トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

須田紋太君の花嫁…いいえハナマメ甘納豆

2021-02-28 | 感じるままの回り道
 懇切丁寧、じっくりと我が生涯に於いて、ここまで手間暇をかけて調理した事はない横綱級のスローフードだけでなく横綱級のスイーツ甘納豆となるはずだった。ところがあにはからんやゴール直前で横綱の攪乱、それも仕切り直しをしたのにも関わらずグラニュー糖をまぶして形を留めさせる事は叶わなかった。
 水分を飛ばせば改善するかと2日ほど笊に広げて日陰に置いたものの、ただしっとり感が失われ固くなるだけだったのである。

 グラニュー糖にまみれていない甘納豆なぞ、煮豆とそう変わらずに見えてしまうので是非ともグラニュー糖をからげて食してみたかったが如何ともならない。それでもここで引き下がるのはお爺の沽券やメンツにかかわる大問題になろう。ましてや水素爆発し廃炉とせざるを得ない状況には至ってはおらず、まだ救いの一手はありそうなのだ。ここで豪雪地産の心魂が生きることになった。まあ、単なるしつこい性格だけかもしれないものの秘密の漏れようもない密室キッチンでの算段だ。ここは隠し事や隠蔽などせずキチンと公明正大、信義と誠実の原則を貫いている我が政府、政を範としたのだ。

 二回目にまぶしたグラニュー糖も溶け落ちてボールの下に固まっている。これに少量の湯を加え溶かし、新たに砂糖を加えて少量のシロップを作った。これに再度ハナマメを投入し加熱しつつ煮回しながら水分を飛ばしてから一昼夜放置して冷却した。この補修調理にシナモンを加えて見た。不思議な香りと味の甘納豆となったのだ。
 見た目も艶やかで口に入れれば「甘ーい」のは間違いない出来上がりでもグラニュー糖をまぶすと再三の溶けだしがあるやもしれず、このまま保存容器に入れて冷蔵庫に直行させる。グラニュー糖をまぶし純白のドレスを纏った甘納豆は一時の姿として食べる直前に楽しもう。
 まあ、ウエディングドレスのごとく、その時束の間一回限りの装いをさせるのである。

2月定例会

2021-02-28 | 月例会
2021/02/20 (土)9:30~13:00

会員 会員9名、幼児1名
活動 地拵え地の集積・キクラゲの菌駒打ち

 地拵え場所の集積は4名だったのだが集積専任で4名が作業すると普段の二人より断じて片付きが早いのは当たり前田のクラッカーであろう。それでも「片付いたぁー」と嘆息するほどには至らず全体から見れば微々たる作業量で先はまだまだ長いのだった。
 少し早めに切り上げ除伐材のクワにキクラゲの菌駒打ちを行った。どういう訳か駒を打つ穴開け作業は小生に回ってくる事が多く、この日も穴開け担当である。たまにはコンコンと駒打ち込みをしたいのが本音。

 昼食はOさんが自宅で調理して持ち込んだでっかい肉団子たっぷり入ったロールキャベツを頂く。小さいお嬢ちゃんも随行して元気よく挨拶はするし、おじちゃんおばちゃんの中で機嫌よく遊んでいたものの、さすがに昼食終了の頃は眠気を催したらしくメソメソし始める。帰宅してぐっすり昼寝しただろう。

                  

**雨ニハマケル風ニモマケルガ…

2021-02-27 | 温故痴新
              雨ニハマケル
              風ニモマケルガ
              雪ヤ夏ノ暑サニハマケヌ
              丈夫ナカラダヲモラヒ
              煩悩ニハマミレ
              決シテ許サヌ
              イツモブスットシテイル
              一日ニ白米二合ト
              ナメ味噌ト少シノ野菜ヲタベ
              ウバステ山デハ
              怪我ト弁当ジブンモチデ
              遠目デ耳モトオク
              ソシテスグモノワスレ
              町外レノ川ノ近クノ
              小サナ戸建テノゴミ苫屋ニヱテ
              東ニ病気ノ樹アレバ
              行ッテ除伐シテヤリ
              西ニ崩レタ溜池アレバ
              行ッテソノ堤ヲ直シ
              南ニ死ニサウナ竹林アレバ
              行ッテ光サンサントサセ
              北ニトンボヤカエルガイレバ
              コッチノ水ハ甘イトサソヒ
              独リノトキハ手鼻ヲカンデ
              サムイ永田ヲボロクソ言ッテ
              子ドモニモ相手ニサレズ
              ホメラレモセズ
              ミムキモサレズ
              ソウイウジジイニ
              ワタシハナッタ
              腰痛モチノ
              ワタシニナッタ
              一刻一条
              ワタシニナッタ
                       ※ 宮沢先生、無断引用改作出来心デス。本当ニゴメンナサイ。許シテチョンマゲ!  干支破風ニ於イテ記ス

