好きなのは、海の表情。
S:なぜ海に表情があるかというと、波が動いて、それに太陽が当たったりすると光る。
S:海に顔があるわけでないけど、太陽がでていたり、曇っていたり、どんなときでも太一は海が好きだったんだと思う。
S:気持ちが顔に表れた様子と辞書に書いてあるから、海に顔はないけど....
S:水面に現れたんだ。
S:波が荒いときはおこってる。
S:波が穏やかなときは、笑ってる。
S:光っているときは、笑ってる。
S:嵐の時は怒ってる。
S:夕日が当たると、照れてる。
T:海になぜ表情があるかないかは、解決した・
S:うん。
T:じゃあ、ノートに書いてね。

「ぼくは、漁師になる。お父と一緒に海に出るんだ。」
T:海に出る?
S:漁に出ること。
S:漁師になると一緒のこと。
T:なるほど、同じ事が二度くり返されているんだね。
S:とても、強い気持ちだということだね。

「はばからなかった」
S:他の人のことを気にする。遠慮する。
S:でも、ちがうよね。
T:はばから・な・か・った。
S:あっ、遠慮でいいんだ。
S:遠慮しなかったんだ。
T:俺はJリーガーになるって遠慮しなくて言えたんだ。堂々とね。
S:自信があったんだね。

「潜り漁師。」
S:分かるよ。

「瀬」
T:じつは、瀬の意味が本文に載っているんだ。
S:潮の流れが速くて、誰も潜れない
S:波がはやい?
S:流れるプールみたいに流れが速い。
S:水面は動いてないけど、中は川みたいに動いている。
S:海流。
S:お~。
T:こないだMさんが、絵にいかりがほしいって言ったじゃん。
S:船が流れちゃう。
S:潜り漁をやって、うかんできたときに船がいなかったら困る。

T:だれにももぐれない。なぜ?
S:流れが速い。
S:流されちゃう。
S:怖い。
S:無事に帰れない。
S:運動神経がよかったんだ。
S:他の人とは格がちがう。
S:レベルが違う漁師だ。

「2mもある大物をしとめても、」海の恵みだから。
S:海がくれたもの。
S:海がないと生きていけない。
S:まだ、ものたりない。
S:自分で一人前でないと思っている。
S:瀬の主に会うまでは、一人前でない。
S:海の恵みだから。

「不漁の日が、十日間続いても、父は少しも変わらなかった。」
S:不漁は、魚が全然捕れない。
S:これはおかしい。
S:仕事が漁師なのだから、稼げないと赤字になっちゃうから普通は慌てる。
S:私の家のお店で十日間もお客が来なかったら、お金が入らないでしょ。食ったり食べたり飲んだり、できないじゃん。
S:普通なら、何でとれないんだよと、荒れるはず。

ここで、
S:「不漁が十日間続いたから、いつもと違う行動、つまり瀬の主を取ろうとする行動に出たんだ。一か八かにかけたんだ。」
という意見が出ました。
S:十日間魚がとれなかった、仕事ができないから、その時にクエにあったから...
S:不漁が十日間続いた後に、クエに会ったの?
S:ある日だもん。そうだよ。そんな事が続いたある日だと思うよ。

話が変な方へ行き始めました。
そこで、
T:不漁が続いたから瀬の主を獲ろうとした。これは正しい? 違う?
と聞き、話を元に戻そうとしました。
T:これを解決する言葉があります。「も」です。不漁の日が十か続いてものもです。
S:えっ、わからん。
S:何????
T:もは他にもあるということでしょ。
S:十か不漁が続かなかった。
S:大漁がが続くこともある。
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ここで終了の時間でした。子供たちは???????????
先生、何をいいたいの??と言った表情です。
「も」を示したとたん、氷が溶けるようにこの問題は解決すると思ったのですが.....


そこで、5~6時間目の空き時間に、くやしかったので、どう説明したら分かったのだろうと考え続けました。そして、帰りの会で一分だけ時間をもらい、この続きを行いました。

T:今から、例文を書くね。「酒井先生は、リンゴもすきです。先生は好きな果物で、ジャムを作りました。」
T:さて、この文のジャムは、リンゴジャムですね。
S:ちがうよ!!
S:先生の好きなのは、りんごだけじゃないじゃん。だって「も」があるもん。
S:「も」は、もっとほかに好きな果物があるという意味だもん。
S:先生の好きな果物は、ほかにも、イチゴや蜜柑もあるかも知れないでしょ
S:だから、イチゴジャムかも知れないし、マーマレードかも知れない...
(なんだい、ちゃんと「も」が分かってるじゃん。)
T:じゃあ、このさっきの文で、不漁の日が十日間続いたことが、クエを捕る理由になる?
S:なら~ん。
(なんだい、ちゃんと「も」が分かってるじゃん。)

あ~あ、下手な授業をして、昨日いい雰囲気の授業だったのにぶっ壊しちゃったなあ。また、来週から、もっと集中して授業をしなくちゃ。


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