トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

覚悟

2006-07-28 21:35:07 | 共依存症
大分気分が落ち着いて自分を見つめられるようになってきました

あの発覚から私は次のトラブルに向けて準備を始めた筈だった
夫名義の貯金から自分名義に変え、離婚の話し合いから折半した退職金を
子供名義に変えた

仕事探しはなかなか思うように捗らないかったけれど次のステップのための準備も考え初めていた

財布や家の大事な物は全て日替わりで入れる所を変えて盗まれないようにした

そこまでしていても私には覚悟が出来ていなかったのだ

夫の任意整理も順調に進み、夫は人が変わったように穏やかになった
仕事探しもなかなか進まないけれど我が家には笑いが溢れていた

今まで夫の目を直視する事ができなかった
それは夫の目の中の映る嘘の数々を私が見抜いてしまうからだ

これ以上傷つきたくないという想いから私はいつしか夫の顔を見ないで話すようになっていた

でもそんな夫の顔も見られるようになった
夫を信用したわけじゃないと思いながらも
どこかでいつものお気楽、極楽で
「もう大丈夫。準備は怠らないけれど、これは無用の準備になるはず」と高を括っていたのだ

覚悟が出来ていなかった
その一言に尽きる
考えが甘かったのだ

もし覚悟が出来ていたなら「質屋?そんな手もあったのか!」と驚きもしなかったに違いない

今度こそもし何かあったら夫に黙って出て行こう
そう決めていた
質屋の告白を受けて私は以前に書いた離婚届を箪笥からだした

でもそれを夫の下へ持って行く事が出来なかった
心の中では「別れるって言え!ちっこ!もう駄目だと言え!」と叫んでいた

でも喉に石が詰まったように声にならなかったのだ
夫に別れを告げられなかったその自分の心の有り様こそが私を打ちのめした

なぜ夫に別れを告げられないのだろうか
絶対今度こそと決心していたのに・・・
なぜだ?!
頭の中にグルグルと渦巻いて混乱していった

ふと心に浮かんだ言葉は「好きなんだ。離れたくない」だった
ずっと14番目だと思っていた夫は私の中で1番になっていた(14番目に好きな人に書いてある)
その事実にまた打ちのめされてしまった

結婚してから16年間夫とは本当にいろんな事があった
夫の借金で心が潰されるほど傷ついた事もあった

でも不妊で苦しむ私を救ったのは夫だった
舅のアルコール依存症と戦えたのも夫が支えてくれたから
姑が帰ってしまって鬱状態になった私をつまらない冗談で笑わせ続けてくれたのも
夫だった

子供の頃から自分の居場所を探し続けてきた
実家にいる時も姉と暮らした時も私はいつも落ち着かず此処ではないどこかを探し続けた
「自分の居場所がきっとある。」そう思ってきた

私はこの家族が好きだ
私は夫が好きなのだ
此処が私の居場所だった
やっと見つけた場所なのだ

今まで私は黒か白かしかなかった
小さい頃から夢に見ていた家族
一点の曇りもない家族
そして一点の曇りのない自分

それを作るために必死になっていたように思う
夫は真面目で優しくて子煩悩
子供は素直で明るくて優しい子
そんな家族に囲まれて暮らす私

そこに少しでもシミが付くと堪らなく自分が汚された気がして
必要以上にそのシミの原因を潰そうとしていたんだと思う

借金も本人の自覚がない限り病院へも行かないし、もしこれから仕事が見つかって
何か困った事があったらまた借金をする事もあるかもしれない

でも私に何ができるだろう
私には夫に自分の気持ちを伝える他成す術はないのだ

じゃあ私には何ができるだろう
私が今この家族と離れたくないと思っている以上私の口から別れの言葉は出ない
今の私では無理なのだ

だからといって全てが駄目になってしまったのか
夫の全てが否定されてしまうのか

夫がもし借金依存症だとしても今は子供にも被害が及んでいない
子供に及ぶ事があったならきっと私は迷わないだろう

その為に私自身もその覚悟の準備が必要なのだ
何でもすぐ結果が欲しいと思うのも共依存症の特徴らしい

すぐ自立した自分を手に入れたいと思っても無理なのだ
私自身が時間を掛けて自分が成長するのを待つ事も大切なのだと思う

その為にはいろんな事をしなければいけないんだと感じる
まだやり始めたばかりじゃないか

私は「夫の為に」を止めて「自分の為に」生き始めたばかりなのだ
だから私は決断できなかった自分をもう許してあげようと思う

自分の為にやる事が山積みだ
ひとつづつゆっくり進まなきゃ

励ましのコメントをくれた皆さん本当にありがとう