Credidimus Caritati 私たちは天主の愛を信じた

2024年から贖いの業の2000周年(33 - 2033)のノベナの年(2024-2033)が始まります

マリア様は私たちの永遠の命の救いを望んでおられます。悪魔の奴隷状態から私たちが解放されるように望んでおられます。

2021年09月29日 | お説教・霊的講話

2021年9月24日(金)九月の四季の斎日 金曜日のミサ
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父 説教(大阪)

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。

今日は九月の四季の斎日の金曜日と同時に、マリア様の記念日でもあります。贖虜のマリア様、メルセデスの聖母です。このマリア様の話を少し黙想致しましょう。

スペインはその当時、イスラム教徒によって大部分が占領されていました。イスラム教徒のもとにあったカトリック信者たちは、「信仰を捨てるか、あるいは殺されるか」等の脅迫を受けていました。そこで残念ながら、中には信仰を捨てて、命を選ぶという人たちもいました。

そんな時に、マリア様は二人の聖人を選んで、このような霊魂たちの永遠の救いの為に、修道会を創る事をお望みになっている、という事を知らせました。

その内の一人は、ペトロ・ノラスコで、マリア様からの特別の啓示を受けて、「御子イエズス・キリストとマリア様の御心にとって、イスラム教の奴隷となってしまっている信者たちの、カトリック信者の解放を望んでいる、その為に働く修道会が設立される事を望んでいる」と仰いました。

ペトロ・ノラスコはその時、聖レイモンド・デ・ピナフォールという聴罪司祭を持っていました。彼に相談に行きました、「このような啓示を受けた。」実は、全く同じ時に、全く同じ内容を、聖レイモンド・デ・ピナフォールも知らされていました。実はマリア様が、同じ事を望んでいるという事を彼にも教えた、と。そしてこの二人の聖人は、「確かにこれは、マリア様がお望みだ」という事が分かりました。

実はマリア様は同時に、その当時の王であったヤコボに同じ事をお願いしたのでした、「スペインの王が是非、この修道会を立てる事を王の権威によって認めるように。」そして1218年8月10日に、王ヤコボ・ハインは、このメルセデスの聖母の修道会の創立を、王の勅令によって認可しました。

この修道会は3つの従順・貞潔・清貧の誓願の他に、第4の誓願として、「イスラム教徒の奴隷の解放の為に働く」ということがありました。奴隷の解放の為には身代金を支払うのですが、普通は献金を集めたり、あるいは何か修道会の農作物などの利益を支払って解放されます。しかし、もしもその為に必要であれば、その身代金が手に入るまで、修道士がそのカトリック信者に代わってその仕事を、彼の代わりに奴隷となる、その保証になる、その人質に取られるという事を含んでいました。

そしてこの修道会は、マリア様の祝福によって、多くのカトリック信者をイスラムの手から解放しました。そして永遠の命の危険から救いました。

マリア様は今でも、私たちの永遠の命の救いを望んでおられます。そして今でも、悪魔の奴隷状態から私たちが解放されるように望んでおられます。私たちはその為に多くの事をする事ができます。メルセデスのマリア様の修道者がやっていたような事を、私たちも霊的にする事ができます。

今日その福音では、有名な非常に美しい福音の一コマが、歴史の一コマが読まれました。
悪魔の支配下から抜け出すには、痛悔が必要です。そしてその「愛」の身代金が必要です。その愛を捧げる事が、愛の黄金を支払う事が必要です。この罪の女、今日の福音の女性はそれをしました。涙を流して、そして主の御足に香油を塗って、痛悔の心を示して、それを示しました。

近くに隣にいたファリザイ人は、ただ人を裁いただけでした。外面を見て、「この女は何をしているのか。この人はおかしいんじゃないか。これがどんな人か知っているはずだ。」心は非常に冷たく、そして外面しか、そして人を蔑む事だけを考えていました。

私たちは是非、今日このメルセデスのマリア様に、この痛悔女聖マグダラのマリアに倣う恵みを乞い求めましょう。そして自分のみならず、愛の捧げものを以って、イエズスの様の至聖なる聖心とマリア様の汚れなき御心の無限の功徳によって、憐れな罪人の回心をぜひ乞い求めましょう。

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。



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