守田です。(20110324 02:28)
さてみなさま。
今日も驚くべきニュースが続きました。幾つか紹介します。
メーラーの調子が悪く、太字になってしまって恐縮ですが、ご参考ください。
東京の水道水汚染と、厚労省の基準値引き上げの功績
一つは、東京都の金町浄水場の水道水から、1キロあたり210ベクレルの
放射性ヨウ素が検出されたことです。これは乳児の安全基準値の100ベクレル
を超えるため、飲ませないようにとの呼びかけが厚労省から出ました。
ついに東京でも赤ちゃんに水を飲ませることのできない地域が発生したのです。
(ちなみに昨日のニュースの解説で、僕はセシウムが放射線管理区域の5分の4と
書いてしまいましたが、正しくはヨウ素でした。訂正しお詫びします)
実はこのニュースにはもう少し深い内容が含まれています。この赤ちゃんの
基準値について、いわば直前に厚労省が高い値に修正していたのです。
ヨウ素は成人よりも子ども、わけても乳児や胎児ほど、危険な影響を与える
ため、大人だけの基準であったものに、乳児の基準を付け加えたのは
その値が妥当かどうかは別として、正しい措置だったと思います。
この点について、化学者の友人の推論なのですが、どれほど放射能汚染が
明らかになっても、「ただちに健康に害はない」を繰り返す、政府・経産省
(保安院)・文科省に対して、原発とは無関係な厚労省が危機感を持ち、
先手を打って、乳児を守ろうとしたのではないか。つまり政府内部の
たたかいがここに反映されているのではないかと言う事です。
この点を考えると、農水省が、食品加工に東京都の水を使うのは問題ないと
声明している理由が見えるように思えます。これは明らかに厚労省の
指示と矛盾します。国民を守ろうとする立場と、政府を守ろうとする立場の
対立と見るのはうがちすぎでしょうか・・・。
僕は、この友人と連絡しあいながら、とりあえず厚労省の担当官に感謝と
激励のメールを送っておきました。
30キロ圏外でも、100ミリシーンベルト以上の被曝の恐れ
つづいて、これも多くの科学者たちの努力で、政府が隠し持っていた放射能
汚染のデータが表に出されたことを告げるものです。
なんと30キロ圏外でも、被曝量が100ミリシーベルトを超えることが明らかに
なりました。この地域に、ボランティアなどで入ろうとしている知人が
おられたら、ただちにお伝えください。
これはとても高く、危険な値です。一般人の法的な被爆許容量は1ミリ
シーベルトです。原発などの関係者は50ミリシーベルト、この50ミリ
シーベルトを超えるとガンになる確率が急激にあがります。こんな高い値が、
屋内退避指定地区の外で観測されているのです。
政府は国民を1ミリシーベルト以上の被曝から守るべき義務があります。
即刻、避難勧告地域を広げるべきです。
(またしても、この記事にはこの重要な事実が書かかれていません。)
放射能汚染は長期化する可能性あり
この汚染がいつまで続くのか。現状からすると長期化するのではないかという
洞察が、朝日新聞に載せられています。
しかし実はここには朝日新聞が、東電に騙されてしまっていることがあらわれて
います。記事は、この放射能漏れがどこから発生しているのかを考察して
います。そして格納容器の圧力を逃がす、ベントからではないか。いやベントの
場合は水を通しているので、可能性はないと思えると書いています。
この推論は、これまでの東電の発表を信じるなら正しいのですが、実は東電は
こそっと、水を介さないベントを行っていたのです。
東電による高濃度放射能の排出隠し
このことを告げているのが、産経新聞の短い記事です。
ここでは16日から17日にかけて実施したベントが、実は15日だったということを
「修正」として東電が発表したことが記事になっています。ところが東電は
これにこのときのベントが、水を介してなかったこと、高濃度の放射能が
出されていたことを付け加えています。
記事を書くなら、こちらをメインに扱わなければならないのに、産経新聞は、
日にちを修正した方をフォーカスしてしまっています。それでも水を介さずに
ベントがされたことを報じたことは功績だと思います。
ただいずれにせよ、このように東電が、高濃度の放射能を出すタイミングを
