トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

崖の下のジジ・・・怖ろしや怖ろしや

2022-09-30 | 今日は真面目に
 取水地の応急的復旧は済んだが取水升内の送水管口に陰圧は生じていないし尾根を隔てた吐水口からも水は当然、洩れても来ない。断水の原因は送水管の破断などではなく途中で潰された可能性が高くなった。送水ラインのすべてを検分した訳でも無いけれど管路最低地点の排砂バルブが土砂崩れと流木などで埋まったあたりがトラブルの原因に一番近いと見当をつけてチェーンソーと唐鍬を携え現場の沢に立った。写真は下流部から写したのだが右岸を見上げれば崩落した跡が頭上に在り、崖下は流路になって更に崖をえぐる流れに変わった。



 この崖の崩落で右岸にあった送水管が左岸まで押しつけられ、その上に崩れた立ち木と流木が乗っている。この下のどこかで管が潰され断水になったと確信したが掘り出し修復するまでにどれだけの手間暇を要するのか見積もりも出来ない。
 積み上がった堆積物は単なる土砂の山なら崩しながら流路に放れば重労働でも単純作業である。しかし実態は斜面の表土内の根がマット状になって土砂と共に積み上がっている。このためツルハシは効かないし唐鍬も入り難い。スコップなどマット状の細根すら断ち切れないのである。鳶口を打ち込み動かそうとしたものの濡れた絨毯と格闘するような有様で非力だった。

 どちらにしても崖の上の崩壊部を気にしつつ、足元を掘るしかない現場なのだ。全体の様子を把握するために倒木の間に潜り込み観察したら覆った堆積物の厚さは不均衡で厚い箇所は1m近くはありそうだ。まずはツルハシでマット状の根を引き起し剪定鋸で切り取る事を繰り返して送水管を露わにするしか手が無い様に思える。チェーンソーは砂利交じりの根茎マットでは刃こぼれするだけで、これはこれで被害甚大になる。もう首尾一貫ローテクで行うしかないと腹を括る。

 下流側と上流側から堆積体を眺めて埋もれた管路の位置を想定しその上を覆う竹や樹木を排除して何とか作業できる空間を作る。この日はここまでで終わりとしたのだが根株の上に乗ってしまった送水管は折れ潰れて、恐らくここがトラブルの元なのだろう。管の自由度を得たら万力で潰れた両端から押し戻せば戻る可能性も脳裏に浮かんだのだが、最終的には切断し新たな継手で復旧せざるを得ないだろう。

 とりあえず目星は付いたので後は粛々と作業を行うだけだ。台風15号による取水升への砂泥流入を予想しあらかじめバルブを閉じて送水管内に土砂の流入を防いだものの沢斜面の表層崩壊で断水の憂き目に遭うとは思っても見なかった。つまりは骨折り損なのだが既に断水して10日余り、解消するまでに要する日時や労力を想うとクラクラしてくる。
 断水復旧できなければ水域の環境は保たれないし、そうであれば他をもって代えがたいフイールドの価値は喪失である。とにもかくにも老骨に鞭打つ事にした。
 まあ、おいらってMタイプなのかね。昔の洋画に修道院の個室で独り背中に鞭を当てていたシーンを思い出した。シーンも目的も異なるものの壁に面していることは共通だ。更にあっちは強痛、こっちは凶痛である。

   

                われは行く我に鞭打つ崖の下

 全くの蛇足で余談なのだが祖母の実家を「崖の下」と呼んでいるのを思い出した。住居は崖の下では無かったのだが大方は住居を移してからも呼び名だけ残っていたのだろうが小生の実家、長兄さえ既に顛末は承知していないだろう。この祖母の家系は小さな山寺の和尚をしていたらしいのだが、その庫裡には祖母のお茶飲みに連れられて度々行ったのを思い出した。何歳ごろなのか分からないが庫裡は崖下に在った。ここが発祥なのだろうか。まあ、ボケ防止の回想療法・・・。
 

今日のトンボ「まだ日陰に居るオオアオイトトンボ」

2022-09-29 | 小父のお隣さん
 水路を付け替え補修していたら動くのが見えた。背景に紛れて見つけにくかったのだがオオアオイトトンボだった。種の判定や確定は苦手な小生でも「翅を開いて止まるイトトンボ」であるからオオアオイトトンボと言い切れるのであった。初夏に発生し師走の中頃まで姿を見せてくれるトンボなのだが9月末ではまだ日陰に居る。日当たりの良い場所で見られるようになるには10月後半まで待たねばならない。

