人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「リヒャルト・シュトラウスの生涯~生誕150年に寄せて」公演から第Ⅰ部、第Ⅲ部を聴く

2014年03月24日 07時00分23秒 | 日記

24日(月)。昨日、東京文化会館小ホールで「東京・春・音楽祭」の「R.シュトラウスの生涯~生誕150年に寄せて」連続コンサートを聴きました コンサートは第1部「誕生ー激動の人生の幕開け」、第2部「イノック・アーデン~1人の女性をめぐる青年2人の美しく悲しい物語詩」、第3部「時代の寵児となった、若き天才音楽家~交響曲、歌曲、室内楽の名曲を集めて」、第4部「オペラ作曲家として」、第5部「辞世のうた~去りゆく古き良きヨーロッパ~眠りにつくとき」の5部構成になっています

私はこのうち第Ⅰ部、第Ⅲ部、第Ⅳ部を聴きました。今日は第Ⅰ部と第Ⅲ部について書きます

 

          

 

第Ⅰ部「誕生ー激動の人生の幕開け~若き日の傑作ホルン協奏曲から、晩年の名作オーボエ協奏曲まで」のプログラムは①R.シュトラウス「仕立て屋のポルカ作品1」、②F.J.シュトラウス「ノクターン作品7」、③R.シュトラウス「ホルン協奏曲第1番変ホ長調作品11」、④同「オーボエ協奏曲ニ長調」です。演奏者名はオーボエ=広田智之、ホルン=松崎裕、ピアノ=三輪郁となっています

11時からの開演なのに何と9時半に上野に着いたので、東京文化会館近くの時計塔のある広場で本を読むことにしました 先日「序章」だけ読んだ高橋英夫著「疾走するモーツアルト」です。かなり夢中になって読んでいて、そろそろ時間かと時計を見ると、9時40分です??「えっ、まさか」と思ってよく時計を見ると秒針が止まっているではありませんか 慌ててケータイで時間を見ると何と11時5分です。遅刻です 文化会館小ホールの受付に着くと、係員から「ただいま2曲目に入ったところです。しばらくお待ちください」と告げられました リヒャルト・シュトラウスの記念すべき作品1番の「仕立て屋のポルカ」を聴き損ないました 2曲目のノクターンは仕方ないとして。私の時計はSEIKOですが、いざとなった時に止まってしまうって、本当に精巧か?ほっ時計という訳にはいかないのです。太陽電池なので今日一日、日光浴させないと、また止まってしまいます。世話が焼ける時計です

さて、入口で自席の位置を確かめておき、係員の「どうぞお入りください」の合図とともにF27番を目指しました こういう時は通路側席が断然有利です。すぐに見つけて何事もなかったかのように座りました

幸い3曲目のホルン協奏曲第1番から聴くことができました この作品はホルン奏者だった父フランツの60歳を記念して1882~83年(18歳頃)に書かれた曲です。プログラムには、ホルン=松崎裕とありましたが、写真を見ると違う奏者のようです。遅刻しなければ何らかのアナウンスを聞けたかも知れません。ピアノは三輪郁。若く伸び伸びとした明るい曲想に合った素晴らしい演奏でした

次のオーボエ協奏曲は一転して81歳の晩年(1945年)に書かれた作品です 演奏はオーボエ=都響首席の広田智之、ピアノ=三輪郁です。3楽章から成りますが、切れ目なく演奏されます。曲の冒頭から相当のテクニックを要する曲で、オーボエの特性をよく生かした曲想になっています オーボエ協奏曲と言えば、モーツアルトのそれが名曲として知られていますが、R.シュトラウスのそれはモーツアルトに次ぐ名曲と言っても良いでしょう。広田智之の演奏は自由自在、様々な音色を吹き分けます 会場一杯の拍手にR.シュトラウスの「万霊節」をアンコールに演奏しましたが、実にしみじみと良い演奏でした

 

          

          

この音楽祭の分厚いプログラムの解説によると、ミュンヘン宮廷歌劇場管弦楽団の首席ホルン奏者だった父フランツは、息子が同時代の「現代音楽」、すなわちリストやワーグナーの音楽に接するのを好まず、モーツアルトやベートーヴェンなどの古典を手本にして学ぶことを強いたといいます R.シュトラウスの音楽を聴く限り、これは正解だったと言えましょう。素晴らしい父親ですね    