明らかにしていない重大な事実がここに表れています。なぜなら、せめても
タイミングを教えてくれれば、風向きなどへの注意をすることができるから
です。僕もこれから水を介さないベントが行われる可能性のある3号機に
ついて、そうした思いでウォッチしていたので、この東電のやりかたは
ひどいと思いました。ようするに少しでも実態を隠そうとして、反対に少しでも
人々の被曝を軽減しようなどとは思ってないのです。
実は3号機のベント排出は、陸から海へと風の吹くときを待っているのでは
ないか。つまり少しでも被曝を避けようとしているのではないかなどと
思いながら見ていました。またしても裏切られました。僕は人が良すぎる
ようです・・・。
実は臨界がおこっていた
さらに驚いたのは、12日から14日の間に、13回も中性子線が観測されて
いたことが今になって明らかにされたことです。
中性子線が出ているというのは、ウランないしプルトニウムの核分裂反応が
進行していること、つまり臨界状態になっているという極めて重要な情報です。
ほっておけば核暴走、そして核爆発にもなりかねないからです。かなり
深刻な事態です。それが13回も起こっていた。恐ろしいです。
それが隠されていた。
記事には観測データの計算ミスで見落としたとありますが、ありえないことです。
というか、これをミスで見落とすとしたら、臨界を見落としていたということで、
それ自身がまた大変なことです。
友人によると、実はこれもこそっと読み取りにくいようにPDFファイルで
東電からすでに出されていたのだそうです。ネットからは数値が読み取りにくい
形式だったとか。(これはこの友人が調べています)
これらから見えること
これらから見えることは、放射能汚染がどんどん拡大していること、
またそれが長期化する傾向にあること、さらに政府は東電の言っていることは
まったく信用ができないことです。
一方で、厚労省のように、基準を引き上げて、乳児を守ることに踏み込んだ
努力も見え隠れしています。
これらの情報を、自ら批判的に読み解いて、今、それぞれがおられる場が
安全かどうか、避難は必要なのかを検討する材料としてください。
なお、明日は避難できない場合、したくばい場合には、どのようなことを
すると有効かを考察して、お届けします。
本日は以上です。
**********************
都が乳児のいる家庭に水配布へ 水道水から放射性ヨウ素
東京都は23日、金町浄水場(葛飾区)の水道水から
1キロあたり210ベクレルの放射性ヨウ素を検出したと発表した。
乳児の飲み水についての国の基準の2倍を超えるため、
同浄水場から給水している東京23区と多摩地域の5市を対象に、
乳児に水道水を与えるのを控えるよう呼びかけている。
金町浄水場は利根川水系の江戸川から取水している。
同じ利根川水系から取水している千葉県も同日、全域に同様の呼びかけを始めた。
都の対象は23区の全域と武蔵野、三鷹、町田、多摩、稲城の5市で計約489万世帯。
都は「基準は長期にわたって飲み続けた場合の健康への影響を考慮して設定されており、
代わりの飲み水が確保できない時に一時的に飲むのならば差し支えない」
と冷静な対応を求めている。
都によると、対象地区に1歳未満の乳 児は8万人おり、粉ミルク用の緊急対応として、
放射性物質検出前に詰めた水道水550ミリリットル入りのペットボトルを乳児1人につき3本、
計24万本配布する。
24日にも各区・市役所などで配り始める。
厚生労働省によると、母親が飲んでも母乳や胎児への影響はなく、
入浴など生活用水としての利用にも問題はないという。
東日本大震災を受け、都は21日の降雨の影響を調べるため、
22日午前9時に同浄水場からサンプルを採取。
23日午前11時ごろ、基準を超える値を検出したと報告を受けた。
同日午前9時のサンプルでも190ベクレルを検出した。
都は「21日の雨で大気中の放射性物質が溶け込んだため、
濃度が上がったので はないか」とみている。
サンプル採取から発表まで24時間以上かかったことについては
「最大限早く対応した。発表が遅れたとは考えていない」としている。
放射性ヨウ素が体内に入ると甲状腺がんなどの原因になることがある。
