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2012年の聖ピオ十世会総会宣言の日本語訳をご紹介します

2012年07月20日 | 聖ピオ十世会関連のニュースなど
アヴェ・マリア!

愛する兄弟姉妹の皆様、

 2012年の聖ピオ十世会総会宣言を日本語に訳して下さった方がおられます。訳者の方に心から感謝しつつ、愛する兄弟姉妹の皆様にご紹介します。

天主様の祝福が豊かにありますように!

トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)


Society of St. Pius X General Chapter Statement
聖ピオ十世会総会宣言



原文はこちら
http://www.dici.org/en/news/society-of-st-pius-x-general-chapter-statement/

 二〇一二年七月十四日、聖ピオ十世会本部の公式発表において告知されたように、総会構成員はローマに共同声明を送付した。声明は本日[七月十九日]公表された。
 七月十六日、DICIで公表されたインタビュー中で、ベルナール・フェレー司教は、この文書は「兄弟会の身分の不変性を強く主張している(聖ピオ十世会の)指針、キリスト教世界を復興させるため、教会を助けるための効果的な唯一の手段、それを明確にするための機会」であると述べた。「というのは、教義上の問題に口を閉ざしていることは、二〇〇三年にすでにヨハネ・パウロ二世でさえ非難した、この『沈黙の背教』への回答にはならないからです」と司教は言っている。

*****

 聖ピオ十世会総会の終わりにあたり、尊敬すべき創立者マルセル・ルフェーブル大司教の墓に集結し、総会参加者各位、司教各位、管区長各位、兄弟会の最年長者各位は、総長と一致して、心からの感謝の思いを天に向かって挙げ、危機的状況にある公教会と、日に日に天主とその掟から遠ざかる一方の世間のただ中で、四十二年間に亘る我々の事業への天主の驚嘆すべき保護に感謝する。

 我々は兄弟会の全会員一人一人に、すなわち司祭各位、修道士各位、修道女各位、第三会会員各位、我々と密接な各修道会、そして親愛なる平信者各位にも、率直な意見交換と有意義な共同作業を特徴づけた今回の総会に際しての、絶えざる献身と熱心な祈りに感謝の意を表したい。寛大さをもって甘受されたすべての犠牲と苦しみは、ここ数ヶ月間に兄弟会が遭遇した数々の困難を克服するための助けとなった。我々は本来の使命における深い一致の絆を回復した。私たちの使命とは、すなわち、カトリック信仰の保存と擁護、善き司祭の養成、キリスト教世界の復興への努力である。我々は、将来あり得る教会法的正常化のための必要条件を決定し承認した。つまり、その場合、審議投票をする特別総会をその前に招集する、と決断した。

 霊魂の聖化は常に我々の内から始まるものであるということを、我々は必ず記憶すべきである。これこそ、愛徳のわざによって活気づけられもたらされる信仰の実りである。聖パウロの言葉によれば「私たちは真理に反してはなんの力ももっていないが、真理のためには力を持っている」(コリント後、十三章八節参照)また「キリストが教会を愛し、そのために命を与えられたように……そのようにして汚点(しみ)のない、聖なる者とされるべきである」(エフェゾ五章二十五節参照)

 総会は以下のことを信じる。すなわち、聖ピオ十世会の最重要義務は、教会に提供しようと意図する奉仕において、カトリック信仰を、現代においてまさに圧迫されているカトリック信仰を、これに対する止むことのない攻撃の苛烈さに対抗するという決心とともに、天主のおん助けをもって、純粋かつ完全な形で告白し続けることである。

 だからこそ、 ローマ・カトリック教会、我らの主イエズス・キリストが創設した唯一の教会、その外には救霊も救霊に導くいかなる手段も見いだせない教会における我々の信仰を再確認することは適切であると思われる。すなわち、教会が我らの主ご自身がそれを望んだ君主制的組織であること、このことにより地上におけるキリストの代理者たる教皇のみが、普遍的教会を統治する至高権力を持つという信仰、また、自然的及び超自然的秩序双方の創造主、全人類と社会全体が服従すべきお方、我らの主イエズス・キリストの宇宙的王権における我々の信仰を、である。