残りの四本伐採できた

2021-02-26 | 今日は真面目に
 地拵え中の斜面、マキの大樹は残り四本となった。これを地上に倒せば大仕事は解消なので、ここは吾輩の甲斐性を最大限に発揮せなばならない。伐倒方向の関係で下側の二本から伐採し、その上で上棚の二本を伐採した。ミカンの樹が途中にある関係で上棚の伐採方向が下側の二本方向になってしまうから、掛かり木とさせないための順序である。

 最初の一本は斜面方向への伐倒で、樹高より離れた距離で牽引したかったけれどギリギリだった。牽引器で引き倒す時、倒す樹の出す破壊音を聴取しながら退避するのだけれど、この時は下側に有ったカラスザンショウの大木の枝を巻き込み折って倒れてきた。メリメリと言う連続破壊音で後ろも見ずに退避、逃げたのだったが、折れた太枝はマキの枝より外側に落下していて危ない局面でもあったのだ。
     ➡   

 残りの三本は牽引がうまくいって倒したい方向に順調に倒れてくれた。結果としてマキの大樹十数本の伐採が終わったのだ。難渋した樹もあったものの怪我も事故も無く済んだのは神仏のご加護である。とは言え林床に低く生えているアリドオシの鋭い棘には泣かされた。低い位置で受け口や追い口の切込みを入れる場合、段々の肩にそびえている幹が多かったから膝をついたりしゃがんだりの姿勢をとらざるを得ず、その時に脚や臀部、はてまた払えば皮手袋を通して指に刺さったりする。刺さり易くて折れやすい性質なので中には皮膚内に残るのもある。抜き取っても傷みは続くし、中に残ったものは毛抜きでは難渋するし、アリドオシは嫌いだ!。
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闘魂注入、角を矯めて牛を殺す「花豆の甘納豆」

2021-02-25 | 何よりの楽しみ
 己等、究極のスローフードになった。なにせ水浸を開始してから指折り数えると片手では足りなかったのだ。それと言うのも懇切丁寧、失敗あるまじき、と念には念を入れて調理したためである。他のスローフードには猪肉をソミュール液に漬け風乾し熱燻し熟成し終わるまでの一週間があげられるが、大半は付きっ切りなどしなくても良い。
 同様に時間経過が必要な「味噌酒粕漬け」も一週間か10日程度漬け込むけれど、これも取り出すまでは手出し無用の代物である。然るに今回の花豆はお世話をし、お守りをしての日々だったからベストスリーの中でも横綱であった。とは言え、この頃は横綱の権威も風格も品格もあったものではなくなって「国技」というにはいささか侘しくなってしまった。
 さて、巷の作り方より更にスローフード化させてしまった、何故そうなったか記してみるけれど結果としては初めてにしては大成功と言うべきなので爺我自賛、してやったりで、とは言え「次も作るか?」と問われれば返答に窮する。

 調理の最初はネットで作り方のプリントだ。前回、花豆の煮豆を作る時に閲覧していたものの初めての調理なので手元にプリントを置いた。水浸は概ね一晩一日程度だったけれど小生は二日二晩の倍を費やす。1日程度の水浸では不十分と感じていたからで、レシピ通りに調理している人たちは満足できたのかどうかは知らん。他人様に提供するものではなく我が身の楽しみである事から選択は自由なのだ。

 水浸が終わり次の工程はアク取りである。ここはレシピ通り3回実施。沸騰撹拌させないようにギリギリまで加熱して茹でこぼし、これを繰り返す。浸した湯は黒く濁るけれど3回で澄む訳もなく「限が無いなあ」が実感。アク取りの後は圧力鍋で加熱したが、これは外皮を軟化させたいために行った。単に煮ただけの煮豆の時は外皮の固さが気になったのだ。今回は曲がりなりにも「スイーツ」のつもりなので蛇足の一手である。まあ、ここでも調理上手の先輩、次姉の助言が生きたと言えよう。つまりは「急いではいけない。丁寧に煮る事。そうしないと割れが増えるから。」を実践したのだった。