原子力安全委員会は飲料水について、1キロあたり300ベクレルという基準を定めているが、
子どもは放射性ヨウ素が甲状腺にたまりやすいため、
厚労省は牛乳や乳製品については1キロあたり100ベクレルという基準を設定。
同省は21日、この値を水道水にも当てはめ、乳児に与えないよう全国に通知していた。
都は原発事故後、放射性物質の除去効果が期待できるとして
浄水に使う粉末活性炭の量を通常の3倍にしていたが、
今回の検出結果を受けて通常の4倍に増やした。
農林水産省は製造や流通、市場の各団体に対し、
「食品加工などの際に都の水道水を使うことは問題がない」として、
冷静な対応を求める文書を23日に出した。
(2011年3月24日0時28分 朝日新聞)
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103230282.html
放射性物質、初の拡散試算…原子力安全委
東京電力福島第一原子力発電所の事故に関して、政府の原子力安全委員会は23日夜、
放射性物質の拡散を予測した模擬計算「SPEEDI(スピーディ)」の結果を発表した。
現在、避難や屋内退避の指示が出ている原発から半径30キロの範囲外でも、
事故後の12日から24日までずっと屋外にいた場合、
大気中に漂う放射性ヨウ素を体内に取り込んで、
事故発生からの被曝(ひばく)量が100ミリ・シーベルトを超える危険性があることがわかった。
100ミリ・シーベルトは、甲状腺がんを予防するために安定ヨウ素剤を服用する基準で、
同日夕に記者会見した枝野官房長官は「現時点で直ちに避難や屋内退避をする状況ではないが、
念のため、風下の場合は、窓を閉め屋内にとどまってほしい」と注意を呼び掛けた。
試算の対象は、放射性ヨウ素の影響を受けやすい1歳児で、
甲状腺に放射性ヨウ素がたまった時の体内被曝量を予測した。
事故後の12日午前6時から24日午前0時まで、ずっと屋外にいた場合を想定した。
屋内での被曝量は、屋外の4分の1から10分の1になる。
今回の原発事故では、どれだけの量の放射性物質が放出されたか不明だったため、
原発周辺の大気中の放射性物質の観測結果をもとに逆算。
その数字をもとに、放射性物質の拡散を広範囲にわたって計算した。
被曝量は、福島第一原発に近いほど、高い傾向があったが、
30キロ圏外の福島県川俣町などでも、
100ミリ・シーベルトを超える被曝の危険性があることがわかった。
(2011年3月23日22時52分 読売新聞)
放射能漏れ、どの部分から? 特定遅れれば放出長期化も
東京電力福島第一原発では、爆発が起きて以降、
人体に有害なレベルの放射線が敷地内で観測され続けている。
放射性物質は、どこからもれているのか。考えられるのは使用済み核燃料の貯蔵プールと、
原子炉やその周辺部分の破損だ。
漏出部分を突き止めるのが遅れれば、放射性物質の放出は長引くことになる。
同原発4号機では15日に核燃料プール付近で火災があった。
プールの水位が下がって使用済み核燃料が露出し、水素が発生して爆発したとみられている。
このとき外部に放出された放射性物質が、敷地内にとどまって放射線を出し続けている。
これが考えられる一つのシナリオだ。
プールでなく、原子炉からもれている可能性もある。
東電は、水素爆発が起きて建屋が壊れた1、3号機について、
「格納容器の健全性は保たれている」との説明を続けている。
格納容器につながる圧力抑制室で爆発が起きた2号機も、
大きく壊れているとは考えにくいとの立場だ。
損傷が大きければ「放射線量はこんなものではすまないはず」(東電)だからだ。
だが、部分的な破損の可能性を示すデータはある。
その一つが、核燃料のウランが核分裂してできる
放射性のセシウムが外部で検出されていることだ。
内部の圧力が高まった格納容器が壊れないよう、蒸気を外に逃す措置もとられている。
ただ蒸気はいったん水の中をくぐっているため、この措置でセシウムが外部に出た可能性は低い。
では、破損部分はどこなのか。
可能性が高いのは、検査の際などに人間が内部に出入りするときにつかう
「パーソナルエアロック」というドアだという。
関係者によると、ドアと格納容器のすきまを埋めるパッキンが「一番弱い」とされているからだ。