 兄弟会は、誤謬に汚染されたままに留まる第二ヴァチカン公会議のあらゆる新規なことに関し、また公会議より発布された改革に関し、教会の不変の教導職の教えと宣言を支持し続ける。我々は、連綿と受け継がれたこの教導権のうちに確実な指針を見いだす。まさに、この教導権こそが、その教導の権威によって、全教会がいつもどこでも告白し続けてきた真理に完全に一致して、啓示された信仰の遺産を伝えている。

 兄弟会は、教会当局が聖伝への回帰することを許すような開かれた真面目な討論が可能となる来る日を待ちながら、教会の常なる聖伝のうちに、聖ピオ十世会の指針をも見いだす。聖伝は、時の終わりまで信仰の保存と霊魂の救いのために要求される教えを伝達し、これからも伝達するからだ。

 我々は世界中のさまざまな国々で、現在、カトリック信仰のために苦しみを受け、殉教までにさえ及ぶ迫害を受けているキリスト教徒たちに結ばれることを望む。祭壇の主の犠牲に一致して流された彼らの血は、教会の頭とその成員たちのまことの刷新のための保証である。古くからの格言によれば「殉教者の血はキリスト信者の種」だからだ。

「最後に、我らは童貞マリアに、天主なるおん子の特権を、おん子の栄光を、天におけると同じく、地上におけるおん子の王国の特権をも注意深く守り給う童貞マリアに目を注ぐ。聖主の王国の敵どもに対するキリスト教世界の防衛のため、武装防衛のためにすら、なんと頻繁に聖母は介入してくださることか! 私たちは今日、外部からの敵よりも、さらに徹底的に教会を滅ぼそうとする教会の内部の敵どもを追い払ってくださるため、聖母に介入してくださるよう懇願する。聖母が離教と異端から私たちを遠ざけ、保護してくださるため、信仰の完全性のうちに、教会への愛のうちに、ペトロの後継者への忠誠のうちに、聖ピオ十世会の全会員たち、兄弟会とともに働くすべての司祭、信者たちを聖母がお守りくださいますように」

「願わくは、大天使聖ミカエルが、天主の栄光のための熱心と、悪魔と戦うための強さを我らに起こしてくださいますように」

「聖ピオ十世が、この混乱と虚偽の時代において、悪から善を、偽りから真理を識別するため、その知恵、知識、聖性の一部を分け与えてくださいますように」(マルセル・ルフェーブル大司教、アルバノ、一九八三年十月十九日)

主の年なる二〇一二年七月十四日、エコンにて

【注:最後の三つの段落は、ルフェーブル大司教様が1983年10月19日にローマのアルバノで書いた A Public Statement on the Occasion of the Episcopal Consecration of Several Priests of the Society of St. Pius X の最後の部分から取られています。】


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7 コメント

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Unknown (Maria Mater tua est!)
2012-07-20 20:26:36
今回の合意交渉劇発覚辺りから気づいたDICIの偏向報道

