Credidimus Caritati 私たちは天主の愛を信じた

2024年から贖いの業の2000周年(33 - 2033)のノベナの年(2024-2033)が始まります

私たちは罪の鎖に縛られていた。聖母が助けてくれた。カトリック教会こそが、私たちを霊的な子供として養ってくれる孤児院だ。私たちが天国を相続する為に。

2019年08月20日 | お説教・霊的講話
2019年7月20日(土)証聖者聖ヒエロニモ・エミリアノのミサ
聖ピオ十世会司祭 小野田神父 説教


聖母の汚れなき御心聖堂にようこそ。
今日は2019年7月20日、エミリアノの聖ヒエロニモのミサをしています。

今日はこのミサの後に、日本と世界の平和を祈って、また多くの聖なる司祭が与えられますように、日本で聖ピオ十世会の修道院が、1日も早くできますように、特別な短い御聖体降福式を行ないたいと思います。
特にマリア様の汚れなき御心に、これを捧げたいと思っています。

この前7月13日と14日に国際シンポジウムがあって、フランス革命についてのお話が、専門の方々のお話がありました。日本からの教授や、フランスの教授、あるいはアメリカからの代表者の教授、アメリカの教授などが、色々な非常に有益な中身の濃い話をして下さいました。

シンポジウムの内では、私も知らなかった、そしておそらくあまり誰もよく知られていない、日本ではよく知られていないような内容を、マリオン・シゴー(Marion Sigaut)さんいう女性作家で歴史家がお話して下さったのが非常に良い内容でした。

聖体降福式の後、非常に短いものですが、これを皆さんにお話したいなぁと思っております。お昼の前、皆さんがお帰りにならない前に、少し時間を下さればと思います。


聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。

愛する兄弟の皆さん、今日はエミリアノの聖ヒエロニモの祝日です。

では、このエミリアノの聖ヒエロニモという方がどういう人だったのか?どういう聖人だったのか?という事を少し垣間見て、では現代2019年に生きる私たち、日本に生きる私たちに一体どういう意味があるのか?何を教えているのか?その現代的な意味は何か?という事を黙想したいと思っています。

今日、そのエミリアノの聖ヒエロニモの精神を私たちが頂く事ができれば、その精神で帰路に着く事ができればと思っています。

エミリアノの聖ヒエロニモは、イタリアのベネチアという所で生まれて、エミリアノ家の、イタリアで最も高貴な家庭で生まれました。パトリシアという特別の地位があって、貴族の高貴な家系の出です。イタリア、特にベネチアでは莫大な財産を持っていて、政治にも軍事にも非常に大きな力のある家系の生まれです。

若い頃から軍隊に入り、特にカステルノーヴォというお城を守る為に責任者となって戦いました。敵と戦いました。このカステルノーヴォというのは、トレヴィーゾと言う山の所にあります。

ところが、優秀な軍隊を率いていたにも関わらず、敵がこの城壁を陥落させてしまって、そしてヒエロニモ自身も敵の手に捕まり、投獄されます。

足にも鎖、手も鉄の手錠をはめられて、そして非常に惨めな、恐ろしい牢獄で、時を過ごさなければなりませんでした。

ヒエロニモは最早、たとえどんなに高貴な生まれであったとしても、その牢獄の中で、人間の救いは一切ありませんでした。たった一人ぼっちで、味方からもいかなる助けもなく、何をしたでしょうか?

ヒエロニモは、マリア様にお祈りしました。マリア様は、聖ヒエロニモの祈りを聞き入れてくれました。マリア様がある日ヒエロニモに現れて、「さぁ、行きなさい。」牢獄を開けて、そして敵のど真ん中を逃げるように、そしてトレヴィーゾの町まで、マリア様の助けで、敵の間をくぐって、城壁、全ての道という道は敵が占拠していたのですけれども、それをくぐって、無事に、何の傷もなく、何の戦いもなく、するりするり、さらりさらりと、逃げ出す事ができました、命を救う事ができました、九死に一生を得ました。

そこでその町に入ると、すぐにマリア様の教会に行って、マリア様の祭壇に、自分の繋がれていた手錠や足枷や鎖を、マリア様に奉献しました、「今後一切、マリア様のしもべとして、天主のしもべとして、一生を使う。このまま自分は死んでしまうところだったのにも関わらず、マリア様は助けて下さった。この御恩を一生を以て返す。自分の生涯、残る一生はマリア様のものだ。天主の奉仕の為に捧げる」と決心しました。

そして彼はベネチアに戻り、もちろんベネチアには莫大な財産を持った自分のお城や豪邸がありますが、それを全て天主の奉仕の為に使います。

貧しい人、特に捨てられた子供たち、孤児、もうあまりにも哀れで、かわいそうで、助けもない、捨てられた、見放された子供たちを引き取り、それらを養い、子供たちの為の家を借りて、彼らを養います。

