ナラメイガフシを割り裂いて見た。今年成長しているのは断念し昨年で役割を終えた虫瘤である。
予想は単なる空間だけかと思っていたが見事に覆されて、もう一つの容器が存在していた。見た目は蛸壺にそっくりで、その横に脱皮した抜け殻もあった。もう、宇宙船と言うかカプセルと言うか、シェルターそのものだ。
まだ若いナラメイガフシを判割りにしたことがあったが、その中は詰まっていて、黒いゴミの様な核があった。卵か幼虫かどちらかだろうけど、この放棄した殻と比較すると、中身は食料として食べた部分が空間となった様に思えた。
「虫瘤」と聞くとイメージはよろしくないが、幾種類かは造形的にも美しくユニークなのがあって面白い。このナラメイガフシも一見「毛糸のボンボン」、小さい時は「毬栗の赤ちゃん」、突起物を外すと「浮遊機雷」、割り裂くと「シェルターあるいはソユーズ帰還船」の様に妄想できる。
こういう「覗き」と「妄想」は人畜無害でよろしいが、人格や品性の維持向上には全く役に立たないのである。その上、他人に知れたら「阿呆馬鹿!」のそしりは免れない行為だ。