お兄ちゃんの検査の結果が出た時、
今までの疑問の半分が解き明かされたような安堵感があった。
『そうだったのか』
早く学校へ連絡して休みが明けたらすぐに対応できるように
しようと意気込んでいた。
まずはお兄ちゃんに伝えることが先決だと気がつき
そこで迷いがでた。
どう、伝えれば良いのだろうか。
検査を受けるに当たってお兄ちゃんには詳しく説明しなかった。
ただ『お兄ちゃんは頑張って勉強しているけれどなかなか上手くいかないから
どんな風に勉強をしたら良いかを教えてくれるところへ行こう』と誘った。
普通に暮らしてきたお兄ちゃんに『障害があるかもしれない』とは言えなかった。
お兄ちゃんは夏休みに入っても勉強を頑張っている。
前は額をつき合わせて勉強を見ていた私も今は隣に座っているだけだ。
時々分からないところを一緒に答えを見てお兄ちゃんが分かりやすいように
読んであげていたのも今は自分でゆっくり読んで『こういうことかな』と考えるようになった。
私はただ『うん。そうだね。ちょっと違うね』と応えるだけだ。
午前中は宿題。
夜は通信教育の問題集。
夏休み明けの学力テストを目指して頑張っているのだ。
やれば出来ると思っている。
お兄ちゃんは今やる気に溢れている。
そのお兄ちゃんにどう伝えれば良いのだろうと悩んだ。
『この前のセンターの先生がね、お兄ちゃんは黒板を取ったり、先生の話を聞きながらメモをする事がとても大変そうだって言っていたんだ。
それでお兄ちゃんは怠けているんじゃなくて苦手なんだって。
で、そこの部分を先生に協力してもらうと授業に集中できて
テストの点数もあがるんじゃないだろうかって言うんだよね。
そして一週間に30分でもいいから補習を受けて教えてもらったり、養護の教室で少し勉強をしたらもっと上手くいくんじゃないかって言うんだよね。
先生にこの事を伝えて協力してくれるって言ったらお兄ちゃんは
補習を受けたり、養護の教室にいって勉強してみる?』
『俺は怠けて黒板を書いてないわけじゃないって知ってもらうだけで良い。
補習も。。。受けても良い。
でも養護の教室や俺だけって言うのは。。。。。』
センターの人が息子が怠けて黒板をサボっていた訳じゃないと言って
くれた事はとても嬉しかったようだ。
『そうなんだ!そうなんだ!』と何度も嬉しそうに頷いた。
でも自分だけ特別な扱いは微妙な不安があるのだろう。
私にもある。
このまま先生にセンターの相談員さんの言ったような事を
要求したら
息子にだけ分かるようにメモを書いてもらう。
息子だけ黒板をとらなくても良いようなプリントを用意してもらう
息子だけテストを別室でやって時間を長くしてもらう。
週に何度か補習をしてもらう
一時間に2人先生が来る日を増やして息子についてもらう。
息子だけに時間は掛けられない。
それならいっそ養護クラスへとなるんじゃないだろうか。
そんな不安がよぎる。
息子は特別を望んでいない。
私だけが突っ走ってしまって良いのだろうか。
お兄ちゃん自身が現実を知ることが良い事なのかすら迷っている。
今日も机に必死に向い『自動車整備士になりたい』と語るお兄ちゃんを
みて暗中模索の日々は過ぎていく。
今までの疑問の半分が解き明かされたような安堵感があった。
『そうだったのか』
早く学校へ連絡して休みが明けたらすぐに対応できるように
しようと意気込んでいた。
まずはお兄ちゃんに伝えることが先決だと気がつき
そこで迷いがでた。
どう、伝えれば良いのだろうか。
検査を受けるに当たってお兄ちゃんには詳しく説明しなかった。
ただ『お兄ちゃんは頑張って勉強しているけれどなかなか上手くいかないから
どんな風に勉強をしたら良いかを教えてくれるところへ行こう』と誘った。
普通に暮らしてきたお兄ちゃんに『障害があるかもしれない』とは言えなかった。
お兄ちゃんは夏休みに入っても勉強を頑張っている。
前は額をつき合わせて勉強を見ていた私も今は隣に座っているだけだ。
時々分からないところを一緒に答えを見てお兄ちゃんが分かりやすいように
読んであげていたのも今は自分でゆっくり読んで『こういうことかな』と考えるようになった。
私はただ『うん。そうだね。ちょっと違うね』と応えるだけだ。
午前中は宿題。
夜は通信教育の問題集。
夏休み明けの学力テストを目指して頑張っているのだ。
やれば出来ると思っている。
お兄ちゃんは今やる気に溢れている。
そのお兄ちゃんにどう伝えれば良いのだろうと悩んだ。
『この前のセンターの先生がね、お兄ちゃんは黒板を取ったり、先生の話を聞きながらメモをする事がとても大変そうだって言っていたんだ。
それでお兄ちゃんは怠けているんじゃなくて苦手なんだって。
で、そこの部分を先生に協力してもらうと授業に集中できて
テストの点数もあがるんじゃないだろうかって言うんだよね。
そして一週間に30分でもいいから補習を受けて教えてもらったり、養護の教室で少し勉強をしたらもっと上手くいくんじゃないかって言うんだよね。
先生にこの事を伝えて協力してくれるって言ったらお兄ちゃんは
補習を受けたり、養護の教室にいって勉強してみる?』
『俺は怠けて黒板を書いてないわけじゃないって知ってもらうだけで良い。
補習も。。。受けても良い。
でも養護の教室や俺だけって言うのは。。。。。』
センターの人が息子が怠けて黒板をサボっていた訳じゃないと言って
くれた事はとても嬉しかったようだ。
『そうなんだ!そうなんだ!』と何度も嬉しそうに頷いた。
でも自分だけ特別な扱いは微妙な不安があるのだろう。
私にもある。
このまま先生にセンターの相談員さんの言ったような事を
要求したら
息子にだけ分かるようにメモを書いてもらう。
息子だけ黒板をとらなくても良いようなプリントを用意してもらう
息子だけテストを別室でやって時間を長くしてもらう。
週に何度か補習をしてもらう
一時間に2人先生が来る日を増やして息子についてもらう。
息子だけに時間は掛けられない。
それならいっそ養護クラスへとなるんじゃないだろうか。
そんな不安がよぎる。
息子は特別を望んでいない。
私だけが突っ走ってしまって良いのだろうか。
お兄ちゃん自身が現実を知ることが良い事なのかすら迷っている。
今日も机に必死に向い『自動車整備士になりたい』と語るお兄ちゃんを
みて暗中模索の日々は過ぎていく。