人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新国立オペラ「死の都」ゲネプロを観る~こんなに沢山の聴衆が聴いているの?

2014年03月10日 07時00分43秒 | 日記

10日(月)。昨日午後、初台の新国立劇場で、12日から開幕するコルンゴルトのオペラ「死の都」のゲネプロ(総舞台稽古)があり、見学してきました 新国立劇場の会員クラブ「ジ・アトレ」が、ポイント・サービスの一つとして、抽選により招待するというので応募し当選したものです 「ゲネプロ」の開始時間が長い間未定のままになっていたので、シビレを切らして午後2時からの東京フィルのチケットを買ったのですが、その後で正式なゲネプロの案内状が届き、「午後1時45分までに集合」ということが判明したのです しかたないので、東京フィルのチケットは知人に譲りました

案内状に「受付場所はオペラパレス入口(チケットゲート)へ向かう階段を上がった場所にカウンターを設けます」と書かれていたので、階段を上がってみると、列が2つあります 係員が「関係者の皆さまはこちらの列にお並びください」(関係者っていったいどんな関係者だ?)、「賛助会員の皆さまはこちらです」(そうか、賛助会員になるとゲネプロが観られるのか・・・でも、賛助会費を払わねばならんな)、「青色のチケットをお持ちの方はそのまま会場にお入りください」(なに、青色申告していれば入場できるのか)と案内していますが、肝心の「ジ・アトレ会員受付」がどこにあるのか分かりません 係員に尋ねると、正面奥にカウンターがあり、すでに列が出来ていました

割り当てられた座席番号の1階21列21番のカードを持ってチケットゲートを通り抜けると、ゲネプロ見学会の案内とタイム・スケジュールが張り出されていました

 

          

          

          

 

新国立劇場で「面白いな」と思ったのはゲネプロの終演時間の表示です 一番上の写真(見学の案内)には「終演17:30(予定)」となっており、2番目のタイム・スケジュールでは第3幕終演が17時になっています。ところが受付で受け取った「ゲネプロ見学についてのお願い」には「予定時間は約3時間10分(休憩2回含む)」となっていました いったいどれが正解に近いのか・・・終わってみて「正解者には世界一周オペラの旅にご招待」なんて企画が、あるわけない

さて、割り当てられた21列21番は、1階の後ろから2列目のど真ん中の席です。通路側席に慣れた身には居心地がよくありません。が、仕方ないですね。ご招待なんだから

会場の正面前列席は空いています。ほぼ中央にディレクター席が設けられています。その他の席に階を問わず多くの聴衆が座っています これにはビックリしました。ゲネプロってごく限られた人だけが見学していると思って参加してみたのですが、これほど多くの人たちが本番さながらのゲネプロに来ているとは夢にも思いませんでした

時間どおり午後2時に指揮者のヤロスラフ・キズリンクが登場、タクトを振り下ろして「死の都」の序曲が始まります 舞台は下のチラシにあるように、壁や床に亡きマリーの遺品が飾られている部屋の中です

 

          

 

物語は19世紀末のベルギーの古都ブルージュ。愛する亡き妻マリーを忘れられないパウルは、妻の遺品に包まれて悲しみの中に生きている ある日、パウルは街でマリーにそっくりな踊り子マリエッタに出会い、家に招待する。マリエッタに魅了されたパウルは、次第に幻想の世界へと入り込んでいく。二人は一夜を過ごすが、パウルは亡き妻の遺髪を首に巻き付けて踊りだしたマリエッタを絞殺してしまう 夢から目を覚ましたパウルは、妻の死を受け入れ、街を去ることを決意する

キャストはマリエッタにミーガン・ミラー、パウルにトルステン・ケール、フランク/フリッツにアントン・ケレミチェフ、ブリギッタに山下牧子ほか。ヤロスラフ・キズリンク指揮東京交響楽団、演出はカスパー・ホルテン。フィンランド国立歌劇場からのプロダクション・レンタルでの上演です

第1幕のマリエッタのアリアを聴いていると、左側後方から「カシャ、カシャカシャ」という機械音がかなり頻繁に、しかも不規則に聞こえてきます その割には誰も注意しようとしません。何だろうと不思議に思って、最初の休憩時間に振り返ってみると、2台のカメラがドンと構えていました どうやら舞台写真を撮っているようでした。それにしても1分に1回位のペースでシャッターを切っていたけれど、それほど写す必要があるのだろうか、と疑問に思います ど真ん中の席だって、これでは台無しです。まあ、タダでオペラが聴けるのだから我慢するしかないのですが 

案内状に「ゲネプロは本番同様に実施するが、あくまでもリハーサルの一環なので、進行状況によって中断することもある」とあったので、ある程度覚悟していたのですが、全3幕を通じて途中で休止することはありませんでした

歌手は舞台衣装を着けて本番とまったく同じ要領で歌います 凄いと思ったのはパウル役のトルステン・ケールです。「世界でも指折りのヘルデンテノール」と言われているそうですが、ウソではありません それとマリエッタ/マリーを歌うミーガン・ミラーの甘美なソプラノの魅力です ここであまり詳しく書いてしまうと本番がつまらなくなってしまうので、この辺にしておきますが、「ゲネプロ」とは言え、最後にカーテンコールもありました。初めてナマで観て聴いた「死の都」でしたが、思った通りの素晴らしいオペラでした

なお、カシャカシャ音は最後まで続き、ゲネプロの終演時間は17:30でした。シャッター音のない12日(水)の本番が楽しみです

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