ノモンハンでの戦闘が始まり
戦局が傾きかけた頃
俺は兵営内の酒保勤務に回され
得難い経験をさせられたものだった。
軍隊の酒保の、
備蓄の食料の管理はずさんなもので
兵隊たちはそれをよく知っていて、
夜半闇にまぎれて
食べ物や酒を盗みにやってくる。
見張り番をしている俺も
それを察知してその都度、
銃剣を突きつけてはみせるが
にやにや笑って大方は
見逃してやったものだった。
そんなことで仲間内では
良い人間関係が出来てもいった。
つまり人の世の中での
賄賂なるものの効用の原理を
悟らされたということだ。
それはその後の俺の人生の歩みの中で、
かなりの効用をもたらしてくれたといえそうだ。
「天才」
石原 慎太郎 著
角さん、戦地の満州で
食料備蓄庫の管理を任せられるとは
なんともすごい...!
普通の者には任せられないはず
管理がすさんなことが知れているのなら、
なお、しっかりとしていて
腕っ節の良さそうな者に任せるのが筋
それとも全くその逆なのだろうか...?
いやそんなことはなかろう
角さんの才覚を見抜いた上での人事
角さんならずさんな管理はしないだろう
とのことだったにちがいない
ところがあにはからんや、
角さん賄賂なるモノを知ってしまい、
世渡り上手に
人脈を作っていったのだからすごい
この満州戦地での経験が
彼の人生にとって大きな影響力
すなわち人間管理、人間統率を
実践で学び自分のものにしていった
角さんの強運と実践経験から
メキメキと人間力をたかめていったのだだろう
なるべくしてなった日本の最高権力者、角さん
その人生はさすがに全てが
無駄のない経験だったような気がする
早起き鳥
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