 引き続いて砂糖を三回に分けて煮溶かす。豆が隠れる程度の煮汁しか無いので付きっ切りである。焦げ付かないように頻繁に鍋を傾け煮汁を回す。溶け切った後もすぐには火を止めず15分程度は鍋を回していたかもしれない。
 これから二日間かけて3回の加熱冷却、加熱冷却を加えた。言わずと知れた甘味を滲みさせるための工程なのだが、レシピでは砂糖が十分に溶けたらそのまま自然冷却を1日程度行えば良いとあったが、倍以上の時間も掛けたのだ。冷えた度に一粒つまみ喰いして味見、豆の糖度が上がってくるのを実感する。
 ここまでに豆が割れたのは1個だけで、初心者初回にしては上出来と言っても良いだろう。爺我自賛祝着至極極まれり!。

 糖液は「えひめAI」の糖分に転用 ➡  半紙に広げ乾燥 ➡  グラニュー糖をまぶし完成した

 ここまでは順風満帆、グラニュー糖をまぶし1日経ったらグラニュー糖が全て溶けだしてしまった。慌てて二度目の乾燥を行う。まあ、「好事、間多し」としておこう。これ以外は初心者初体験にしては合格点だったのだから。今回も究極のスローフードとなってしまったわい。
 こんなことが出来るのも庭で工作が出来ない寒い冬のお蔭だ。室内で木工工作は粉塵が出るし、テレビはつまらん、読書もそうそう続けられるものではなく、いきおい「男子厨房に入り奮闘すべし」とものの本にあったからそうした・・・。
 しかし思い返してみれば何の事はない。セルフデイサービスでの調理実習なのであった。夢から覚めると儚いものだ。つまりは「簡単ではなかった夢」。

 ところで小生も木久扇師匠のように時々は回路が繋がる。フイールドからの帰路、元職場の後輩栄養士が犬の散歩をしているのに遭遇した。停車してしばしの四方山話の中でこの花豆甘納豆の不審点を伺ってみた。解答は「温度と水分が関係しているから・・・」と言う。しかし砂糖が溶ける気温ではなく結局は水分が犯人と結論。
 理由はレシピ通りにせず丁寧、念入りにした結果だったのだろう。浸水はほぼ三日、茹でこぼし三回に足す事圧力鍋での加熱一回、更に更に味をに含ませる加温と冷却を三回、とまあ十分に十二分に必要以上の水分を吸わせる環境だったのだ。グラニュー糖は溶けて半紙に吸われてから再度笊で乾燥させグラニュー糖をまぶした。冷蔵庫でしばし熟成の後、抹茶で頂くのだ。苦労の末の甘納豆もマメであるからこそ頂けるし味わえる。多々謝々。

 追伸:二回目のグラニュー糖まぶしも「結局は丹兵衛どん」であったのだ!。もう、阿呆馬鹿鼻垂れ、お前の母ちゃん出べそ‼、と悪態をつかずしてどうする。まあ、悪態ついてもどうにもならん…。



寝そけたニホンアカガエル

2021-02-25 | 感じるままの回り道
 泥水地の補修をしていた足元にニホンアカガエルが飛び出てきた。どこにいたのか不明なのだが造作で寝床を荒らしたのかもしれない。この表題は「寝そける」がいの一番に出たのだが確認のために辞書参照したら「寝そける」も「そける」も出ていなかった。小生の記憶では「寝そける」は使っていたように思っていたのだが、何せ古い記憶なので間違いかもしれないと思っていた。

 辞書には「寝はぐれる」と「寝そびれる」があったのだが小生の胸中では収まりが悪く多少のイラつき感があった。どうしても「寝そける」でないと納まりが付かないような感覚だ。客観的に見ればどうと言う事も無い小事些末なのは理解していても、そこは芸術感覚の優れた小生、小さな違いに心を掛けぬようでは大成しないのだ。

 一旦は「寝はぐれ」を表題に使ったもののすっきりしない。そこでネットで検索したらヒットしたのだ。朧な記憶の通り郷里で使っていた方言であった。やっとすっきりしたのだが関連した方言が幾つも記載されている。そのなんと心地よい響きよ。
 「二番ねいり」は記憶になかったが「ねまる」や「ながまる」はてまた「じょんのび」なんて目にしたら耳の奥に響いてきたようなお国言葉なのだった。
 電話でご機嫌伺いや近況報告をすれば聞こえるだろうが、やはり炬燵に入ってお茶の一杯を野沢菜漬けで頂いているような状況でないと方言本来の良さは聞こえない。

