自然実生の豆柿、樹齢は様々で数本あるが、この一本だけはヒヨドリも食べに来ない。
既に何回か霜に当たり、氷点下の時間を過ごした柿の実は、萎びて表皮も黒ずんできた。周囲の豆柿には実は一つも無いけれど、この木には鈴なりのままである。
理由は承知しているものの、「少しは甘くなっただろう」と、口が寂しいから摘まんで食べるのだが、甘味は増殖していない。鳥たちも良くご存じで、カラスやヒヨドリなど、口汚い鳥達も食べないはずだ。
まあ、手を出し口に入れるのは小生くらいか…。渋みの強い性質なので「柿渋」を採取するには好都合と思うけれど、実が小さいのが難点で、「柿渋」が欲しいと言っていた人に紹介したものの、取りに来ることは無かった。憎まれてはいないけれど嫌厭される対象は、どの世界にもあるようだ。