予報通りの「雨降りお憑きさん」で終日ステイホームお約束。退屈しのぎに妄想を具現化するため雨の中9時開店のスーパーへ走って「牛乳、バナナチップス、かえりちりめん干し」を購入してきた。小生はバーチャルよりもリアルが好みなのだ。頭の中は妄想が渦巻いていても具現化できればしばしの安らぎが訪れる。とは言え「他人様の迷惑や両手が後ろに回ることが無いように」もお約束なのであった。
まあ、姥捨て山の孤老であるが故の幸せ、他人様とは社会的接点などはなく足元にはカエルか蛇、膝辺りはバッタやクモの巣、眼前にはチョウかトンボ程度しかいない絶対の孤老なのであるわい。それに加え絶対的今が旬の「引っ付き虫数種」は嫁取り看取り、いいえ選り取り見取りの連日付き従ってくるモテモテぶり。もう、お爺冥利に尽きるばかりで涙が出てくる・・・。お爺冥途に尽きたら泣く手合いはおらんし、涙が花の人生なのだ。
赤裸々な恥は端に置いといて今日のチャレンジは「絶対謹製:和風フイッシュ&チップス」と「絶対謹製:チップス&チップス」の試作なのである。突然「そのクラッカー!」と言われても「どれ?どれ?」になってしまいかねないが「蘇のクラッカー」ではほとんど通じないだろう。牛乳100%のクラッカーを作ろうなんて思う人はどれくらい居るのだろうか。ここはオケラを捕まえ「どれくらい?」と訊いて見るしかないが「これくらい!」と10mm程度は両前腕を広げるはずだ。
まずは牛乳1ℓをホットプレート上で蘇に変え、これでクラッカーを焼きバナナチップスに合わせたエッ!品とかえりちりめん干しに合わせたエッ!品の二品を試作賞味するのである。最初は蘇を作り岩塩少々とベーキングパウダーを混ぜ合わせオーブンで焼く。3mm厚さの生地を170度12分の加減なのだったが焼く前に空気穴を開け忘れてパンクするかと思った。
蘇に仕上げ ➡
切り分け成形 ➡
焼き上がり
焼き上がった「蘇のクラッカー」にかえりちりめん干しとバナナチップスを混ぜた二品を作り試食、「和風」の意図があったからバナナチップスの前に「芋けんぴ」を用いるつもりだったけれど「揚げ物」なので避けたのだ。
「蘇のクラッカー」は当然、そのままでおいしい。焼き加減は焦げ目がつかない方が蘇の味わいがある。「かえりちりめん干し」は柔らかさがあるから市販の「フイッシュ&チップス」のフイッシュより咀嚼し易く高齢者御用達でも推奨できる。
食べてみての印象は「どちらもお茶やお酒に合う」と思ったが、小生は紅茶で試食した。他意はないものの生まれも育ちも雅なので、ここはイングランド風が抜けきれない。まあ、「三つ子の魂百までも」が隠しても現れてしまうのだった。午前中をこの作業で費やし、改めて昼食と言う気にもならず執事も召使も外出中だったから、先日の「雑穀紛クラッカー」の残りとバナナ、それに今回試作した二品を紅茶で頂き昼食代用にした。雨の一日だし喰わずとも寝ていれば良いのだ。しかし、雨の日に昼寝してしまうと夜が長ーい、孤閨が長ーい。だからこそ故に雨の昼間は小細工を弄して過ごさなければならないのだった。
写真、上の容器にはチップス&チップス」、右の容器には「フイッシュ&チップス」」が入っている。まあ、満足できた二品。