 一昔も前なのだがトンボ池の法面に植えたマユミの枝に多くのカップルが集まり産卵していた時がある。その樹は既に枯れてしまったから産卵樹を失った格好になるけれど頭上のヤナギの枝にでも産卵しているのだろうか。久しく産卵は見ていないトンボだ。

           

遅かりし由良之助・・・

2022-09-29 | 水辺環境の保全
 台風15号のもたらした結果、取水地の復旧は済んだが断水のままである。早急な送水を実現せなばならないのだが棚田部の湛水復活も急がないとギンヤンマの飛翔期が終わる。とは言え湛水復旧出来たとしてもギンヤンマの飛来産卵は未知数な時期に入っている。それでも断水復旧より湛水復旧を急いだ訳は「1日足りとは言え産卵機会があれば◎」なのだ。不確かな期待に依存するしかないのが現実である。破壊するのは容易でも元通りにするには長い時間と手間暇を要する。

 オーバーフロー部の復旧  ➡   湛水成った

 前日に破壊された堰(オーバーフロー部)を直し、直したとはいえ崩壊された基盤までは復旧できない。土嚢を積んで緊急対応である。時間に余裕が出来た頃合いに基盤部から設え直しする。
 見た目だけだがとりあえず湛水は出来た。水稲が茂っていた時分に水稲の中に埋もれていたコナギやチゴザサは稲刈り後の田に残っている。まずはこれを取り除かないと来季は更に目も当てられない手太楽になりかねない。

 四本鍬を打ち込み摺動させてチゴザサは根株もろとも抜き取り引き上げて堤の上端幅の拡幅に用いる。コナギは一株づつ抜き取るしかない。日陰は涼やかでも日向に出ると汗が噴き出る陽気だ。とは言え耳に届くのはツクツクボウシの鳴き声だけで他の蝉は既に鳴き声すら無くなった。9月も終盤ともなれば草叢の鳴き声にとってかわられる。日中からコオロギの鳴き声が心地よいけれど抜き取り引きずり踏み込む作業は汗びっしょりになる。

 それでも残り僅かになったギンヤンマの出現期を信じて棚田部の環境復旧に泥水を浴びたのだった。例え1匹でも産卵にこぎつけてくれれば来季に数匹は親に成れるはずだ。それを信じるから泥まみれの作業でも救われるのである。

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 水面を観じると左右の水位差分かる。春先にトンボで地ならしを施したから水位は等々に近くて良いはずなのだが堰を崩した結果の底泥の流出が水位の差になって現れた。現状これで困る事は無いけれど泥の層が減る事は生物層の豊かさを減じる結果になるだろう。目に見えたり数値に現れる事でも無いのだが経験値からは断言できる。
 主君の切腹に間に合わなかった事と同じようにギンヤンマの産卵期をふいにしてしまった後悔・・・。こう言う事は「一期一作」「一期一会」なのである。
 今回、水域を切腹させてしまった張本人は恥ずかしながら小生なので、これに懲りて来期以降の稲作は関与させない。水域の環境保全と土用干しや作業のために水や泥を抜かれる行為は環境保全・生物保全に逆行する以外の何物でもなかった。

               水面見えればトンボ還りてすぐ打産

今日のトンボ「タカネトンボかぁ?、産卵体」

2022-09-28 | 小父のお隣さん
 林接池脇の水路復旧を行っていた折、林接池に産卵に来た個体の腹部末端が上反りしたままだった。打水産卵していた個体なのだが「タカネトンボ」とも断定できずにそのままになっている。
 この腹部末端が反り返った個体は帰宅直前の水見回りでトンボ池脇の暗い沢の水溜りにも居た。環境的にも似た場所なので同一個体であろうことは想像できる。まさか複数の個体とは想像もしていない。

 撮影も安いデジカメなので飛翔体は「スポーツモード」でもシャープには撮れないからモードは変えることなく撮影するが、今回は比較的良好に撮影できた。

  

今日のエッ!品「フジバカマ酵母から食パン作り」

2022-09-28 | 何よりの楽しみ
 フレイル予防、介護予防、ボケ防止、暇つぶし、奇人変人、ゲテモノ好き等々、何と言ってもらっても結構毛だらけ猫ノミだらけじゃん。台風14号に始まり15号まで間を置かず訪問されるのは迷惑この上も無いのだが、前述の罵詈雑言誹謗中傷は台風に起因するものなのである。それさえ無ければ好々爺で済んだはずなのにぃ・・・。
 でもでも姥捨て山に置かれる身の上では辛抱のしどころで病ん坊・妊坊・頓坊でないだけ良いと言わねばなるまい。

