明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1735)関電原発マネー問題の追究によって原子力政策を終わらせ国の根幹を問うていこう!

2019年10月11日 19時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20191011 19:00)

関電原発マネー問題がどんどん拡大を見せています!

高浜町以外、2011年以前にもさまざまな賄賂が渡されていた

関電原発マネー問題、さらに広がりを見せています。これまでも問題が2011年からの7年間にとどまるはずがないと多くの人々が指摘していましたが、やはり新たな事実が出てきました。
1990年代に大飯原発に就任した関電幹部に森山氏が20万円分の商品券を渡していたのです。幹部は一週間後に森山氏を訪れ返却したとしていますが、金品授受が何十年間も構造化していたことは明らかです。


関電・大飯原発元所長、20年以上前の金品受領判明 TBSニュース 11日午後1時代 https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3800906.html

この新たな問題が告げていることは関電のこの間の社内調査の無効性です。調査は2011年以降、また高浜町に限られていたからです。
しかし関電が一方的に描く森山氏像が少しでも実情に近いのなら、これらは容易に推察が付くこと。いや1990年代に大飯原発所長に就任祝いを持って行ったのですから、そのころから適正な対処のあり方を社内的に検討し申し送りできたはずです。
もちろん関電はそんなことはしなかった。森山氏のマネーと恫喝の力を常に関電が必要としてきたからです。

大飯原発に関わった幹部への森山氏の接近が他にも行われていたことも毎日新聞が10月8日に報じています。
「元幹部の一人は、80年代に大飯原発に所属しており、関係する工事の発注権限を持っていた。就任時に金品を届けにきたという。
森山氏が関係する県外の会社が、大飯原発の関連工事で受注の機会を狙っていたとみられ、森山氏は具体的な社名をあげて、契約するよう迫ってきた。」

いったい闇はどこまで広がっていたのでしょうか?

政府閣僚にも金品授受がなされていた

故森山氏が賄賂を渡していたのは関西電力幹部だけではありません。次々と政治家の名前も出てきています。

筆頭に上がったのが福井県出身の稲田朋美元防衛相(福井1区)と高木毅元復興相(福井2区)です。森山氏が株主で取締役だったオーイング(警備会社)とアイビックス(同)などが「献金」していたのです。




稲田氏にはオーイングが2011~13年にそれぞれ12万円、アイビックスは11~13年毎年36万円、14~16年毎年12万円、17年は42万円を出しています。11年にはそもそも稲田氏の後援会長を務めていたアイビックス吉田会長個人が50万円出しています。
なんのことはない、稲田氏は元森山氏の息のかかった会社会長を自らの後援会長にしていたのです!そしてアイビックスの関連会社、北興産業、伸海エンジニアリング、エイワイ興産からも献金を受けています。

高木氏の場合は事務所が16年にオーイングに警備費用として19万4千円を支払っています。また敦賀市長を務めた父親の孝一氏(1979年から95年まで4期16年間)が森山氏と親しくしていたともされています。
敦賀市はもんじゅの立地市ですが、孝一氏は毎日新聞によれば、1983年1月26日に石川県の志賀町で行った講演の際に「原発は金になる」「50年後、100年後に生まれた子どもがみんな障害者でも心配する時代でない」と語った人物です。
なお記事には「みんな障害者でも」と書かれていますが、生の発言では「みんなかたわでも」ときわめて差別的に語ったそうです。


毎日新聞 1983年2月5日

さらに名前が挙がってきたのが世耕弘成元経産相です。森山氏が「相談役」として雇用されていうたメンテナンス会社「柳田産業」社長から2012~15年に計600万円の献金を受けていました。
柳田産業は関電から原発のメンテナンス工事などを受注。高浜・大飯原発などで本年度を含む5年間に約149億円も受注しています。
同社は共同通信の取材に、助役を退職後の森山氏を雇用していたことを認め、「(高浜原発の)地元との調整をしてもらった」と説明しているそうです。


毎日新聞 2019年10月8日


そもそも関電が歴代首相に盆暮れに1000万円届けていた

ここまで森山氏のみが金品を渡す主体として登場してきましたが、実はそんなことはまったくない。関電自身が歴代首相7人に金品を渡していたという大スクープも過去になされています。
報道は2014年7月28日の朝日新聞1面でなされました。元関電副社長の内藤千百里(ちもり)氏が、1972年から18年間、歴代7人の首相、田中角栄、三木武夫、福田赳夫、大平正芳、鈴木善幸、中曽根康弘、竹下登氏に献金していたことを証言したのです。


朝日新聞は一面トップでこの問題を伝えた

額はなんと盆暮れに1000万円ずつ。内藤氏は同じ日の報道ステーションでインタビューにも応えています。「正しいことは言うておかないといかん」「原子力発電所は安全と思ったことがないんです」と率直に語られています。

元関電副社長「歴代総理らに年間数億円を献金」
https://www.youtube.com/watch?v=MNZiGqdXDwo

この問題、大平元首相の金庫番だった小国宏氏が認めており、少なくとも大平氏への献金は当事者の証言で裏付けられています。いやその他の7人にも確実に盆暮れに1000万円ずつ届けられていたのでしょう。
内藤氏の発言が本質をついていることにも注目してください。「原子力発電所は安全と思ったことがないんです」、これです。だから巨額のマネーが動いてきたのです。恫喝も状態化していきたのです。それが原子力発電の本質なのです!


報道ステーションより

これはもはや原発にとどまらずこの国のあり方の根本に関わらう問題です。「ウミを出す」というのであれば、ぜひとも歴代首相への献金にさかのぼってウミを出して欲しい。
内藤氏の告発時は残念ながら国の根本を変えるまでには至りませんでしたが、しかしいま私たちはそこまでを射程に入れた問題追究を進めなければなりません。
危険だからこそ巨額のマネーを生む原発など、ただちに終わらせ。さらにそんなあり方を常態化させてきた国のあり方の根幹を変えましょう!


報道ステーションより

10月13日滋賀県守山市でお話します!

この問題も含めて10月13日(日)に滋賀県守山市で講演します。「安定ヨウ素剤を配って!10・13講演と連絡会結成のつどい」です。
この日を持って「安定ヨウ素剤を配ってよ!しが連絡会」が結成されるのですが、そのために講演させていただきます。 「原発からの命の守り方―安定ヨウ素剤ってなあに?」のタイトルでお話します。

詳しくはチラシ、ないしFacebookへの投稿をご覧ください。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10217524729928446&set=a.3300903639751&type=3&theater

続く

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