この2曲はペーター・ダム(ホルン)、マンフレッド・クレメント(オーボエ)のソロ、ルドルフ・ケンペ指揮スターツカペレ・ドレスデンの演奏で予習しておきました R.シュトラウス+スターツカペレ・ドレスデンといえば、初めてこのオーケストラを聴きに行った時、場内アナウンスで、「次は”ヨハン・シュトラウス”の『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』です」と流れた時はぶっ飛びました。もちろん、時差を設けて訂正のアナウンスが入りましたが

 

          

 

次の第Ⅲ部の開始時間3時までかなり時間があるので、昼食をとって、不忍池を中心に散策しました。寒桜が満開でした

 

          

 

池ではカモメとカモがエサの取り合いに興じていました カモがカモメに言いました。

「来たか、カモめ!」・・・・それって、おかしくね?

         

          

 

骨董品市をやっていました。こういう仏像のミニチュアは、いったいどこから調達してくるんだろうか・・・

 

                    

 

上野大仏は受験のときの合格祈願で有名です。まだ決まっていない学生さん、受付中ですよ それにしても顔だけですね。胴は胴したんでしょうか

 

          

 

女子学生が寒桜茶会を開いていました。茶釜のとなりのポットに何とも言えない風流を感じます 「お茶いかがですか?」 「ありがとう。でも、おちゃけの方がいいんだけど」 「お酒はありません!」 「茶化してごめんなさい。せっかくだからお菓子だけいただきます」 「お菓子な人!」 「あ茶~」

 

          

 

  閑話休題  

 

第Ⅲ部「時代の寵児となった、若き天才音楽家~交響詩、歌曲、室内楽の名曲を集めて」は午後3時からの開演です プログラムは①「セレナード作品7」、②「チェロ・ソナタ ヘ長調作品6」より第3楽章、③「もう一人のティル・オイレンシュピーゲル」(ハーゼンエール偏)、④万霊節、⑤ツェチーリエ、⑥愛の神、⑦ダリア、⑧献呈、⑨冬の夜、⑩なんと不幸な男だろう、⑪たそがれの夢です。自席はC-22番、センターブロック左通路側です

最初の「セレナード」は18歳の時の作品です。本来器楽で演奏される曲ですが、この日はピアノ編曲版により津田裕也が演奏しました。ロマンに満ちた曲です

2曲目の「チェロ・ソナタ」~第3楽章はチェロ=奥泉貴圭、ピアノ=津田裕也により演奏されました。チェロが実にいい音を出していました

3曲目の「もうひとりのティル・オイレンシュピーゲル」は、交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」をハーゼンエールという人がヴァイオリン、コントラバス、クラリネット、ファゴット、ホルンの楽器編成による小品に仕立てて1957年に出版した曲です ヴァイオリン=成田達輝、コントラバス=池松宏、クラリネット=西川智也、ファゴット=長哲也、ホルン=日橋辰朗の5人の奏者によって演奏されます 成田の主導で軽妙洒脱な演奏が展開されますが、それぞれの楽器が良く生かされていて素晴らしいアレンジの曲だと思いました

ところで、プログラムの楽器表示の一部に誤りがあります。コントラバスの省略形としてCbと表記していますが、正しくはKbです。ドイツ語でKontrabass です。あとは、ヴァイオリンがVn、ヴィオラがVa、チェロがVcということで大丈夫でしょうか

さて、次の曲からは歌曲に入ります。まずソプラノの安井陽子がエンジ色のドレスで登場 「万霊節」「ツェチーリエ」「愛の神」の3曲を安井耕一のピアノ伴奏で歌います。「万霊節」は、さきほどのオーボエでの演奏とは違った魅力がありました

次いでメゾ・ソプラノの加納悦子が淡いグリーンのドレスで登場 「ダリア」「献呈」「冬の夜」「なんと不幸な男だろう」「たそがれの夢」を安井耕一の伴奏で歌います。4曲目の「なんと不幸な男だろう」は面白い曲です。最後は「ああ なんと不幸なこの俺 金も富も もっちゃいねえ」という詩です。加納は不貞腐れ気味に歌い、笑いを誘っていました

一連の歌を聴いていて、R.シュトラウスの音楽の根底にあるのは”歌心”ではないか、と思いました なお、「万霊節」「ツェチーリエ」「献呈」は、キリテ・カナワのソプラノ、ショルティ指揮ウィーン・フィルのCDで予習しておきました

 

          

 

この後、第Ⅳ部が午後5時から開演となりますが、その模様は明日のブログに譲ります

 

          

 

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