 さて前の日に出来上がった元種を使い食パン風に焼いてみる事にした。朝4時に起床し生地を捏ねる。一次発酵に6時間を予定しているから同日中にの仕上がりを考えると「朝一番に早いのはパン焼く爺さん・・・」なのだ。手馴れている訳もなく「食パン風」とは言え「パン焼き」などは初めてで「フォカッチャ」もパンの一種とは言え工程は食パンより容易なので練習にもなってはいない。

 いつも通りの事前の情報収集も数多したけれど役に立つピッタンコは皆無で結局は自前に合わせるしかないのであった。レシピは以下の通り。元種に使用した粉と水の分量は強力粉と牛乳に置き換えしたのでレシピに水あるいは牛乳は入っていない。

            元種     強力粉    150g(元種は使い切るため全量投入)
                    水     150g

           強力粉            150g
           キビ糖             15g
           バター             10g
            塩               3g

 この配合で固めかとも思えてミルクをオチョコ1杯分いれたら緩くなってしまった。打ち粉を多用して固さを調整した。フォカッチャより捏ねる事、捏ねる事、叩いて捏ねて生地が出来上がる。一次発酵は気温が20℃と低いのでヨーグルトメーカーで28℃6時間発酵させると丁度良く2倍大にまで膨らんでくれた。
                        生地捏ね上がり ➡  一次発酵終了

 テーブルタイム ➡  これから二次発酵に入る
 これをガス抜きし伸ばしてまとめ分割しテーブルタイム20分。再度伸ば成形し型に収める。気温が低いので二次発酵も加温したかったものの既にヨーグルトメーカーには入らず電子レンジの発酵機能は40℃のみで迷ったのだがタオルと保温シートで覆い二次発酵は室温23℃で2時間。焼き型が無いが購入するまでも無いと思いお菓子の空き容器を代用した。
 二次発酵の膨張は思っていた通り悪かった。2倍が最小目標だったけれど1.5倍強くらいだ。とりあえず焼いてみる。

 焼いている途中、膨張して型から頭が出てきたが焦げ目が目立つからいったん中断。210℃20分のところを17分で中断し180℃15分、アルミ箔で覆い再加熱で焼き上げた。
 粗熱が取れるまで小一時間容器内に留めたのだが出ていた頭は容器の縁まで下がってしまった。焼き方の中断変更を行ったから生焼けが心配だったのだが切り口を見れば火は取っているしスポンジ状の組織も平均的だ。1枚切り取って試食すればモッチリ感があるが心配だったフジバカマの好かない匂いは無かったから市販品には遠く及ばないにしても使えない事は無い酵母だって事は確かめられた。慣れないことをすると草臥れる・・・。
 相手が酵母とは言え一度付き合えば二度目は無い仕打ちに小生は「ドンファン」では無いかの疑念も湧いてくる。まあ、斯様なやり口を続けると達人や名人の類いには決して到達できない事は明々白々だ。

 ➡ 

 試食して夕食に1枚、容器に入れて冷蔵庫。朝食に1枚切り出して食してみたのだが前夜に増して口中に不快臭残る。前日に食して何ともないから毒性は無いと判断したが「冷えたら更に美味しくなくなった」のが印象で、乾パンにして冬鳥の餌に回す事にした。アデユー・・・。


ご破算と願いましては・・・

2022-09-27 | 水辺環境の保全
 堰も破壊された      棚田部は生物学的廃墟である

 金輪際、稲作に使わせる訳にいかない。田植え前のエコトーン破壊に始まり5カ月に及ぶ水域侵略がようやく終わったのだ。棚田部周囲の草叢は刈り払われ踏み潰され今期の復活は無理である。ましてや浅い水域・明るい空間として唯一ギンヤンマの産卵環境として維持してきた棚田部の今期終焉である。それに留まらず今期の産卵絶望となった以上、来期の発生は無いので二期に渡り被害は続くことになる。
 ギンヤンマに限らず他種のヤゴの生息環境も土用干しに続く稲刈りのための水抜きとかで堰の構造も破壊された結果、貯泥した泥土の流出もバカにならない。泥と共に流出した棲息生物と辛うじて留まっていたであろう泥中のヤゴの多くも踏み潰されたであろうことは泥田の足跡が物語る。

