トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

秘密

2006-11-19 21:39:00 | 元夫婦
夫がタバコを吸っている部屋に荷物を取りに行くと、ドアを開けた途端
夫が慌ててメモ用紙を隠す。
慌てて携帯を閉じて「なに?」と聞いてくることもある

講習から帰ってきてドアを開けるとパソコンの前に座っていた夫が
メモをポケットに隠すように押し込んでいた事もある

その時はさすがに不信感に負けて履歴を見てみたけど
競馬の情報サイトの登録画面だった

こんな風に夫が明らかに何かを隠そうとする姿を見ても
前のように探ってやろうとか暴いてやろうという気が起きない

見つけてどうなる。
知ってどうなると真っ先に頭に浮かぶのだ

興味がなくなったというほど潔いものではない
ただいつまでもそこに拘らなくなっただけなのかもしれない

夫は私には何も聞かない
「今日は何していたの?」とか「今日は何処に行っていたの?」とか聞かれた事がない

講習を受けるようになって最初に払う金額だけは夫に報告したけれど
夫はその事を咎めたりしなかった
その後私が問題集を買ったこともこれから受ける模擬にお金がかかる事も
夫は聞かないだろうし、知ろうともしないだろう

いつも私に「じゃあ。今日も頑張ってね」と言うだけ。
私のする事を否定もしないし私の事を知ろうとも思わないらしい
私が不倫しても夫は気がつかないかもしれない

それは夫が自分に手一杯だからなのか、それ以上に私に秘密があるからなのか分からない

今日は夫の誕生日だった
プレゼントを渡して子供達といつものように乾杯してお祝いした

夫とも久しぶりに話をして楽しく夕食をする事ができた

片付けをしているといつものように夫がタバコの部屋へ入っていく
用事があって覗けばまたメモをそっと隠す姿の夫がいた

いったい何をそんなにコソコソ隠す事があるのだろうとちょっと気分が悪くなった
たとえば女?とか。たとえばテレクラ?とか?
それとも馬券情報とか?

そんな事をちょっと考えたけど、どうでも良いやと思ってしまった
それで何かが起こったとしてもそれは夫の問題だから。
私は私の事をしよう、その問題が大きければ自ずと白日の下にさらされるのだから

その時に慌てない為に私は自分の事をしようと思った
見ないことを選ぶという事はその結果が起こることも覚悟すると言う事

今ある事実を刻んでいこうと思った
「夫はメモを隠した。それがなんのメモかは分からない」

今、夫はテレビを見ている
穏やかな顔をして寝そべって娘と笑いながら娘の好きなアニメを観てる。。。

それもまた事実。

家族とはなんだろう
この四角い箱の中でお互いがお互いを知らずに秘密を隠しながら共に片寄せあって生きる

知ろうとし過ぎればお互いを食い尽くしてしまう
知らずにお互いの秘密の責任を持ちながら生きていく

家族は支えあうもの。
隠し事もなくなんでも分け合って生きていくもの

夫婦は何でも知っているもの
そんな風に思っていた

でも今はお互いがお互いの秘密を言わない
探ったり、詮索したりもしない
それが家族なのか。

これで良いのか?と自問自答を繰り返す
境界線を守るとはこういう事なのかと考える
なんて寂しいんだと感じた。

今日も聞いてくれてありがとう