東電はこのほか、接続部分などの小さな箇所が破れている可能性も認めている。
たとえば、圧力容器や格納容器から外部へ通じる配管だ。
配管には弁があり、地震を感知して発電が自動で止まると同時に、弁は閉じられる。
仮に弁から先の配管が破れても、炉内部と外部が直接つながるわけではないが、
もともと配管の中に あった放射性物質を含む水などが、漏れだした可能性はあるという。
(2011年3月24日0時38分 朝日新聞)
http://www.asahi.com/national/update/0323/TKY201103230386.html
東電、蒸気放出の実施日を訂正
東京電力は21日、福島第1原発2号機で
原子炉格納容器内の放射性物質を含む蒸気を外に逃がした操作について、
実施したのは15日午前0時からの数分間だったと発表、
「16日から17日にかけて実施した」との20日の説明を訂正した。
格納容器につながる「圧力抑制プール」内の水を通さずに蒸気を直接逃がすため、
放射性物質をより多く放出する方法だった。
(2011.3.21 11:15 産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110321/dst11032111150032-n1.htm
中性子線検出、12~14日に13回
東京電力は23日、東電福島第一原発の原子炉建屋の
約1・5キロ・メートル西にある正門付近で、
これまでに2回だけ計測されたとしていた中性子線が、
12~14日に計13回検出されていた、と発表した。
観測データの計算ミスで見落としていたという。
中性子は検出限界に近い微弱な量だった。東電は、
「中性子は、(核燃料の)ウランなど重金属から発生した可能性がある。
現在は測定限界以下で、ただちにリスクはない。監視を強化したい」としている。
(2011年3月23日13時10分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110323-OYT1T00534.htm?from=navr
さてみなさま。
今日も驚くべきニュースが続きました。幾つか紹介します。
メーラーの調子が悪く、太字になってしまって恐縮ですが、ご参考ください。
東京の水道水汚染と、厚労省の基準値引き上げの功績
一つは、東京都の金町浄水場の水道水から、1キロあたり210ベクレルの
放射性ヨウ素が検出されたことです。これは乳児の安全基準値の100ベクレル
を超えるため、飲ませないようにとの呼びかけが厚労省から出ました。
ついに東京でも赤ちゃんに水を飲ませることのできない地域が発生したのです。
(ちなみに昨日のニュースの解説で、僕はセシウムが放射線管理区域の5分の4と
書いてしまいましたが、正しくはヨウ素でした。訂正しお詫びします)
実はこのニュースにはもう少し深い内容が含まれています。この赤ちゃんの
基準値について、いわば直前に厚労省が高い値に修正していたのです。
ヨウ素は成人よりも子ども、わけても乳児や胎児ほど、危険な影響を与える
ため、大人だけの基準であったものに、乳児の基準を付け加えたのは
その値が妥当かどうかは別として、正しい措置だったと思います。
この点について、化学者の友人の推論なのですが、どれほど放射能汚染が
明らかになっても、「ただちに健康に害はない」を繰り返す、政府・経産省
(保安院)・文科省に対して、原発とは無関係な厚労省が危機感を持ち、
先手を打って、乳児を守ろうとしたのではないか。つまり政府内部の
たたかいがここに反映されているのではないかと言う事です。
この点を考えると、農水省が、食品加工に東京都の水を使うのは問題ないと
声明している理由が見えるように思えます。これは明らかに厚労省の
指示と矛盾します。国民を守ろうとする立場と、政府を守ろうとする立場の
対立と見るのはうがちすぎでしょうか・・・。
僕は、この友人と連絡しあいながら、とりあえず厚労省の担当官に感謝と
激励のメールを送っておきました。
30キロ圏外でも、100ミリシーンベルト以上の被曝の恐れ
つづいて、これも多くの科学者たちの努力で、政府が隠し持っていた放射能
汚染のデータが表に出されたことを告げるものです。
