浸食溝の整形をしていたら異様と言うべきか、聞きなれない変わった鳴き声が始まった。初めて聞いた鳴き声、鳴き方である。
見上げたら泥水地の脇の斜面にあるコナラの枝にカラスが二羽いるのが見え、動き方もおかしいのだ。
枝の上で鳴きながら身体を寄せ合っている。ここで「ハハア!」と思ったのだが、大当たりだった。そのうち一羽がもう一方に乗ったので確信した。カラスの交尾に間違いないだろう。
スズメやキジバト、ツバメやニワトリの交尾は見たことがあるが、他の鳥は記憶に無い。ましてカラスの交尾など想いもしなかった。鳴き声は最初から最後まで変わった鳴き声、鳴き方だったが、振り返って思えば、甘えている鳴き方そのものだった。重なった場面が見え難いのが惜しい。