 昨期まで水稲は植え付けてはいたけれど「環境植生」であって「稲作」とは全く異なる。この相違を理解できるのは環境や生物・植物に関心と理解を示せる一握りだけなのが現実だ。
 棚田部の堰(オーバーフロー部)は落差がある構造ゆえに物理的侵食、生物的侵食で湛水するために苦労を続けていた部分でもあるのだが土用干し、稲刈りのためにいとも気安く破壊されてしまった。
 水見回りを欠かせず補修が日常茶飯事として必須な自転車操業で成り立っている水域環境である事など、どだい理解してもらおうと思う方が空想科学の世界にいると言えよう。

 15号台風一過の25日、稲刈りと成ったのだが小生はフイールドの被害補修に明け暮れて不参加。水源地の復旧に汗を流したけれど送水が可能になるのかどうかは隣り沢の被害箇所を改めない限り判明しない。断水が長引けば水域の生態系に甚大な被害をもたらす結果に相違ないけれど、隣り沢の排砂バルブの箇所は沢壁浸食で崩落、流木の堆積で怖ろしい場所と化してしまった。それでも入り込んで復旧せねば先は望めないままになる。
 「頭上の危険・脚下の大変」それが送水復旧の肝になる排砂バルブの場所なのだ。バルブを露わにし排水できるか確認しない以上、断水理由の確定も出来ないのである。

      

** 歌で穀倉と成す

2022-09-27 | 小人閑居して憮然
             穀倉となして歌姫天高く
                   民のかて飯民の鉢巻

             復興にあの歌在りて息を継ぐ
                   歌声聴きつ明日も一日

             病みし身で辞世の舞台務めたる
                   復興昭和そのエネルギー

             廃墟なる津々浦々にひばり力

             折々にひばり黙唱槌ふるう

             歌で鼓舞歌で支えしひばりかな

             悲しみも息絶え絶えもひばり歌

             魚屋が歌屋となりて民囃し

             天髙しひばり民生豊かにす

泥水池3「除草、除草と爺馬は進む・・・」

2022-09-26 | 水辺環境の保全
 「除草 居良いか住みよいか・・・」てなことある訳も無し。楽で無い事この上なしなのであった。泥水池3もミソハギを水域内に植えていた結果でその周囲にチゴザサ大繁殖しその上にウシノヒタイ、中にはカサスゲと目を覆いたくなる有様で、目を覆ったところで除草が終わる訳もなく仕方なく池に入るのだった。
 縦横無尽に入り組んで絡み合っている姿を四本鍬を櫛のようにして鋤いて均し、それから根株の引き抜きに取り掛からないと曳く時の抵抗が多くて無駄な労力を費やしてしまう。「ガーデンレーキ」の方が有効に思えるけれど爪と言うか歯が短いから役立たずなのだ。しかし鍬のこのような使い方は重心が前部で軸線状にないので使い難い。

 1日目は33℃超えの真夏日でうんざりする。泥水池2を終了させた次だったため時間も体力も伴わず「結局は丹兵衛どん」となった。この池の水域内のミソハギもすべて撤去して堤部の植生として移動させる心づもりなので楽ではないのは承知でもご老体には堪える。Mタイプなら大喜びなのだろうが氏も育ちもSタイプであった。
 水域内のミソハギを堤に移すプランでは時期が時期なので根付くかどうかまでは確証が無いもののそれはそれで不都合はなく、水域内に残しておくことでその株周辺からチゴザサの繁茂が広がる傾向が顕著なので衰退させるためには止むを得ん。ここも1日では終わらず2日掛かりの手太楽と成った。

 写真は池内で一番の古株ミソハギの中に鎮座おわしましたチゴザサの大株である。基盤層まで根が入り四本鍬を打ち込んで浮き上がらせようと何度も試みたけれど鍬の柄が折れそうになるので時間を喰った。
 水域内にミソハギの株を生えさせておくことは中で同居してしまうチゴザサの除草が不十分になる事だった。だからこそここまでの大株に育つ。
 ミソハギを水域内に植え付けるなら毎期初頭に株分や掘り取りした新しい株を定植し1~2年限りの位置としなければならないことを示している。水域内の植生層も豊かにしたいものの繁茂する種は優位と言うより席巻傾向がある種ばかりで植生調整の前に抜去除草に手を焼くのが現実だ。