なんと30キロ圏外でも、被曝量が100ミリシーベルトを超えることが明らかに
なりました。この地域に、ボランティアなどで入ろうとしている知人が
おられたら、ただちにお伝えください。
これはとても高く、危険な値です。一般人の法的な被爆許容量は1ミリ
シーベルトです。原発などの関係者は50ミリシーベルト、この50ミリ
シーベルトを超えるとガンになる確率が急激にあがります。こんな高い値が、
屋内退避指定地区の外で観測されているのです。
政府は国民を1ミリシーベルト以上の被曝から守るべき義務があります。
即刻、避難勧告地域を広げるべきです。
(またしても、この記事にはこの重要な事実が書かかれていません。)
放射能汚染は長期化する可能性あり
この汚染がいつまで続くのか。現状からすると長期化するのではないかという
洞察が、朝日新聞に載せられています。
しかし実はここには朝日新聞が、東電に騙されてしまっていることがあらわれて
います。記事は、この放射能漏れがどこから発生しているのかを考察して
います。そして格納容器の圧力を逃がす、ベントからではないか。いやベントの
場合は水を通しているので、可能性はないと思えると書いています。
この推論は、これまでの東電の発表を信じるなら正しいのですが、実は東電は
こそっと、水を介さないベントを行っていたのです。
東電による高濃度放射能の排出隠し
このことを告げているのが、産経新聞の短い記事です。
ここでは16日から17日にかけて実施したベントが、実は15日だったということを
「修正」として東電が発表したことが記事になっています。ところが東電は
これにこのときのベントが、水を介してなかったこと、高濃度の放射能が
出されていたことを付け加えています。
記事を書くなら、こちらをメインに扱わなければならないのに、産経新聞は、
日にちを修正した方をフォーカスしてしまっています。それでも水を介さずに
ベントがされたことを報じたことは功績だと思います。
ただいずれにせよ、このように東電が、高濃度の放射能を出すタイミングを
明らかにしていない重大な事実がここに表れています。なぜなら、せめても
タイミングを教えてくれれば、風向きなどへの注意をすることができるから
です。僕もこれから水を介さないベントが行われる可能性のある3号機に
ついて、そうした思いでウォッチしていたので、この東電のやりかたは
ひどいと思いました。ようするに少しでも実態を隠そうとして、反対に少しでも
人々の被曝を軽減しようなどとは思ってないのです。
実は3号機のベント排出は、陸から海へと風の吹くときを待っているのでは
ないか。つまり少しでも被曝を避けようとしているのではないかなどと
思いながら見ていました。またしても裏切られました。僕は人が良すぎる
ようです・・・。
実は臨界がおこっていた
さらに驚いたのは、12日から14日の間に、13回も中性子線が観測されて
いたことが今になって明らかにされたことです。
中性子線が出ているというのは、ウランないしプルトニウムの核分裂反応が
進行していること、つまり臨界状態になっているという極めて重要な情報です。
ほっておけば核暴走、そして核爆発にもなりかねないからです。かなり
深刻な事態です。それが13回も起こっていた。恐ろしいです。
それが隠されていた。
記事には観測データの計算ミスで見落としたとありますが、ありえないことです。
というか、これをミスで見落とすとしたら、臨界を見落としていたということで、
それ自身がまた大変なことです。
友人によると、実はこれもこそっと読み取りにくいようにPDFファイルで
東電からすでに出されていたのだそうです。ネットからは数値が読み取りにくい
形式だったとか。(これはこの友人が調べています)
これらから見えること
これらから見えることは、放射能汚染がどんどん拡大していること、
またそれが長期化する傾向にあること、さらに政府は東電の言っていることは
まったく信用ができないことです。
一方で、厚労省のように、基準を引き上げて、乳児を守ることに踏み込んだ
努力も見え隠れしています。
これらの情報を、自ら批判的に読み解いて、今、それぞれがおられる場が
安全かどうか、避難は必要なのかを検討する材料としてください。
なお、明日は避難できない場合、したくばい場合には、どのようなことを
