庭の縁台で工作をしていると蜂の羽音がする。ほぼ毎日見かけるリンゴの幹への飛来だ。尾端が黒いからヒメスズメバチと見た。
樹液が出ている訳でもないのに熱心に頭を突っ込んでいる。もう一匹来たので同胞かと思ったが、どうもそうではないようだ。接近すると双方とも翅を立てるし腹部を大きくし威嚇しあう。腹部の模様を見ると別種のようで黒と茶色の模様の順序が異なっていた。
一匹は幹に取りついて、一匹は周囲をうろつくから、攻撃行動は「無い」と確信していても落ち着かない。蜂の寄り付く幹の傷を仔細に眺めていて気が付いた。蟻道の痕跡のようなのだ。
溝は40㎝程上下に走り、下側には手の平大の樹皮が欠損した部分がある。今まではテッポウムシの傷跡とばかり思っていたのだが、仔細に見たせいで不信感がわいた。蜂が邪魔になるから追い払い、傷口をほじってみたらアリの巣だった。木質繊維を重ねてうまく誤魔化してあった。
もうほっとけないから殺虫スプレーを噴霧、樹皮と木質の間を巣にしていたようだ。蜂が首を突っ込んでいた孔は、蟻の開けた出入り口に違いないのだが、行為の意味が分からない。