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                   真夏日や乳掛け飯の独り卓

今日のエッ!品「クズ花穂酵母でフォカッチャ」

2022-09-25 | 今日は真面目に
 台風14号の脚が遅い。風雨に見舞われると思い自宅謹慎ときめたのだが結果は蒸し蒸しした1日となって雨は降らなかった。
 それでも前日の予報で決めた「クズ花穂酵母でのフォカッチャ」を朝食の後片付けに続いて作業開始である。なにせ自家採種酵母であるから発酵状態も不明だし出来上がりの程度も分からん。発酵時間だって馬鹿長く必要だとチェックしたレシピには書いてある。
 いわゆる「天然酵母でパン作り」など全てチェックできないほど溢れていても役に立つ情報量は少ない。幾多のレシピサイトはあるにせよ閲覧数の多いのが上位になる仕組みではマイノリティーのレポートなどスクロールしても出てこない。何時もレシピサイトを見て感じるのだが「まず最初に基本中の基本のレシピ」を掲載するべきだろう。アレンジなんて化粧とおんなじ、バリエーションなど千差万別なので役には立たない、と負け組の姥捨て山爺さんはつぶやく。

 さてさて閑話休題、緩和冒頭、あれこれ思い煩って妥協の産物レシピは次のようにした。
                    強力粉     150g +大匙3杯(生地調整の結果だ)
                    元種       60g(粉の分量の40%と算出)
                     水       60g

                    牛乳       60g(バター溶解用)
                    バター      10g
                    キビ糖     大匙2
                     塩        2g

                    オリーブ油    適量
                    ハーブ塩     適量 

 元種と水は1:1で撹拌、牛乳とバターはレンジで人肌に溶解、これらにキビ糖、塩を投入しホイッパーで混ぜる。これを強力粉と合わせ生地を作る。常温下で6時間の一次発酵だ。6時間経過しても膨らみ方は少ない様に思えた。膨らまない場合もあるからと承知はしていたが次の段階に進む。

 一次発酵が膨張不足に見えたものの「あり得る事態」として粛々とガス抜き捏ねを実施。また丸めて二次発酵2時間を待つ。この発酵状態は良かった。膨張感は目にも見えたから「おいらの日々は薄幸だ!」なんて卑下しなくてすんだものの外出しないと決めた日だからひげは伸び放題。まあ、来客や電話、メールだって不要な老後である。

 二次発酵を終えた生地はバッドの中で延ばしてから更に1時間弱のベンチタイムを与える。そのあとオリーブ油を塗付し窪みを並べハーブ塩を振りかけて準備万端、予熱200℃11分のセットで焼いた。12分が適切だったかもしれない。

 ➡ 

 焼き上がり早速試食する。何時もハーブ塩が少なめに感じていたから今回は気持ち大目に振った結果、塩味が効いている。「塩分少な目」が良かったのかどうか、毎回レシピの安定しない拙者のキッチン三昧だからしょうもないのだが台風もこないし雨も降らないからヒグラシが鳴いている。まあ、小生だってその日暮らしの同類だ。
 さて、課題の発酵状態は断面を見れば大小さまざまなスポンジ状になっている事は見える。「強力な発酵」ではなかったものの見た目には十分と判じた。試食はモッチリ感が最初で塩味とオリーブ油が効いた感じであっさり感が欲しかった。香りに遜色はなく色目も美しい。まあ、今までは強力粉のみで作った事は無いので新鮮に見えたのだろう。端的には「美味しい」💮であった。




今日のトンボ「亭主の好きな赤烏帽子」

2022-09-25 | 小父のお隣さん
 トンボ池のウシノヒタイやカサスゲを抜去除草中に近くを飛翔していたのはシオカラトンボと真っ赤なトンボ、水面近くにはクロイトトンボがまだ飛翔していたがキイトトンボは見つからない。
 さて、この赤いトンボの判別は何時も悩むところで「ショウジョウトンボ」か「ネキトンボ」か「それが問題だ!」。

 結局はPCで画像を表示して図鑑と対照するのであるけれど分からない時が圧倒的に多いのである。今回もあやふやで終わりそうだったけれど「成熟したオスは脚まで真っ赤になります」というショウジョウトンボの記載から、今回のトンボは脚が黒いから「ネキトンボ」だろうと推測。まあ、何時もの事ながら断定できない詰めの甘さか気性の弱さ。まあ、生まれも育ちも雅な南魚沼生まれの小生としては「君子は争わず」なのである。