すると有効かを考察して、お届けします。
本日は以上です。
**********************
都が乳児のいる家庭に水配布へ 水道水から放射性ヨウ素
東京都は23日、金町浄水場(葛飾区)の水道水から
1キロあたり210ベクレルの放射性ヨウ素を検出したと発表した。
乳児の飲み水についての国の基準の2倍を超えるため、
同浄水場から給水している東京23区と多摩地域の5市を対象に、
乳児に水道水を与えるのを控えるよう呼びかけている。
金町浄水場は利根川水系の江戸川から取水している。
同じ利根川水系から取水している千葉県も同日、全域に同様の呼びかけを始めた。
都の対象は23区の全域と武蔵野、三鷹、町田、多摩、稲城の5市で計約489万世帯。
都は「基準は長期にわたって飲み続けた場合の健康への影響を考慮して設定されており、
代わりの飲み水が確保できない時に一時的に飲むのならば差し支えない」
と冷静な対応を求めている。
都によると、対象地区に1歳未満の乳 児は8万人おり、粉ミルク用の緊急対応として、
放射性物質検出前に詰めた水道水550ミリリットル入りのペットボトルを乳児1人につき3本、
計24万本配布する。
24日にも各区・市役所などで配り始める。
厚生労働省によると、母親が飲んでも母乳や胎児への影響はなく、
入浴など生活用水としての利用にも問題はないという。
東日本大震災を受け、都は21日の降雨の影響を調べるため、
22日午前9時に同浄水場からサンプルを採取。
23日午前11時ごろ、基準を超える値を検出したと報告を受けた。
同日午前9時のサンプルでも190ベクレルを検出した。
都は「21日の雨で大気中の放射性物質が溶け込んだため、
濃度が上がったので はないか」とみている。
サンプル採取から発表まで24時間以上かかったことについては
「最大限早く対応した。発表が遅れたとは考えていない」としている。
放射性ヨウ素が体内に入ると甲状腺がんなどの原因になることがある。
原子力安全委員会は飲料水について、1キロあたり300ベクレルという基準を定めているが、
子どもは放射性ヨウ素が甲状腺にたまりやすいため、
厚労省は牛乳や乳製品については1キロあたり100ベクレルという基準を設定。
同省は21日、この値を水道水にも当てはめ、乳児に与えないよう全国に通知していた。
都は原発事故後、放射性物質の除去効果が期待できるとして
浄水に使う粉末活性炭の量を通常の3倍にしていたが、
今回の検出結果を受けて通常の4倍に増やした。
農林水産省は製造や流通、市場の各団体に対し、
「食品加工などの際に都の水道水を使うことは問題がない」として、
冷静な対応を求める文書を23日に出した。
(2011年3月24日0時28分 朝日新聞)
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103230282.html
放射性物質、初の拡散試算…原子力安全委
東京電力福島第一原子力発電所の事故に関して、政府の原子力安全委員会は23日夜、
放射性物質の拡散を予測した模擬計算「SPEEDI(スピーディ)」の結果を発表した。
現在、避難や屋内退避の指示が出ている原発から半径30キロの範囲外でも、
事故後の12日から24日までずっと屋外にいた場合、
大気中に漂う放射性ヨウ素を体内に取り込んで、
事故発生からの被曝(ひばく)量が100ミリ・シーベルトを超える危険性があることがわかった。
100ミリ・シーベルトは、甲状腺がんを予防するために安定ヨウ素剤を服用する基準で、
同日夕に記者会見した枝野官房長官は「現時点で直ちに避難や屋内退避をする状況ではないが、
念のため、風下の場合は、窓を閉め屋内にとどまってほしい」と注意を呼び掛けた。
試算の対象は、放射性ヨウ素の影響を受けやすい1歳児で、
甲状腺に放射性ヨウ素がたまった時の体内被曝量を予測した。
事故後の12日午前6時から24日午前0時まで、ずっと屋外にいた場合を想定した。
屋内での被曝量は、屋外の4分の1から10分の1になる。
今回の原発事故では、どれだけの量の放射性物質が放出されたか不明だったため、
原発周辺の大気中の放射性物質の観測結果をもとに逆算。
その数字をもとに、放射性物質の拡散を広範囲にわたって計算した。
