人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「シューベルトの夕べ~ピアノ五重奏曲”ます”室内楽名曲選」を聴く

2014年03月26日 07時30分11秒 | 日記

26日(水)その2。ということで、よい子は「その1」から見てね 昨夕7時から、東京文化会館小ホールで「東京・春・音楽祭」の「シューベルトの夕べ~ピアノ五重奏曲”ます”室内楽名曲選」を聴きました オール・シューベルト・プログラムで①弦楽三重奏曲第1番、②ヴァイオリン・ソナチネ第3番、③アルペジオーネ・ソナタ イ短調、④ピアノ五重奏曲イ長調”ます”」です 出演は、ヴァイオリン=堀正文、ヴィオラ=佐々木亮、チェロ=木越洋、コントラバス=吉田秀、ピアノ=ゲルハルト・オピッツです。まさにN響の首席クラスとオピッツの共演です

 

          

 

自席はH19番、左ブロック右通路側です。会場は9割ぐらいの入りでしょうか ステージ上に集録マイクが、脇にはテレビカメラが置かれています 掲示を見ると「本日の公演はNHK・TVで放映します」と書かれています

1曲目の「弦楽三重奏曲第1番」は、作曲者が19歳の時の作品です。31歳の人生の中の19歳はどういう位置づけになるのでしょうか。・・・・・・やっぱり”青年シューベルト”の作品ですね 堀正文、佐々木亮、木越洋の演奏ですが、聴いている限り、ほとんどモーツアルトのディヴェルティメントのような曲想です

2曲目の「ヴァイオリン・ソナチネ第3番」も19歳のときの作品です。3つのヴァイオリン・ソナタのうちの最後の曲です 「ソナチネ」というのは「小さなソナタ」のことです。堀正文とともにドイツのピアニスト、ゲルハルト・オピッツの登場です 古楽の大家トン・コープマンというか、笑顔のブラームスというか、資本論のマルクスというか、白いひげを蓄えた特徴のある顔です この曲もモーツアルトに近い曲想です

3曲目のアルペジオーネ・ソナタの「アルペジオーネ」というのは、ウィーンの楽器製作者シュタウファーという人が1823年に発案した楽器で、チェロのように弾くギターだったそうです この作品は、アルペジオーネのために書かれた唯一の楽曲とのこと オピッツと佐々木亮の演奏です。オピッツとの共演ということで佐々木亮が緊張しているような感じを受けましたが、演奏はなかなかしみじみと良かったです

 

          

 

休憩後の「ピアノ五重奏曲イ長調”ます”」は同じ五重奏でも、ピアノと、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの組み合わせによるものです。第4楽章アンダンティーノで、この作品の愛称になっている歌曲「ます」のメロディーが使われます

全体的には、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの演奏をコントラバスがしっかりと支え、ピアノが時にメロディーで引っ張り、ときに全体を締めるといった感じの演奏でした 5人のソリストの一人一人が相当な実力者であることが明確で、その上での見事なアンサンブルです オピッツは頭を動かしたり、身体を前後左右に動かしたりしません。身体の芯がしっかり通っている感じがします。それがこのドイツのピアニストの演奏スタイルのようです

室内楽の醍醐味を十分味わった気分です しかしながら1日2回のコンサートはきついです。しかも今夜もコンサートあるし

〔追伸〕 昨日、上野でご一緒したSさんから今朝5時過ぎにメールがあり、「こちらは岩崎邸をぐるりとして眺めてから、無事帰りました」と報告が書かれていました。”無事”にというところが彼女らしいな、と思ったりしました。よかったですね、と言っておきましょう

 

             

 

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「ピアノの歴史探訪~小倉貴久子」を聴く~ワルター、プレイエル、スタインウェイの弾き比べ

2014年03月26日 06時51分34秒 | 日記

26日(水)その1。昨日午前11時から、東京文化会館小ホールで「東京・春・音楽祭」の「ピアノの歴史探訪~小倉貴久子~ワルター、プレイエル、スタインウェイ」を聴きました(休暇をとりました)。3種類のピアノによる聴き比べ企画です。A.ワルター・ピアノ(レプリカ)によるモーツアルトとベートーヴェン、プレイエル・ピアノによるショパン、フィールド、カルクブレンナー、スタインウェイによるラヴェルの演奏です 演奏はこの道の第一人者・小倉貴久子さんです

 

          

 

ステージには、向かって左から黒光りするスタインウェイ、真ん中に木製のワルター、右に同じく木製のプレイエルが並べられています 自席はC20番、左ブロック右通路側です。ウィークデーの午前11時からのコンサートとあって聴衆は5割程度の入りです

小倉貴久子が淡いイエローのドレスで登場、真ん中のワルターで第1曲目のモーツアルト「ピアノ・ソナタ第11番イ長調K.331”トルコ行進曲付き”」の第1楽章を弾きます ピリオド楽器特有の繊細な音が空間を満たします。第1楽章が終わったところで一旦演奏を中断し、ピアノの解説に移ります

「ステージ上にあるワルターは1795年にウィーンで製作されていたピアノのレプリカ(複製)で、モーツアルトが生きていた時代に弾かれていたもので、すべて木で作られています (ちなみにモーツアルトは1756~1791年の生涯)。その右にあるプレイエルは1848年製作のオリジナルでショパンがコンサートで弾いたのと同じピアノです (ちなみにショパンは1810~1849年の生涯)。そして左のスタインウェイは現代の代表的なピアノです