 「赤裸」は「因幡の白兎」に出て来るがトンボだってその口であろうが哀れな感じはせず装いに見える。「アカトンボ」は好き、「真っ赤な嘘」はいただけない。「赤子の魂」はこの多様化した浮世ではさてどうなる事やら。小生は「赤っ恥」の人生で浮世だわい。アッカンベーして本稿終了・・・。まあ、「真面目に書かんとあかんなあ」と思うけれど生まれも育ちも雅なもんで。

         

自宅のタナゴ繁殖確認

2022-09-24 | 小父のお隣さん
 台風15号は深夜3時間ほど時間雨量100mmを記録して合計12時間ほどで400mmの大雨になった。至近のN川は普段は水無し川なのだが午前零時を回る頃には「洪水危険水位」を越えていた。写真を撮りたくても深夜の豪雨では危ない。小雨になった明け方に出かけたのだが既に草藪だった河川敷からは草をなぎ倒して引いていて増水していても撮影する程で無し。

 どちらにしてもフイールドへは道中も危ないからこの日もお休みとしたのだが午前で既に真夏日となって蒸し暑い。コバノガマズミの酵母でパンの元種作りは午後に回し、確認したかった自宅池での今期の繁殖確認を試みる。昨季までは人工母貝装置やら浮揚水槽での仔魚発生を狙っていたけれど、今期は金魚藻に替えたマツモの繁殖が盛んで仔魚の隠れ家を提供してくれるから自然繁殖は期待していた。
 初夏の頃、ヨシノボリが脱走したから捕獲のために池の水を抜いた折りに1匹だけれど仔魚を確認できたし、それから2カ月近くは産卵母貝を同居させている。少なくとも複数の仔魚が確認できれば大成功なのだ。

 古いセルビンに集魚剤を入れ池に沈め待つ事30分、期待を込め引き上げバケツに入れる。ドジョウや成魚、メダカなどに混じってそれらしい姿が見えるからメダカと選別しながら観察ケースに入れた仔魚は3匹。少ない数ではあるものの池の中の魚体全てを捕獲した訳でも無いし今期発生した仔魚は「3匹以上」と勝手に解釈した。狭い池の中での自然繁殖を試みたのだが「繁殖確認」出来たから来季はマツモの茂みをもう少し増やしておくことにする。

 ただタナゴの種類が今のところ不明で仔魚の背びれに星があるから確認は容易と思っていたのに「タナゴ類の仔魚は背びれに星があります」と言う記述でガッカリであった。まあ、人生悲喜こもごもであるが設えた自然環境下で増えていて嬉しい。

            

今日の素労風努「クズ花穂酵母で種起し」

2022-09-24 | 何よりの楽しみ
 自家採種酵母による最初の種起しは「クズ花穂酵母」にした。酵母液と強力粉を1:1で混ぜ合わせ常温で2倍程度まで膨張させる。2回目3回目は酵母液ではなく水を使っての培養である。両方とも2倍に膨らんだ頃が次段階のへの目安なのだが、新しい生地を混ぜる前に一晩冷蔵庫で休ませた。

 一回目、強力粉50gに培養液50gで混合し2倍相当に膨らむまで20時間ほど必要だった。冷蔵庫で一晩冷やすと膨張は減じて2回目のスタートラインは膨張線のやや下側だ。

 二回目の仕込みも1:1で強力粉と水の組み合わせだ。これを1回目の生地と混ぜ合わせ常温で発酵開始15時間ほどで2倍の高さになった。再び冷蔵庫で一晩寝かす。

 三回目、最終の仕込みも2回目と同じ。倍量に膨張するのに15時間ほど必要だったが正確に2倍の高さには僅かに及ばない。この理由は膨張し続けていても自重で泡が潰れていくのだろうと判断して発酵終了。
 ここで撮影しなかった結果、一晩冷蔵庫に置いた後からの写真なので収縮した写真になったけれど膨張し達した高さは瓶の内壁に残っているので赤い矢印の範囲だと判明できる。

 この種を使って14号台風で自宅軟禁の間に自家製酵母のフォカッチャを作るのだ。掛かる時間を想うとスローフードと言う単語が浮かぶが全く素労フードである。培養を始めてここまでに至るまで一週間が必要だった。パン作りの一次二次発酵やテーブルタイムを合わせれば更に丸1日掛かりだ。膨らみ加減や美味しさ香味の保証はないのだから年金貧乏年中貧乏高齢者の贅沢三昧ここにあり、てなもんや三度笠・・・。

 事前リサーチの比較で気づいた事なのだが全て強力粉を使うレシピと2回目3回目は中力粉を使うレシピがあって迷った。中力粉を使う理由が分からないのである。次回は同じ条件で中力粉を使い比較するしかない。

                台風や元種パンで爺キッチン

ゴマダラ?いいえ、クソダラケ!