 小野田神父様、よろしければコメントさせて下さい。今回の総長様のインタビューと総会宣言を翻訳して下さった方には感謝いたします。ただ報道された内容には賛否両論あるようです。ある方は「上に行けば上に行くほど、自分の間違いを認める勇気を失ってしまう」と心の内を教えてくれました。この総会宣言を読んで「ああ一安心」と感じるのは、些か時期尚早というより、事態を把握していない証拠だと思います。次回の合意交渉への可能性を伺わせる部分があります。司祭会の約75%は、第二バチカン公会議を、一部を除いて、受け入れてもいいと考えているそうですね。これは創立者の考えとは違います。ローマが再度、合意条件を改善して来るなら、ローマの回心を待たず、それに応じるのでしょうか?
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Unknown (Maria Mater tua est!)
2012-07-20 20:26:53
今回、司祭会同僚たちへの相談と合意なしに教義前文にはサインしないと約束されていた総長様が、何時の間にかそれにサインされていたというこの事実は、多くの司祭会会員及び賛同者たちにとって理解に苦しむポイントだと思います。さらに今回SSPX内部で起きてしまった内乱や一部の司祭の追放などの原因をお作りになった張本人が、今になって合意に反対していた方々の主張を、予ねてから御自身がお持ちであった主張でもあるかの様に、「宣言文」として発表し、また「分裂を作り出し、物事を有利な方向に運ぼうとした者たちからは離れる」と断言するこの意味不明さは一体どういう意向から来るのでしょうか? 近頃DICIの報道には疑問を感じています。
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Unknown (Maria Mater tua est!)
2012-07-20 20:27:10
ところでDICIの時事ネタにからむ報道は以前から一般のメディアと変わらないところがあります。先ず、シリアに於ける虐殺が、全て、シリア軍の仕業として報道しているようですが、これはやや中立さに欠いています。聖伝信徒でさえ、インターネットの記事には騙されてはいけないと発言しつつも、その実自分が騙されている事も、私も含めますが、多々あります。今回、このシリアでの虐殺を少し中立的な立場から検証する事を提案する為にあるサイトを紹介させて頂きます:
http://syrianfreepress.wordpress.com/2012/06/02/syrian-video-news-witnesses-to-al-houla-massacre-2-june-2012-eng/
http://syrianfreepress.wordpress.com/2012/06/10/siria-intercettata-telefonata-tra-terroristi-syria-intercepted-telephone-call-between-terrorist/
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Unknown (Maria Mater tua est!)
2012-07-20 20:27:27
 一つ目の記事(ビデオ)では、アルホラでの虐殺の目撃者は、シリア軍以外の他の地方から来た人間(おそらく傭兵)だと証言しています。二つ目の記事にアップされたビデオの中で、英文ですが、虐殺グループのメンバーがシリア自由軍副指揮官に連絡を求めています。虐殺の首謀者と報道されているシリア軍に連絡を求めているのではないところに注目してください。DICIが報ずる時事ネタは、時に国連を正義の使者でもあるかのように宣伝する一般メディアと何も変わりません。
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Unknown (Maria Mater tua est!)
2012-07-20 20:27:52
ところで国連とは如何なる組織なのでしょうか?聖主イエズス・キリストとその教会の友なのでしょうか?またこの国際的機関が目指している「新世界秩序」とは一体何でしょうか?それは「未だ世界政府ではないが、そうなりつつある国際機構であり . . . 根本的に私達の聖主イエズス・キリストの君臨に逆らうもの(マルセル・ルフェーブル伝、第18章“オストポリティック‐対東欧政策‐ とキリストの君臨”)」ではないのでしょうか?世界政府とは世界共産革命国家、つまりトロツキスト国家ではありませんか?それから何故、ベネディクト十六世は、「聖主イエズス・キリストの君臨」ではなく、「道徳的正義と経済交流とを基盤にした『新世界秩序』」の構築を奨励するのでしょうか?:
http://www.youtube.com/watch?v=eAbhRxmA46I
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Unknown (Maria Mater tua est!)
2012-07-20 20:28:29
最後に、今回SSPXで起きた合意交渉と内部分裂の深奥には、ルフェーブル大司教様が最後まで決断を控えられたある事柄が一つの原因としてあると思っています。この決断が為されていたならば、国連の友なる現在の反シラブス的カトリック教会の真の姿は明確になっていたと思います。「目下が目上を作り上げるのではない」と言いながら、目上であるローマ当局に条件を突きつけながら、教義の改善を迫っている、先日私が擁護させて頂いた、SSPXの立場が時々理解出来ません。小野田神父様、以上は全て自問ですので、どうか回答の為に貴重な時間を無駄にしないで下さい。
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Unknown (Maria Mater tua est!)
2012-07-21 16:18:52
 うろ覚えでコメントしてしまいました。訂正させて下さい:

①司祭会の約75%は、第二バチカン公会議を、一部を除いて、受け入れてもいいと考えているそうですね→

「司祭会は、第二バチカン公会議の95%を受け入れている」と総長様は“数年前に”発言されているそうですね。

*75%はウィリアムソン司教様による公会議評価でした。ただし、25%を修正すれば受け入れられるものだとは考えておられません。「第二バチカン公会議は削除するのが望ましい」というのがウィリアムソン司教様、ティスィエ司教様、そして司祭会創立者のお考えです。

大変失礼致しました。

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