26日(水)その2。ということで、よい子は「その1」から見てね 昨夕7時から、東京文化会館小ホールで「東京・春・音楽祭」の「シューベルトの夕べ~ピアノ五重奏曲”ます”室内楽名曲選」を聴きました オール・シューベルト・プログラムで①弦楽三重奏曲第1番、②ヴァイオリン・ソナチネ第3番、③アルペジオーネ・ソナタ イ短調、④ピアノ五重奏曲イ長調”ます”」です 出演は、ヴァイオリン=堀正文、ヴィオラ=佐々木亮、チェロ=木越洋、コントラバス=吉田秀、ピアノ=ゲルハルト・オピッツです。まさにN響の首席クラスとオピッツの共演です
自席はH19番、左ブロック右通路側です。会場は9割ぐらいの入りでしょうか ステージ上に集録マイクが、脇にはテレビカメラが置かれています 掲示を見ると「本日の公演はNHK・TVで放映します」と書かれています
1曲目の「弦楽三重奏曲第1番」は、作曲者が19歳の時の作品です。31歳の人生の中の19歳はどういう位置づけになるのでしょうか。・・・・・・やっぱり”青年シューベルト”の作品ですね 堀正文、佐々木亮、木越洋の演奏ですが、聴いている限り、ほとんどモーツアルトのディヴェルティメントのような曲想です
2曲目の「ヴァイオリン・ソナチネ第3番」も19歳のときの作品です。3つのヴァイオリン・ソナタのうちの最後の曲です 「ソナチネ」というのは「小さなソナタ」のことです。堀正文とともにドイツのピアニスト、ゲルハルト・オピッツの登場です 古楽の大家トン・コープマンというか、笑顔のブラームスというか、資本論のマルクスというか、白いひげを蓄えた特徴のある顔です この曲もモーツアルトに近い曲想です
3曲目のアルペジオーネ・ソナタの「アルペジオーネ」というのは、ウィーンの楽器製作者シュタウファーという人が1823年に発案した楽器で、チェロのように弾くギターだったそうです この作品は、アルペジオーネのために書かれた唯一の楽曲とのこと オピッツと佐々木亮の演奏です。オピッツとの共演ということで佐々木亮が緊張しているような感じを受けましたが、演奏はなかなかしみじみと良かったです
休憩後の「ピアノ五重奏曲イ長調”ます”」は同じ五重奏でも、ピアノと、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの組み合わせによるものです。第4楽章アンダンティーノで、この作品の愛称になっている歌曲「ます」のメロディーが使われます
全体的には、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの演奏をコントラバスがしっかりと支え、ピアノが時にメロディーで引っ張り、ときに全体を締めるといった感じの演奏でした 5人のソリストの一人一人が相当な実力者であることが明確で、その上での見事なアンサンブルです オピッツは頭を動かしたり、身体を前後左右に動かしたりしません。身体の芯がしっかり通っている感じがします。それがこのドイツのピアニストの演奏スタイルのようです
室内楽の醍醐味を十分味わった気分です しかしながら1日2回のコンサートはきついです。しかも今夜もコンサートあるし
〔追伸〕 昨日、上野でご一緒したSさんから今朝5時過ぎにメールがあり、「こちらは岩崎邸をぐるりとして眺めてから、無事帰りました」と報告が書かれていました。”無事”にというところが彼女らしいな、と思ったりしました。よかったですね、と言っておきましょう