           

孤軍奮闘、危険作業終わる…

2021-02-24 | 今日は真面目に
 危険作業が終わった、と言ってもこの1本だけの話で、まだマキの大木は4本の伐採が残っている。しかし今回の掛かり木は難渋させられた。連日、四苦八苦で作業の進捗はほんの僅か、一番大事なことは事故を起こさず伐倒させる事に尽きるから省略も手間骨惜しみも大禁物なのだ。「急がば回れ」「面倒くさいと思ってはいけない」と作業前には肝に命じ、帰宅すれば翌日の作業の手順を思案しての日々だった。このマキの樹を掛かり木にしてしまってから4日を費やしてしまった。
 とにもかくにも怪我無く済んでほっとする。

  ➡   前日、元玉切りを行い平坦部に木元を落した。さらに元玉切りを行なって1段下の棚まで落としたかったが元玉切りの長さが足らず法面上部に落ちてしまった。玉切り長さを得ようとしてもチェーンソーを頭部の高さで差し出さねばならず、これでは自身の保全が出来かねる。それで長さが不足した。木元を引き移動させようと試みたものの3方向から引き試しをしたが全く無駄だった。

  ➡   これを元玉切りするには法面上で行わなければならず、危険が発生するだけなので却下し総重量を減らすために、それよりも安全な又枝の部分、又枝と言っても太枝で切断径は30cmほどもある。ここも腕を伸ばしてのチェーンソー作業なのだが安全とは言い難くとも幹に片足を掛け体重は支えられるから選択できた。万が一、切断し終わったとたんにチェーンソーが下方に落ちたとしても身体は幹の背後なので避けられる。そうでなければ高い位置で切断は出来ない。
 この又部北側の枝を切断後、切断部至近にロープを掛け下に落した。これでも横倒しにならず立ったままの枝の中ほどにロープを投げ通し、そこを牽引して地上に寝かす事が出来たのだ。

 さらに南側の太枝も落とし、これも落下し直立したからロープを掛け引き倒した。この太枝は割合スムーズに処理出来た。

   ➡   最後の太枝もロープを投げ掛けてから牽引器で引き倒した。これで全て地上部に寝てくれたけれど、枝の処理作業するに足の踏み場も無いほど重なり合っている。手間暇手数を重ねていけば何とか集積までたどり着けるだろう。急ぐ作業でも無いのだ。

 この一本の掛かり木になってからの牽引支点の数は二桁になる。この中の半分は効果無しの手間なのだったが、「必要悪」と言うより「不要の要」なのだ。これがあって初めて終着点に辿り着けるのだ。手間暇手数を惜しむのは危険になればなるほど「やってはいけない」のである。
 どの選択肢も「やってはいけない危険な作業」だったから念には念を入れ、無駄になったとしても確認作業の数でなだめすかさないと「前門の狼、後門の虎」からは逃げられないのだった。まあ、へりくだり忖度し揉み手でペコペコし通しでなんとか通してもらったような感もする。永田や霞が関でさえそうなのだから森の中も「上に倣え!」になっている。小生には接待費などはない年金生活者ゆえ総務万端、蟻ん子のよう動くしかないのだ。

 

ショウジョウバカマ、花径を伸ばす

2021-02-23 | 小父のお隣さん
 フイールドのショウジョウバカマに花径を伸ばしてきた株が見られるようになった。近くの日当たりの良い石垣下では在来種のタンポポが開花しており、既に冠毛を付けた茎もあった。
 フイールドの広場も「タンポポ原っぱ」となるのも近いだろう。しかし周囲の木立が大きくなったため新緑の頃から日照が閉ざされるようになって群落の華やかさは薄れてきたようで少々残念でもある。ショウジョウバカマも昔に比べれば群落は縮小気味で、大株は盗掘され、幼苗は見過ごされ踏みつけられるから育たず、成長したロゼッタだけが目立つ。ある意味高齢化社会の到来のような惨状かもしれぬ。