2022-09-23 | 小父のお隣さん
 百年の恋も一瞬にして冷める時があると言うが小生は幸いにして斯様な過酷な経験は無い。現実は恋する段階まではいかぬスクリーンでの「憧れ」だけで終わっているのだ。
 それはともかく、やはり興冷めと言う事は日常ある事で水見回りの林道上で見たアカボシゴマダラがその手合いである。チャバネセセリだかが取りついていた鳥の排泄物の近くに舞い降りたのだが、そのまま近寄って広がった排泄物の上に上がってしまった。チョウ類が排泄物を吸汁しに来るのは取り立てて珍しい事でも無いけれどアカボシゴマダラでは初めて見たのだ。
 「マダラ」とつく種はアサギマダラにしろシロマダラにしろ好きなタイプでもあるけれどゴマダラカミキリは遠慮したい。アカボシゴマダラは少なからず「お上品」と印象していたにもかかわらずいそいそと排泄物に寄り添われては唖然茫然愕然である。
 これではアカボシゴマダラではないアカボシクソダラケ、てなもんや三度笠・・・。ファン会からは脱会だが無会費なのだから特段の差し障りは無い。まあ、斯様な知りもしないで美化するような傾向はデマと五十歩百歩、目糞鼻糞の類いだろうね。
 でもでもである。この1枚だけでも生態系や食物連鎖の深淵の一片を見せている事を受け止められると小生は感じるのであるけれど世間様は「ワーッ、汚い」で終わるのだろうて。

        

今日の素労風努「自家採種酵母の培養・追加曝気発酵」

2022-09-22 | 何よりの楽しみ
 ドライイーストの使用に何の不満も無いのだが「面白くも何とも無い!」のであって二度童としては何歳児相当に当たるのか知る由も無いものの「遊びをせんと生まれけむ」二度童である以上は遊ばねばならない!。
 しかしなあ、年金は減るばかりで懐の余裕は皆無。フイールドの物なら無料で用立てられるので、ここは普段の手入に免じて少々材料を調達させてもらった。

 まずはお茶の友に時折作ってみるフォカッチャ用に自家製酵母を用意する事にした。事前サーチで「リンゴ」や「干しブドウ」の酵母が発酵力があり培養も容易だとの知識は得られたけれど遊ぶ以上は「打ちてし止まむ」なのである。玉砕覚悟で野草からの酵母培養としたのだ。
 世間では「天然酵母」とする表記が多いけれど市販の酵母だって人工物ではない天然由来の酵母だ。生命科学を駆使して生じさせた酵母はひとつも無いはずだ。とは言え改良や選抜種の結果なのだろう、発酵時間は大幅に少なく出来る長所がある。自家採種培養酵母は性質不明のため先は見えてこない。まあ、未知との遭遇である。

 それはともかく手始めは「クズの花穂」と「フジバカマの花穂」から酵母を培養する事にした。フイールドでの作業終了のおり、チョコチョコと摘んできて砂糖と水を投じて準備完了。
 後は発酵が済むまで日に2~3回撹拌して様子をみた。後で気が付いたのだが何時もの通りアバウトな小生なので水も砂糖もいい加減だった。発酵が終わる頃に参考レシピを見たら水は半分以下だったから薄い糖液でやってしまったのである。
 写真左は「クズ」で薄いピンク色掛かって香りはフルーティーだ。右のフジバカマは匂いがあまり好みに無い。フジバカマ自体は「香草」の中に入っている資料も見たけれど「香り」としては好きになれない感じがする。とは言え「発酵力」は別なので継続させる。
 それで発酵はしてくれて澱の沈殿もあったけれど「発酵には酸素が必要」との件で「曝気発酵」を試みる事にした」急遽タナゴ産卵用の「人工母貝装置」からエアストーンなどの必要部品を外したのだが足らなくてホームセンターへ走る事になった。

