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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

井上さつき著「万博からみた音楽史」を読む ~ 音楽の多様化、楽器の発展に寄与した万博の歴史を紐解く:ロンドン万博における楽器製造コンクールとベルリオーズほかトリビアが満載

2025年04月10日 00時01分39秒 | 日記

10日(木)。今日から14日(月)まで5日連続コンサート、15日を挟んで、16日(水)から22日(火)まで7日連続コンサートというハードスケジュールなので、腰痛悪化防止のため、昨日は1日中 ベッドに横になって本を読んで過ごし、身体を休めました

ということで、わが家に来てから今日で3740日目を迎え、起業家のイーロン・マスク氏がトランプ政権の打ち出した関税政策を撤回するようトランプ氏に直訴したが、トランプ氏は応じなかった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

   

   トランプは 最初からマスクを利用するだけ利用して切り捨てるつもりだったんじゃね?

         

昨日、夕食に「麻婆豆腐」「生野菜とアボカドとモッツアレラチーズのサラダ」「大根の味噌汁」を作りました 前回「麻婆豆腐」を作った時は辛すぎたので、今回は甘口にしました

         

井上さつき著「万博からみた音楽史」(中公文庫・334ページ)を読み終わりました 井上さつきは東京藝大大学院修了。音楽学博士。パリ・ソルボンヌ大学修士課程修了 主な著書に「パリ万博音楽案内」「フランス音楽史」「ラヴェル」ほか多数

本書は今年4月に大阪・関西万博が開かれるのを機に、1998年に出版した「パリ万博音楽案内」を基に、音楽史にとって重要な過去の万博について書き加え刊行したものです

著者は「まえがき」で次のように書いています

「万国博覧会が始まったのは1851年のロンドン万博からで、その後、欧米のさまざまな都市で大小の万博が開かれるようになった なかでもパリは別格の存在で、1855年、67年、78年、89年、1900年、1937年に開催された 万博は一般に技術文明の祭典というイメージが強いが、一連のパリ万博は芸術の祭典でもあり、そこには『音楽』も含まれていた

本書は万博側からみた音楽の在り方を探った労作で、次の各章から構成されています

第1章 水晶宮の国際博 1851年・ロンドン

第2章 ナポレオン3世の見果てぬ夢 1855年・パリ

第3章 初の『音楽展示』 1867年・パリ

第4章 音楽の殿堂トロカデロ宮 1878年・パリ

第5章 エッフェル塔とガムラン 1889年・パリ

第6章 ホワイト・シティと巨大観覧車 1893年・シカゴ

第7章 1世紀の総決算 1900年・パリ

第8章 近代テクノロジーの祭典 1937年・パリ

第9章 戦後の転換点 1958年・ブリュッセル

第10章 太陽の塔と前衛音楽 1970年・大阪

本書を読むと、トリビアの連続で「よくここまで調べたものだ」と感嘆します

万博が初めて開かれた1851年のロンドン万博で興味深いのは、「楽器製造コンクール」とベルリオーズの関係です ベルリオーズはフランス省務大臣の命によりロンドンに渡り、楽器審査を行ったとのことです エラール(ピアノ)、サックス(サクソフォン)、ヴィヨーム(弦楽器)などフランスのメーカーの評価が高く、ベルリオーズはご満悦だったそうです

このうちピアノに関しては、1867年のパリ万博の「楽器製造コンクール」で観衆から絶大な人気を得たのはアメリカのスタインウェイ社とチッカリング社のピアノだったとのことです 今では世界のピアノ界を席巻しているスタインウェイはこの頃から台頭してきたのですね

1900年のパリ万博での音楽イベントの最大の呼び物はグスタフ・マーラー指揮ウィーン・フィルの登場でした この公演がウィーン・フィル初の外国公演だったそうで、ワーグナー、モーツアルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブルックナーなどドイツ、オーストリアの作曲家の作品のほか、ベルリオーズ「幻想交響曲」も演奏され、熱狂した聴衆はマーラーを12回もカーテンコールで呼び戻したとのことです 当時の聴衆がうらやましいです

1970年の大阪万博では、オープニング・コンサートで岩城宏之指揮N響により三善晃「祝典序曲」、黛敏郎「BUGAKU」他が演奏されたほか、カラヤン指揮ベルリン・フィル、バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル、セル指揮クリーブランド管弦楽団をはじめ、ベルリン・ドイツ・オペラ、モントリオール交響楽団、レニングラード・フィル、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、そしてピアノのワイセンベルク、リヒテルなど錚々たるオーケストラやアーティストが来日公演を繰り広げました 著者は「あとがき」の中で「70年大阪万博を境に海外演奏家の来日公演が身近になり、日本の音楽シーンが激変したように感じる」と書いていますが、まさに指摘の通りの現象が起こっています 2025年の大阪・関西万博は4月13日(日)から10月13日までの6か月間にわたり開かれますが、どうやらクラシック音楽とは無縁のようですね

本書には、ここにご紹介したこと以外にたくさんのトリビアが散りばめられています 音楽好きには興味深くためになる本です 広くお薦めします

         

5日連続コンサートの第1日目の今日は「東京春祭プッチーニ・シリーズVol.6 蝶々夫人」です 指揮はウクライナ出身の女性指揮者オクサーナ・リーニフです


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