 我、少年期の頃、ショウジョウバカマやカタクリ、はてまた雪割草などはありふれた植物で、敢て見に行くなんて事はしなかったものだが、そのための尋ね人が入るようになった今日、出来得るなら隠しておきたい心境になってしまうのはまあ、何と料簡の狭いと言うしかない心持であろうかのう…。
 「写真撮るだけです」「眺めるだけです」と思っている人たちの中に幼苗を踏み潰しているなんて意識を持ってくれる者はまずいないのだ。
         

ズルズルッとは動かない…

2021-02-23 | 今日は真面目に
 マキの大樹を掛かり木にしてしまったため作業は膠着状態になった。ボッチ高齢素人では行えることは限られる。それも問題解決のための選択肢は究極の危険作業しかないとなる。身から出た錆、不徳の致すところ、誠に遺憾ながら粛々と手順を進めるしか解決には至らないのである。切株から斜面に落とすことが出来たものの、まだ位置が高く足場も悪い。斜面を滑らし平坦部に切り口を移動させるのが肝要なのであった。

 もう牽引器の助けを借りるしかないけれど牽引力500kgでは非力の存在で、抱き着いても指先が触れない直径の幹は大物なのである。木元のセンリョウの大株をもったいないと思いつつ排除、たかが草本に過ぎないけれどギリギリの場面では草本の株が抵抗する力も無視できないのだった。スコップと唐鍬で牽引方向の地面を削り均す。これで抵抗を最小限にしてまず水平方向に引いた。30cmほど移動させると横の立ち木に触れた。ここからやや下側方向に引くよう支点を替えて引く。これで立ち木の根元を回避できた。この後は更に下方に支点を移動させて平坦部まで引き落とした。
    ➡   ➡   支点を三回変更して平坦部まで引く

 どの方向からの牽引も牽引器の能力いっぱいを発揮させても動かせたのはズルッくらいの程度で、潜り込んだ木元の表土を削り引き出すルートを滑らかにして、とまあ、こんなことの繰り返しでようやく平坦部にまで引き落とせた。この日は作業の進展度を想定できなかったからチェーンソーを携行しておらず、作業はここまで。
 引き終わった木元に立って本玉切りのシュミレーションをしてみたのだがなんとか作業が出来そうだった。チェーンソーを取りに行けば作業は可能な時間はあったけれど、慌てる事は危険に直結するから翌日以降に廻す。まあ、一日一策がよろし。
                 

                  


タマシギ去って無の水底

2021-02-22 | 小人閑居して憮然
 昨年から時折飛来して夜間を過ごしていたタマシギなのだが、飛来していた夜は採餌もしている結果、水域がドタ濁りなので「やってきたか…」と判るのだ。その飛来頻度がニホンアカガエルの産卵の前後は特に頻繁となって、最初に産卵した範囲は壊滅状態だろうと容易に推定できたのだ。
 濁った水が澄み水底が露わに見える様になって、その推定が正しかったのが裏付けられた。トンボ池の一画、ここにニホンアカガエルの卵塊8個があったはずなのに崩れた卵塊の痕跡を残し全て消えてしまっている。

 水見回りですべての水域を周るけれど、どの水域の水底にもあったシャジクモの群落は消えている。アオミドロは残っているから口に合わない藻の様だ。水域の水底、見れば泥土の平坦面でしかなく、水中ではあるけれど砂漠にしか思えない光景である。「トンボのすべて」に記述された文章から杞憂するのは「水草を一掃するとショウジョウトンボは絶滅します」のくだりだ。ショウジョウトンボのヤゴは本に寄れば藻の中で生息しているのだとか。水底の泥の中での生活ではないので藻の根絶はヤゴの根絶とイコールだという。さーて、今期の発生はどうなる事やら。いまから気がもめる。

 ショウジョウトンボの繁殖にタマシギが間接的にせよ刺客の役割を果たしたのだと言えると思うが、こんな因果は考えもしなかった。まあ、意外性はあるものだ。「因果オッホー」いいえ「因果オゥ、ノー」。

                 

掛かり木解消四苦八苦

2021-02-22 | 今日は真面目に
 さーて、何日目になるのか…今日もコロッケ、明日もコロッケ、これじゃ年がら年中コロッケ、コロッケ、の心境である。狭い隙間を狙っての伐採では1本立ちの針葉樹ではあまりないけれど枝葉の展開が大きい広葉樹ともなると泣かされる。プロ集団ならあらかじめ樹上で枝を切り離し身軽にしてからの伐採も可能だろうが高齢素人ではそうはいかない。いきおい、立ち姿のままで伐倒に至るのだけれど伐倒範囲が広ければ問題は解消したが今回は狭かったから「掛かり木」、ほとんど「お約束」状態だったのだ。