解説の後、再びワルターに向かいモーツアルトのK.331の第2、第3楽章を続けて弾きました。3楽章冒頭は、解説の通り短めに弾き、本来の”トルコ行進曲”に近い形で再現しました そして、次のベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第17番ニ短調”テンペスト”」を演奏するにあたって、ベートーヴェンとワルターとの関係について解説しました

「ベートーヴェンはピアノ・ソナタの半数は5オクターブのワルターを使って作曲していました。しかし、ハンマークラヴィーア・ソナタを作曲している最中に5オクターブ半(低音部に広がった)のピアノが開発され手元に届いたことから、第3楽章からは低音部を生かした曲を作るようになりました その意味で、ベートーヴェンのピアノ・ソナタの初期の曲がいかに軽いかが分かります

そしてワルターで「テンペスト」を3楽章を通して演奏しました。ここで一旦休憩に入りました

席を立って後ろを見ると、2つ後ろに席に、見たような女性を発見しました。声をかけると「あら~」と言ってしばし絶句していました。町田でピアノ教室を開いているSさんでした。お会いするのは何年ぶりかです ネットでチケットを手配したそうですが、研究熱心な人なので聴きに来られたのでしょう

休憩から戻ると、ステージ上は、ワルターが右に移動し、プレイエルがセンターに設置されていました。小倉貴久子が登場、ショパンの「ワルツ変二長調”子犬のワルツ”」を弾きました 音を聴いただけでワルターから進化したことが判ります。一層、現代のピアノに近い音です。「子犬のワルツ」の愛称は、ショパンの愛人ジョルジュ・サンドの飼い犬が自分の尻尾をくわえようとしてグルグル回る様子から着想したということですが、多分グルグル回ったのは三度だったと思います

演奏後、プレイエルについて解説しましたが、彼はハイドンに弟子入りしたくらいの作曲家でもあり、ショパンとは旧知の中だったようです そしてショパンのノクターンで一番有名な「第2番」と、「バラード第1番ト短調」を続けて演奏しました 個人的にはバラード第1番はホロヴィッツの名演が忘れられません

次にショパンに大きな影響を与えた二人の作曲家、ジョン・フィールドの「ノクターン第2番」とカルクブレンナーの「ロマンスと華麗なロンド」を続けて演奏しました。フィールドの曲は、知らなければショパンの作曲と勘違いするような曲想です

そして、最後に現代のスタインウェイの出番です。解説によると、スタインウェイはドイツで1835年に創立したので、プレイエルの1848年の創立よりも歴史が古い しかし、スタインウェイは革命によりアメリカに渡り、そこで新しい技術を次々と開発し普及させた。今ドイツのハンブルクにあるスタインウェイはアメリカのスタインウェイの里帰りのようなもので、現在はアメリカとドイツでピアノを製作している、とのことでした

そして、ラヴェルの組曲「クープランの墓」から「前奏曲」「メヌエット」「トッカータ」の3曲を続けて演奏しました これはスタインウェイでなければ追いつかないでしょう。「曲はピアノに連れ、ピアノは曲に連れ」ということでしょうか

会場一杯の拍手にドビュッシーの前奏曲集から「花火」を鮮やかにアンコールしました。終演は午後1時10分でした

 

          

 

  閑話休題  

 

終演後、Sさんとロビーに出たのですが、Sさんのケータイにメールが着信して、共通の知人であるOさんと会うことになりました どうやらお二人は昼食の約束をしていたようで、そこに私が”お邪魔虫”したようです Oさんはなんと同じロビーにいました。Sさんが「それじゃ、三角デートということで」と言うので3人で散策することにしました。Sさんが30日に東京都美術館で江口玲のピアノ・リサイタルを聴くので、美術館の場所を確認したいというので見にいき、その後、奏楽堂も見たいというので旧奏楽堂に行きましたが、現在改装工事中でした

その後、上野の森を散策し、途中でOさんから「『東照宮』が金箔を張り替えたばかりだから観に行きましょう」と提案があったので、観に行って写真を撮りました 私は初めてここを訪れました

 

          

 

          

 

まだ花の咲かない桜並木を通って西郷さんの銅像まで歩き、近くの薩摩魚鮮というお店に入り、遅い昼食をとりました 隣の会場(とは言え、完全に仕切られていない部屋)で、学生の団体が卒業祝賀会のような宴会を開いていて、大声で放歌哄笑していました 男子学生らしき者がイタリア語で「オー・ソレ・ミオ」を歌い出したので、Sさんが「芸大の学生かしらね」というので、「そうですね。そうだとするとレベル低いね」と答えました。

Oさんは旅行会社のOBなので今でも旅行好きで、毎年海外旅行に行っているそうで、今年もイタリアに行くとのこと Sさんも旅行好きで5月の連休にパリに行くと言っていました。3回目だそうです 私は国内でラ・フォル・ジュルネ音楽祭です。9年連続で Oさんは「年金収入のほかにアルバイト収入もあるから」と言ってご馳走してくださいました。いいんだろうか、年金生活者にゴチになって・・・・と思いましたが、またの機会にこちらがゴチするということで、今回はお言葉に甘えさせていただくことにしました

お店を出たのは午後3時半頃になっていました その後、お二人は本来のデート、私は午後7時から再び東京文化会館小ホールで開かれる「シューベルトの夕べ」コンサートを聴くため、一旦巣鴨に戻ることにしました

という訳で、「シューベルトの夕べ」は「その2」に書くことにします。睡眠時間が足りないよぉ

 

          

 

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