猛暑日一歩手前の日々連続ではもうお手上げ、万歳万歳である。完全なる毎日が日曜日ともなれば、この世の地獄を味わう事になる。生まれも育ちも魚沼の雅な水飲み米作農家が出自ともなれば男児三歳にして学問を欲し「疾如加齢、徐如孤老、侵掠如詐欺、不動如屍」とまあ、孫子にも精通するのは当たり前だとしても明るい昼間からグダグダ続くのは遺伝子が許さない。と言えばA(Ⅽ)に相当してしまうけれど暑さより何もすべきことが無い方が心身に障る。
そこで、頼み込んできた人物は何処の誰かか知らないのだが新聞配達の兄いが仲立ちになり頼まれたのが「動く魚」の製作だった。縁台工作で「動く魚」を作っていたのを夕刊配達の折々に見ていて話を交わすようになり結果的にはお姉さんの週末食堂に飾る木の玩具として進呈した過去があったので、恐らくここからの繋がりなのだろうと推測している。それはともかくとして熱中症警戒アラート発表中の日々にいささか飽きてきて工作をする気になったのである。
今まで作った型紙を基準に製作すれば魚体は苦もなく手間暇かければ完成するものの、同じものでは気乗りがしない。そこで浮かんだのが先般、亡くなった水族館のジンベエザメを思い出して形にしてみようと考えたのであるが、ところが描画やデザインのセンスのない孤爺ともなればスタートから躓く。躓かないように一所懸命に足指のグーチョキパーをやってみたところで遅々として進まなかった。それでもネットの写真を参考にデッサンを重ねて何とか下図がようやく完成した。
ところがどっこい、はたして出来上がる物なのかどうかは「やってみなけりゃ判らない!」のであってボツ覚悟でこの日、ようやく本体になる三枚の板を切り出せたのだ。今までだと厚板一枚から全てのパーツを切り出せたのでパーツの数も少なくて済んだけれど、今回のジンベイザメは横幅があり糸のこ盤で一体物としてパーツを切り出せない。で、結局は三枚の板材で構成したパーツを用意しなければならなくなったのであるが最終的には三枚一組の節にまとめるものの3倍の部材点数になってしまった。
出来上がれば「売ってください」の伝言も聞いているが類似の市販品を参考にすれば数万円は確実で、求めた人の想定価格までは知らないものの恐らく数千円程度だろうし、手間賃にもならない価格で売るよりは子どもの施設に進呈した方が気分が良いだろう。もともとそのような発想で製作していた玩具なので、てな事もろもろ妄想しつつ汗を掻き掻きどうなるのやらジンベイの結果は・・・。まあ、ジンベエと言えども涼しくないのは確かなのだった。
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