 その処理に何日目に入るのか遅々として進まず、この日は「切株からまず木元を地上に落とす」事を目標に作業することになった。「やってはいけない元玉切り」を導入しなければ進まないと理解して、その本玉切りも足元の地面に落としてからでないと更に危ない事になる。
 移動しやすく切株から離れやすくするために木元の切断面を斜めに再度カットして巻き込みを防ぐ形状にしてから切株と木元の接触面を最小限度まで減らし、尚且つ角を落し牽引長さをも減らした。これでどうにか切株から落とすことが出来たけれど斜面の上部で平らな作業面まではまだ1m以上もあるのだった。
  ➡   角を落し外し易くなるように整える

 どうにか平面まで引き落としたかったものの斜面に喰い込んでびくともしない。幹の途中から牽引してみたものの効果無し。
  ➡    ➡   牽引方向を替えながら揺さぶっても移動量は僅かで平面に落ちない

それでも太い横枝3本ほどが絡まっている部分を幹から切断出来たので容姿はすっきりしてきた。これで挙動の暴れ方も少なくなるはずである。
 切株からの移動量はたったこれだけ  ➡   下方の横枝は切除で来た

 予見できた結果での四苦八苦状態なのだがこれには制約があっての結果でもあった。伐倒方向は通常は斜面方向では実施しないのだけれど、斜面上部はマキの列植が残っていて倒されない。左右方向はすぐ横にマキがあり既に伐採した側には送電線があり倒せば切断事故に直結する。いきおい下方に向けて倒すことになるのだけれど枝が暴れておりこれが障害だった。
 まあ、なるべくして成った結果とでも言えなくはないものの須田紋太君と二人三脚、ここは楽しむにしかず・・・。人生は海である深く広い海である。しかし小生は山の斜面を這い蹲って何日ぞ!。自分が蟻かネズミのようにしか感じない。アリャーアリャー、チューイチューイ・・・。

温かくなった日

2021-02-21 | 小父のお隣さん
 予報通り暖かくなった。夕方の気象情報値最高気温は23℃に達していた。小生は北側斜面の日陰の林内で護岸資材の伐採を行っていたから気温が高くなった感覚は少なかった。それでも長さ3m直径25cmほどの丸太を曳き出してトンボ池の日当たりの良い場所までくると複数のチョウが確認できた。
 作業中、木立を通しS先生らが見えたから挨拶に行くと運よく「テングチョウがここに!」とSさんが指し示してくれたので1枚撮影出来た。小生単独ではまず見つけられない。専門家のSさんも「飛び立ったから…」と言ったようにホント見つけにくい。


 近くにはウラギンシジミやタテハチョウが飛翔しており、この日「5種を確認した」との事だった。小生作業後に真っ白なガの仲間や種別不明の高速飛行して去ったチョウ、またキタキチョウ複数を視認できた。キタキチョウは帰路の途中に車窓からも複数頭数えられたので、一挙に姿を現した感がある。紅梅にはニホンミツバチやさらに小型の昆虫が多数来ており「春だなあ」を実感させる一日となったのだ。
 ウラギンシジミは裏側でなく表側の色彩を写したかったが開いてくれず中途半端な1枚となった。タテハの仲間はお約束の「判別できない」顛末で、図鑑対象でキタテハかそうではないかも・・・。小生はこんなもんである。テングになってキッパリと言える。タテハーッ!
                 

トーシロの考え休むに似たり・・・

2021-02-21 | 小人閑居して憮然
 掛かり木となってしまったマキの大木、プロなら斜傾している幹に上り枝下ろしをしつつ地上に落とす算段も可能だろうが、高齢素人では危険極まりない。前日に牽引伐採するためのロープを使用し横方向に牽引してみたのだがびくともしない。牽引力500kgではそんなもんであろう。
 一晩考えて出した答えは木元を引き、木元を切株から5尺ほど下の地上部に落とせば何とか対処の仕様もあるだろうと、牽引力2トンの荷締めを携行し木元を引いてみた。これもびくともしなかった。もう一つの作戦は木の先端部に牽引ロープを掛け引き落とす、と言う方法なのだが、子細に観察すると太枝が織り込まれている感じなので難しい様に思えた。
 上方部にロープを掛ける手法はツリークライミングの道具で適う。そうして先日設えたアイロープを掛けて引く算段なのだが枝の太さを考慮すると外れる物理的条件は皆無だろう。

