明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1034)KENJIに(後藤健二さんに感謝を捧げます)

2015年02月03日 14時00分00秒 | 明日に向けて(1001~1100)

守田です(20150203 14:00)

後藤さんを忘れない。その思いを表現したくて認めた詩です。

*****

KENJIに

あなたの歩んだ道は
険しい道だった
あなたはあなたの道のりを
優しい笑みをたたえながら
歩みとおした

道にはたくさんの悲しみが
転がっていて
あなたはそれを
ひとつひとつ
慈しむように手にとり
ほらここに
見過ごしてはならない
事実があるのだと
人々に伝え続けた

あなたはその時
あなたの心の中が
怒りで充ちそうになると
語っていた
充ちそうになるけれども
充ちさせてはいけない
溢れさせてはいけない
手放すのだと語っていた

「目を閉じてじっと我慢する」
「怒ったら、どなったら終わり」
「裁きは神の領域」
「そう教えてくれたのは
 アラブの兄弟たちだった」

何度も
叫びそうになったのだろう
どうしてなのだと
なぜこんなことが起こるのだと
なぜ許されるのだと
悲劇と惨劇が
あまりに続き
かけがえのないたくさんの命が
次々と奪われていく

「つらいものはつらい」
「声に出して
 自分に言い聞かせないと
 やってられない」
あなたはそう呟きながら
なおも歩みとおした

アラブ、アフリカ、アフガン
多くの国々と地域
寒風吹きすさぶ
大地の上を
慟哭のこだまする
街の中を
タル爆弾の破裂直後の
油の匂いがまんえんする
建物の前で
銃を持たされてた
子どもの住まう
村の中で
ああ、救わねば
助けねば
守らねばと
己に問いかけながら


忘れまい
あなたの歩みを
凛々しく歩む姿を
たたえていた笑顔を

あなたは負けなかった
恐ろしさや困難さに
怒りに
心の一番深いところで
暴力に負けず
柔らかいもの
優しいもの
愛しいものを
守り抜きつつ歩みとおした

あなたの努力を
あなたの愛を
人間的な力と平和力を
心の内にとどめおこう

尊い歩みを
私たちの前に
見せてくれたあなたに
私たちに備わる
こんなにも豊かな
可能性を教えてくれたあなたに
心の底からの
感謝を捧げたい

ご苦労さまでした
本当にご苦労さまでした

私たちはあなたに続きます
いつまでもともにあってください

2015年2月3日
守田敏也

*****

2月1日。後藤健二さんが殺害されたというニュースが流れました。
真偽を確かめる術はありませんが、今私たちがなすべきことは彼の歩みを心にとどめることなのだと思います。

彼が心から願っていたのは平和です。すべての命が守られることです。
そのために私たちは戦乱をこの世から無くすための努力を続けましょう。

暴力では現下の問題を解決できません。武器の使用は新たな憎しみの連鎖を生むだけです。
戦乱が拡大し、武器商人が潤うだけです。

戦争を放棄した国に住まうものとして、後藤さんに続き、誇りを持って平和に向けて歩みつづけましょう。
このことを表現したくて詩を認めました。
なおかっこの中に後藤さんがツイッターで綴られた言葉を引用させていただきました。

コメント (2)
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