 水槽用のブクブクポンプは下駄箱の中に転がっているのを使って容器2本同時に賄える仕掛けにしたのだが
購入してきたエアストーンからは泡が出てこなくて出力不足が判明、仕方なく池へ曝気しているパイプからエアを通してみたら曝気量を絞れば大丈夫だったのだが屋外では雨や猫の悪戯が懸念された。そこで夕食を済ませてから改めてホームセンターへ出向き最小のエアストーンを購入する。しかしこれだとプラジョイントが入らず仕方なく電ドルに挟んで回転させヤスリで細くし瞬間接着剤も用いて改造終了。

 容器に沈めてみたところブクブクとはならずアワアワ程度の非力でしかなかったものの連続酸素供給は出来るので1日このままで様子を見る事にした。今回は2本分なのだが1本であればより多くの曝気量を確保できるのは確認したので一通りの試行が済み発酵材が決まれば1本で済むのだ。
 この曝気発酵方式に使ったエアポンプは小さな水槽用なのだが何時頃購入したのか記憶にも無い古いポンプで音がうるさいし非力だった。エアストーンを順次小さく変更してみたけれどエアが噴き出なくて最終的には池への曝気管からエアを絞って曝気する事になった。

     試みたストーンの大小       最終形はペットボトルで発酵させた。写真はコバノガマズミの果実

 ああでもない、こうでもと苦心惨憺したものの「曝気発酵」の成果としては落第点だったろう。曝気したからと言って酵母の増殖が進んだ印象は無くてガッガリする結末である。
 発酵の済んだ菌液の匂いは「クズの花穂」からは好ましい香りがしたものの「フジバカマの花穂」は良い香りとは言えなかった。一応、両方をボトルに入れて冷蔵庫で保存しているが「クズの花穂」の酵母は種起ししてみるつもりで「フジバカマの花穂」は迷っている。

 2回目のセットは「レモングラス」と「コバノガマズミの果実」で発酵中だけれどレモングラスは青臭さがあるしコバノガマズミの発酵力は弱くて澱も溜まらない。さーて、どうしようか。てなもんや惨度笠・・・。

                   惨憺し曝気ブクブクくちブツブツ

 

泥水池2の除草

2022-09-21 | 水辺環境の保全
 除草の順序も1,2,3…とはいかなかったが最終的には滞りなく済めばそれで良いのだ。泥水池2も1や4と同じくミソハギやカサスゲにチゴザサが侵入し覆って更にその上からウシノヒタイがトゲトゲの茎を展開させて素肌など出してはいられない。細かい擦り傷が多発し入浴の時にピリピリして不快だ。
 半袖にアームカバーを装着しゴム引き手袋と言う態勢で臨むとこれはこれで暑くて適わん。長袖なら1枚で済むけれど作業衣の長袖には薄地で吸湿速乾性の一着もなくワイシャツは捨てたいほどあるものの蒸れて不快で着られない。

 除草など同じことの繰り返しに過ぎず、どの水域でも粛々とハアハアとゼイゼイと行うだけの作業であるけれど水面が広がると次々にトンボが飛来し数を増すのが唯一の楽しみと言えば楽しみなのだ。「極楽とんぼ」なんて表現はトンボのためにあるのであって泥水の跳ね返りで帰り道にスーパーにも寄れない姿恰好では「極楽とんぼ」ならぬ「地獄の頓某」でしかなく因果であることを泥を纏った五体と衣服が証明している。

 それでもまあ、嫌な作業も終わりが来る。四本鍬で泥付きの根株ごと引き上げて陸地の低い部分に引きずり集めて落着。集積したところで泥は3割も無いけれど「一箕の積み重ねで堤と成る」のであって水域の湛水構造は殆どが浚渫土で成り立っているのだ。当初は泥浚いをしていたのだがここ最近は根株泥付きのまま引き上げるから、それが浚渫代わりになっている。
 ここも二日がかりとなった。連日32℃程度の真夏日の直射光の下ではイヤイヤがつのる。まあ、二度童であるから「イヤイヤ期」は当然あってしかるべきなのでここは素直に受容する。
 生い茂ってしまった植物に手を掛ければイナゴなどのバッタ類やカマキリ、クモ類などがピョンピョンワラワラと姿見せて来る。改めて草叢の豊かさを実感するけれど部分最適化の積み重ねが必要なフイールドでは目を瞑るしかない時もある。あの「動的平衡」と言える範疇だろうと勝手に解釈。

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