 結局、この日も須田紋太と仲良くしただけで憮然の帰宅。とにもかくにも急傾斜で足場を取り難く作業も危ないだけの切り株に乗っている木元を地上部に落とせば道も開けようと思えるのだけれど、牽引抵抗を最小限にするために切り口の角を落し、牽引しながら6尺の金梃子で力を加えるしかないのだろうか。しばらくは悶々と春の憂鬱が続くのだった。
 掛かり木の処理は危険作業の筆頭でもあるので焦りは禁物・・・。傾斜面で下向きの枝の暴れた常緑樹、プロでさえ思案する条件下でトーシロが挑む気持ちは全く無いのだが放置は出来ず地上にご安泰だけは必須事項なのだ。
 まあ危険を排除するために自ら危険状況に身を置くなんて矛盾しているものの、綺麗ごとで済ます事が可能なら苦労など無いのである。

 現場で思案模索の折々、周囲の斜面を眺めれば、下方まで見通せるようになってきたし林床にも日差しが届くようになって「明るい林内」の様相に変わったのが明確だった。そんなこんなで須田紋太しつつも目指す林相環境が現れつつあることは、やはり苦労のし甲斐があると言うものである。

  




三本のマキ

2021-02-20 | 今日は真面目に
 地拵え中の斜面、マキの列植樹を伐採中なのだ。ここに至るまでには周囲の立ち木を除き、足元を危なげない様に整理して、樹冠上の高圧送電線に接触しないよう、更には一段下の夏みかんの樹を傷めないようにとバッサバッサとはいかない伐採作業なのだった。
 この日も3本寄り添って並んでいるマキ、年輪を数えると60年生だったのだが2本目までは順調に伐倒出来た。3本目は重心方向にクスノキの双幹が立ちはだかってそれを避けたくても牽引伐倒する方向には夏みかんの樹がある。この夏蜜柑は温存したくて狭い領域に伐倒しようと試みたものの牽引するより早く自重で落ちてしまった。
 さあ大変である。掛かったマキを牽引してみたけれどびくともしない。クスノキとで両指を組んだ格好なのだから当たり前なのだった。さあ、困った。今までで一番厄介な掛かり木になってしまった。プロならロープで安全確保して枝払いなどしながら軽くし地上に落とせる算段は出来るだろうが・・・。この日はここで作業終了。家で頭を冷やす事にした。

                 

ようやく一カ所の樹列伐採!

2021-02-19 | 今日は真面目に
 マキ60年生の樹列、樹冠至近際どい位置に高圧送電線があって一筋縄ではいかなかった。伐採方向の樹木を処理し樹列のマキも端から片付ける訳にもいかない繁りぶりで、安全に伐倒できる樹からその都度確かめつつ伐採して、ようやくその1列が消えたのだ。一番南端の樹列だった事もあり一挙に作業地が明るくなった。それでもまだ伐採しなければならない樹列は二つあって、合計10本ほどを伐倒することになる。
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 この日は道具類の搬入前にニホンアカガエルの産卵を確認して植生保護のためのロープ柵を設えてきたから開始が遅くなってしまったので残りの樹列伐採までは至らなかった。日を改めて牽引器などを運び込まねばならないので難儀になると言えばそうなのだが、産卵区域の保護の方が優先事項だったからやむを得ない。予定外の事は多々発生するし、ある意味どう対処すべきかの思案と実業は工夫と楽しみでもあるのだ。

 元職の頃とは全く異なる作業の日々であるけれど、毎日が日曜日の高齢者にとってはいく場所があって出来る作業があるという事は定年までの本業とは異なった充足感がある。「ご無理ごもっとも!」もなければ忖度も睥睨も無い、すべてがフイールドとお天道様の様子から自分で選択すれば良いのだ。姥捨て山だからこその特性でもあろうが、あにはからんや会話の必要は殆ど無くなった。姥捨て山お山の大将ゆえの独立独歩は=孤老なのであったわい。そんな行く末はコロッであろうか…。
 若い頃はスクリーンの小百合ちゃんと「赤い糸」で結ばれた妄想で大人となり、現在は阿弥陀様と赤い糸で結ばれている幻影とで老いていく。