トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

食は瀬戸際

2008-11-30 | 遊び子は

Sn3d0393 『嚥下悪し経管楽と母に問い楽しみひとつ母に泣かれつ』

『気管支に気道開けたり遊び子は笑顔変わらず大口開けて』

『口開けて我と食事の遊び子は今は鼻腔にチューブで食し』

『ふっくらと顔も円になりたるも食べる楽しみ彼方に遠く』


笑窪のような幸せ

2008-11-28 | 今はうたかた

Sn3d0397 『囚われの身と思うなり措置の身はせめて慰む季節豊かに』

『凍る庭一輪咲きし水仙を長く見つめる何思う君』

『如雨露抱き車椅子漕ぐかの君は寒き朝にも楽しみ有りて』

『パン屑を芝に撒きたる窓越しに鳥は来ぬかと鏡で見たり』

行事を中心に一年を設計するのは好きでなかった

どちらかと言えば 日々の中でそれぞれが入り込める領域が好きだった

季節を通して折々の活動は大切だけれど それに力を入れるあまり

日常性が疎かになっている取り組みを多々見てきたから

現実として日々の現場は厳しい状況になっていく一方だから

そんな手間隙はなく せめて行事だけでも と言う思いもあるけれど

圧倒的一人の時間を豊かに提供しよう は 辛さがともなうのが実感だ


猟師狩り出す 小父も刈り出す

2008-11-26 | 今日は真面目に

Sn3d0355 『さき年に刈りだし実る柿なれば渋きと知りつ口に運べり』

『藤を切り竹を外して刈り出せしふたとせ後の桜待たれる』

『小春の日竹切る翁汗背負い』

『竹切れば射して明るき小春の陽』

猟期に入って 連日発砲音が聞こえる

有害鳥獣駆除とかで 猟期前からハンターが奥山に入ったので

今年は里近くまで猪が降りてきた

湿った草地の方々に 猪の掘り返しと足跡が多くなった

奥山のドングリは豊作だったので 駆除を逃れての移動なんだろう


小雪でも小粋に

2008-11-25 | 今日は真面目に

Sn3d0384 『雪富士の遠き尾根道山茶花はつぼみも花も散るも小雪に』

『スズメバチ暦は小雪巣穴より狩に飛び出る十三度の日』

『襟ぐりを歩き止りつスズメバチ見つけた我も身は凍りたり』

『静止させ肩にまわるを退治する友の震えはしばし止まずと』

三人で恐怖の体験をした

濃い色のウンンドブレーカーを着ていた仲間にオオスズメバチが取り付いたのだ

急斜面の侵入竹除伐だから 逃げることもままならない

首周りのフードの縁を歩き回って 顎や頬と紙一重だ

動くなと指示して うろつく面をゆっくりと開放させた

顔から離れたところで 専用殺虫剤を直噴して退治した

本人はしばらく震えが止まらないと言っていたが

私も首筋に羽風を受けてホバリングされたことがあるから

恐怖は良くわかる 


幼き時代

2008-11-24 | 感じるままの回り道

Sn3d0278 『純朴な瞳をみせて童子はおんぶバッタを踏みつけたりし』

『子等集う林道に散るドングリは拾われもせず踏まれ割れたり』

『好き好きに紅葉拾いし幼子は指しては母を採っては母に』

『きのう今日あらずに遠き我が昔唱歌歌いて望みし未来』

母子のグループが谷地に遊びに来た

弁当を広げた後 てんでに散策を始めたが 行動がイメージと一致しない

バッタを見ても ドングリがあっても 歓喜がないのだ

あまつさえ お菓子が少ないと大声を上げている子もいる

私のその頃と半世紀以上の時間差があるが この貧しさに愕然とした

物心ついた頃 いわゆる唱歌をソノシートやラジオで聴いて

行く末に淡い想いを抱いた そんな情感をこの子達は持てるのだろうか

今 唱歌を聴くと鮮やかに蘇る記憶は 加齢の証か


戦利の道も一歩から

2008-11-23 | 今日は真面目に

Sn3d0392 『金品の無きわが身なら布施如何この身汗して山に一滴』

『竹切れば現れ出でし雑木林葉落とせし枝木枯らしに揺れ』

『切りし竹横に渡せし急斜面鳶師のごとく伝い竹切る』

『赤松の床掻きすれば表れし秋香もたらす土色嬉し』

マツタケ林再生の第一人者 吉村先生の実地研修を受けることが出来た

感想はいつも思っていることと同じ

里山保全は 里山が暮らしの中に組み込まれていない現代は 

そのためにする作業ばかりで 大変な労力だ と言う事

今の手入れも 継続される保証はないし やめれば荒れるだけ

極めてローカルでローテク そしてマイナーな活動だ

夢のひとつが マツタケ生えるかなあ ということ

今日の最低気温7度 最高気温13度 スズメバチがまだ巣穴から飛んでいる 


夜霧の大忍酷道

2008-11-22 | 性向有毒の翁なれば

Sn3d0430_2 『時無しの永田鶏舎の鵜骨鶏さくらさくらと霞提行く』

『見識も思慮分別も漫画脳漫画とバーが国の真髄』

『君子とは縁遠き者集まりて己も知らず民知ると檄』

『舞台観て国事覚える人と成り君子不在のゆるふん劇場』


起承転結 俳句の場合

2008-11-21 | 勢子、雨毒に侵されて呻く

『酷政の遁辞迷走豚児飼い』

『下々を巻き上げ腐心汝浪費』