そしてベネチアのみならず、ベネチアでは特に福者ガイェターノや、あるいは後に教皇パウロ4世となるペトロ・カラッファという人たちと会い、そしてそのペトロ・カラッファが後に教皇パウロ4世となって、このヒエロニモの作っていた孤児院を、新しいその共同体として認可する事になります。

ヒエロニモは孤児院の子供たちを洗ったり、服を着せたり、養ったり、司祭ではなかったのですけれども、平信徒でした、献身的に奉仕しました。

病院に病気の人を連れて行ったり、あるいは頭のおかしな狂ったような、頭の病気の子供にも世話をしたり、あるいはその愛徳と謙遜の態度は、多くの人々の共感を生み、次にブレシア、あるいはベルガモ、あるいはコモといった所にも孤児院を建てる事になりました。

特にベルガモでは献身精力的に働いて、そしてそのベルガモの所にあったソマスカという所に大きな施設を建てました。聖ピオ5世はこのヒエロニモの働きを見て、この孤児院やあるいはその病院の、その働いている彼らを、修道会として認可します。聖ヒエロニモは全ての人の為に、全てとなりました。隣人の為に全てを尽くしました。自分の事はすっかり忘れていました。

そして自分の為にはどうしていたかというと、貴族の大富豪の生まれだったにも関わらず、ベルガモのソマスカの山のてっぺんにある小さな小屋を見つけて、その中で過ごし、貧しい物を食べ、そしてお祈りをして、体に鞭を打って、断食をし、何日も断食をして、あるいは昼間は働いていたので夜、長いお祈りをしたり、睡眠もほとんどなかったのですけれども、裸の石の上に体を休ませて、それで寝たり、自分の罪と多くの人々の罪の為に、罪の償いの生活をしていました。

この聖ヒエロニモの住んでいた小屋の洞窟からは、水が湧き出して、今でも流れています。この水によって多くの人が、病が癒された、癒され続けている、という奇跡が起こっています。

遂に1537年、その地方でペストが伝染病が流行りました。もちろんヒエロニモはその伝染病の人々を助けて、癒して、そして看病して、そして伝染病で亡くなった人を担いで墓に葬る、その際に、ペストにかかって、病で亡くなります。

聖ヒエロニモが生きていた間にも、あるいは死んだ後にも、多くの、数多くの奇跡が起こりました。57年の人生の間、ヒエロニモは回心して、身寄りのない、特に身寄りのない子供たちの為に一生を費やして、そして天国に霊魂を返しました、天の聖父に霊魂を返しました。

一体これは私たちに、何を言っているでしょうか?

聖ヒエロニモは、確かに、私たちにも「もしも身寄りのない子供たちがいたら、あるいは親から捨てられるような子供たちがいたら、彼らに対して父親となり、母親となり、友となり、兄弟となり、助けるように」という模範を示しています。

それだけではありません。聖ヒエロニモはもっと、肉体的にというよりは、もっと深いところを理解しました。

「実は私たちは、天主の子供だ。しかし残念ながら、敵に負けて、悪魔の手に落ちて、悪魔によって罪の鎖に縛られて、手錠をはめられ、足枷をはめられて、牢獄のような罪と悪徳との間に縛られている。私たちはマリア様によってそれが助けられた。マリア様によって解放されて、そして天主の子供として養子相続された。カトリック教会こそが私たちの、私たちを養ってくれる、霊的に養ってくれる、霊的な子供として養ってくれる孤児院だ。」

「私たちは、聖ヒエロニモのように働く司祭や、教会の奉仕を受けて霊的に養われている。しかし多くの人たちが、自分の本当のお母様マリア様、本当のお父さん天主の聖父三位一体の事を知らない。まだ悪魔の、罪の暗闇の中、牢獄の中にいる。何とかして彼らを早く、天主の聖父の家の中に連れて行くように、私たちの優しい孤児院、私たちを養い育てて、そして本当の子供として育てて、天国に行く準備をしてくれるこの施設、教会まで連れて行かなければならない。」聖ヒエロニモは私たちにこう教えています。

「単なる物質的な孤児ではなく、霊的な孤児たちの為に、霊的な本当のお父さんお母さんを知らなくて探しているこの人たちの為に、本当のお父さんお母さんの元に連れて行ってあげる。そして霊的に養ってあげる。本当の事を教えてあげる。私たちは実は、天主の子供となる為に生まれてきたのだ。天国の家を相続する為に生まれてきたのだ。」これを教えています。

聖ヒエロニモ、私たち現代の日本には、イエズス様の事を知らない、マリア様の事を知らない、孤児のような人々がたくさんいらっしゃいます。ですから聖ヒエロニモとマリア様の御助けによって、私たちが彼らの為に祈り、何とか本当のお父さん、天の聖父を知る事ができますように、彼らが行くべきは、最高存在とか、あるいは理性の女神とか、あるいは宇宙の建築家、ではなく、「聖父なる天主、イエズス・キリスト」であります。

どうぞマリア様が私たちを助けて下さるように、お祈り致しましょう。

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。



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