被曝量は、福島第一原発に近いほど、高い傾向があったが、
30キロ圏外の福島県川俣町などでも、
100ミリ・シーベルトを超える被曝の危険性があることがわかった。
(2011年3月23日22時52分 読売新聞)
放射能漏れ、どの部分から? 特定遅れれば放出長期化も
東京電力福島第一原発では、爆発が起きて以降、
人体に有害なレベルの放射線が敷地内で観測され続けている。
放射性物質は、どこからもれているのか。考えられるのは使用済み核燃料の貯蔵プールと、
原子炉やその周辺部分の破損だ。
漏出部分を突き止めるのが遅れれば、放射性物質の放出は長引くことになる。
同原発4号機では15日に核燃料プール付近で火災があった。
プールの水位が下がって使用済み核燃料が露出し、水素が発生して爆発したとみられている。
このとき外部に放出された放射性物質が、敷地内にとどまって放射線を出し続けている。
これが考えられる一つのシナリオだ。
プールでなく、原子炉からもれている可能性もある。
東電は、水素爆発が起きて建屋が壊れた1、3号機について、
「格納容器の健全性は保たれている」との説明を続けている。
格納容器につながる圧力抑制室で爆発が起きた2号機も、
大きく壊れているとは考えにくいとの立場だ。
損傷が大きければ「放射線量はこんなものではすまないはず」(東電)だからだ。
だが、部分的な破損の可能性を示すデータはある。
その一つが、核燃料のウランが核分裂してできる
放射性のセシウムが外部で検出されていることだ。
内部の圧力が高まった格納容器が壊れないよう、蒸気を外に逃す措置もとられている。
ただ蒸気はいったん水の中をくぐっているため、この措置でセシウムが外部に出た可能性は低い。
では、破損部分はどこなのか。
可能性が高いのは、検査の際などに人間が内部に出入りするときにつかう
「パーソナルエアロック」というドアだという。
関係者によると、ドアと格納容器のすきまを埋めるパッキンが「一番弱い」とされているからだ。
東電はこのほか、接続部分などの小さな箇所が破れている可能性も認めている。
たとえば、圧力容器や格納容器から外部へ通じる配管だ。
配管には弁があり、地震を感知して発電が自動で止まると同時に、弁は閉じられる。
仮に弁から先の配管が破れても、炉内部と外部が直接つながるわけではないが、
もともと配管の中に あった放射性物質を含む水などが、漏れだした可能性はあるという。
(2011年3月24日0時38分 朝日新聞)
http://www.asahi.com/national/update/0323/TKY201103230386.html
東電、蒸気放出の実施日を訂正
東京電力は21日、福島第1原発2号機で
原子炉格納容器内の放射性物質を含む蒸気を外に逃がした操作について、
実施したのは15日午前0時からの数分間だったと発表、
「16日から17日にかけて実施した」との20日の説明を訂正した。
格納容器につながる「圧力抑制プール」内の水を通さずに蒸気を直接逃がすため、
放射性物質をより多く放出する方法だった。
(2011.3.21 11:15 産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110321/dst11032111150032-n1.htm
中性子線検出、12~14日に13回
東京電力は23日、東電福島第一原発の原子炉建屋の
約1・5キロ・メートル西にある正門付近で、
これまでに2回だけ計測されたとしていた中性子線が、
12~14日に計13回検出されていた、と発表した。
観測データの計算ミスで見落としていたという。
中性子は検出限界に近い微弱な量だった。東電は、
「中性子は、(核燃料の)ウランなど重金属から発生した可能性がある。
現在は測定限界以下で、ただちにリスクはない。監視を強化したい」としている。
(2011年3月23日13時10分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110323-OYT1T00534.htm?from=navr
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