『田水引き白州据えても恥もなし』

『鋼鐵の防御たりたる更迭は』


麗しの寒いな

2008-11-20 | 今日は真面目に

『故郷に初雪撒いた風ならば身はかじかめど愛おしく受く』

『枯れ松にコツココツコと餌を探すコゲラの下で昼を立ち食む』

北西の風がすごかった この季節風で郷里も里に雪が舞った

情緒的には郷里に雪を運んだ風のように感じる

気温も低かったので 陽だまりでも動かずにいると寒い

昼は立って食べていたが コゲラも食事時だった

時々 松の皮が落ちてくる 低い鳴き声を出したりしていたが

歓喜の声なのか 腹がなっていたのか定かではない

侵入竹を一掃した雑木林に吹く風が 黄葉を散らせて美しい初冬の情景だ


晩秋か初冬か

2008-11-19 | 感じるままの回り道

Sn3d0381 『紅葉敷く森にひと際目に染みる万年青一株風に光りぬ』

『立冬の夜窓開けて月観れば冷気さわやか心に温し』

『ケヤキ葉は茶に染まりしもイチョウ葉はまだ緑なる立冬なる日』

『列島を寒気が覆うこの日さえ蛇はうごめきトンボは泳ぎ』

風を避けて東向きの斜面で昼を食べていたら 赤とんぼが止まりに来た

空を見上げれば どこまでも碧い空に多くの枯葉が舞っている

陽だまりの黒い服は暖かいのかも知れない 写真を撮ろうと少し動くと飛び立ってしまう

今日の最高気温は13度 それでも40センチばかりのこげ茶の蛇を見かけた

昨日は暖かく オオスズメバチの飛行を見たが さすがに今日は見かけない


赤い誘惑 白の魅惑

2008-11-18 | 今日は真面目に

Sn3d0379 『竹切れば視線を誘う冬イチゴしばし摘まめば背の汗も冷え』

『竹切りは果てしなきかなと思ゆれど一日十本十日で百本』

『竹切りぬ心密かに待ちたるはキヌガサタケに出会い有るかも』

『今様の翁と竹を語らえばキヌガサタケがかぐや姫かな』

昨年に竹を切り払った場所に 冬イチゴが絨毯の様に広がった

赤い実が小春の日差しに輝いて 春のような錯覚がある

小さな粒をしゃがんで摘まんでいると時を忘れる

小春日和とはいえ 小雪も近い季節だから

背が冷えて我に返った

雑木の斜面に侵入してきた真竹を切ったところから見える 谷向こうの

色づき始めた景色が清々しい


末は名工

2008-11-17 | 感じるままの回り道

Sn3d0375 『秋祭り巣箱作りし童子の幼き手指紅葉のごとく』

『横に座し尋ね見上げる幼子の私心無き顔御仏を観る』

おいらの孫かいなと 錯覚するほど表情が可愛かった

おぼつかない指先が ネジ釘を摘まむ

ひと回しが難しい

そのたびに顔を上げる それでもまた動作を試みようとする

鼻に汗をかいている 一心不乱だ


きっかけとは些細だ

2008-11-15 | 何よりの楽しみ

『桑の実を食みて染めたり指の先』

『歌にありグミ原分けて我が昔』

『アキグミの渋さで戻る五十年』

桑の実は 一緒に採りにいったみっちゃんを思い出す

就学前の頃だったろうか

先日 アキグミの鉢植えの一粒で 少年期に逆戻りした

よく水無川の ほとりに食べに行った

干し上がった川床を渡るのに全力疾走したものだ

川幅が百メートルくらいあったから 子どもにはそれは長く遠い距離

水が出るときは 鉄砲水で火花を発して出てくるからだ

大丈夫と思っても川上を見ながら 快晴でも走ったのだ

怖かった

でも食べたかった 甘いのがあると思った 向こう岸


畜生の身の汝なれど

2008-11-15 | ペット

『鳴かぬ子が鳴き声上げて呼びたもう四肢震えさせ呼吸荒げて』

『尿毒の躯体に回り識無くて母呼ぶ声か駆け寄る足か』

『声などはたてぬこの犬臨終の時が来たれば吐きし鳴き声』

『愛犬の温さ消えゆく膝の上次は健やか生まれたまえよ』

『身体拭く ひと拭き毎に なぜ絞る タオルは強く 絞りたるのに』

『奈が骨は 我が里山に 山桜 活けたる下で 花と生まれよ』

人間に換算すれば80歳相当になる愛犬が逝った

血統が重んじられた結果 犬種特有の好発性疾患はほとんど患った

それでも瀕死の瀬戸際に居るような状況でよく生き永らえた

愛嬌だけのお馬鹿な犬だったが 果たした役割は大きかった

一ヶ月以上も前に覚悟はしたが それでも悲しさはこみ上げてくる

それは命がひとつ消えた事ではない もうそこに相互作用が存在しないからだ

飼育する束縛も責任も消えたが その自由と引き換えに喪失感と寂寥感が住み込む

親にもしたことがないのだ

線香上げて 水と花を供え 般若心経を唱えるなんて

 


秋のイベント

2008-11-15 | 月例会

2008/11/15(土)

会員15名

里山祭りに出店  1:木工体験  2:知恵の輪紹介指導  3:木の実細工実演  4:トン汁・キノコ汁

学校の臨時登校日と重なったため、学齢前の子供達ばかりになってしまった。結果として材料を切断しておいたのが幸いした。

木工は強度を考えてネジ止めの仕様だったが、簡便さでは釘に軍配があがる。

月間自主活動

延べ43人:散策道普請・山桜(景観樹)刈りだし・侵入竹除伐