勝海舟は若い頃、西洋のよい兵書を読みたいと思って、
しきりに探していました。
けれどもその頃舶来の書物は
少なくてなかなか手に入りませんでした。
ある日、本屋でオランダからの
新書の兵書を見つけました。
欲しいと思って価を尋ねると、
五十両ということです。
勝海舟はたいそう貧乏で
とてもそんな大金は払えません。
十日ほど経ってようやくその本を
求めに本屋に行くと
すでに売り切れていました。
がっかりした海舟は買った人の家を訪ね、
その持ち主が寝ている間に
その人の家でその兵書を
書き写させてもらうことにし、
半年もかかって
とうとう八冊の本を写し終わりました。
「人間学４」七田 真著
なんとすごい執念、勝海舟という人の生き様を思い知らされた。
求めた本を探し出し、書き写させてもらうとは、
読んだ以上、きっと頭に入ったことだろう。
今おりしもNHKの大河ドラマ龍馬伝は
勝海舟が輝いている。
読書家武田鉄矢さん演じる勝海舟、
そこまで読書家だったとは…！
それにしても勝海舟が探し出した兵書を買った人がいる。
その人はどんな人なんだろう…？
そしてその本を書き写すという
勝海舟の申し入れを承諾したのだから、
半年もの期間おつきあいをしたその兵書の持ち主も
これまたすごい…！
とはいえ、その本の持ち主を説得した
勝海舟の執念こそ、偉大というべき…！
早起き鳥
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