モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

クリスマスローズの原種 ヘレボルス・ニゲルの花

2009-04-30 08:26:08 | その他のハーブ
(写真)クリスマスローズ、H.ニゲルの花


昨年末に手に入れたクリスマスローズの原種の一つ、ヘレボレス・ニゲル。
白色にピンクが部分的にかぶっていて、時間とともにこの色合いがましていくという。
葉は、濃い緑色でクリスマスローズの中でも特色があり美しい。

クリスマスの頃に美しい白の花を咲かせるので、“クリスマスローズ”と呼ばれている。しかしこのクリスマスの日は、古いユリウス暦のカレンダーであり、現在のグレゴリオ暦では1月6日になるという。

タネから育てると2年後からしか花が咲かないので、来年のクリスマス頃に期待しよう。
と思っていたら、4月の中旬からつぼみらしきものが出始めてきた。
こんな暖かい時期に開花するなんて、H.ニゲルにとって異常事態かもわからないが、諦めていたのに願いが叶うなんてうれしいことだ。

“と思っていた”が、違うこともわかった。

H.ニゲルの原産地は中部ヨーロッパの高地であり、基本的にはアルペン植物(alpine plant)つまり高山植物と同じ性質を持っているという。だから、高山でないところでは11月から6月の間に開花する可能性を秘めているという。

ある一定期間の“夜の長さ”或いは“温度の変化”をキャッチして花芽をつけるので、冬場に室内に取り込んでいたのがかえって開花を遅らせることになったのかもわからない。
「過保護は道を誤らせる」ということは人間だけでなくニゲルにもおきたようだ。

(写真) クリスマスローズ、H.ニゲルの立ち姿


H.ニゲルの逸話
このH.ニゲルはキリストの生誕日頃に咲くのでキリスト教徒では祝福された花でもあるが、古代ギリシャ時代には、悪魔よけの魔力がある植物と思われていた。
根には薬効があったので、これらのハーブを採取する薬剤師的な草根採取人“リゾトモス(rhizotomos)”は、ニゲルを採取する前に剣でこの植物の周りに円を描き、医学の神アポロンに祈りをささげる儀式を長々やってから採取したという。それだけ魔力を恐れていたようだ。

クリスマスローズ(ヘレボルス・ニゲル)
・キンポウゲ科クリスマスローズ属の耐寒性がある常緑の多年草。
・学名はヘレボルス・ニゲル(Helleborus niger.L.)。
・属名Helleborusの語源は、ギリシャ語で「殺す」を意味するHeleinと「食べ物」を意味するboraからなる。食べると危ない毒草であることを意味しており、根には強心剤・利尿剤の効果がある成分が含まれている。種小名のnigerは、「黒」を意味し、根が黒いことに由来する。
・英名でクリスマス・ローズ(Christmas-Rose)と呼ばれるのは、白花の原種H.ニゲルのこと。他にはウインターローズとも呼ばれる。和名は待雪草でスノードロップの和名も同じ。
・ヘレボルスの原種の原産地は、ヨーロッパ、地中海沿岸、カスピ海沿岸、中国四川省までの北緯40~50度の地域に生育。原種は20種あり石灰質の土壌に生息する。
・H.ニゲル種は、イタリア、スロベニア、クロアチア、ドイツ、スイス、オーストリアなどの山麓の草原に自生する。基本的には高山植物と同じ。
・草丈15-20cmで、根元から手のような暗緑色の葉が生え、のこぎり状の切れ込みが縁にあり痛い。
・クリスマスローズの開花期は、クリスマスの頃12月下旬から4月で、2月頃が最盛期。日本では1―2月に開花する。花は下向きでなく横向きに開花するので結構目立つ。
・花茎は単一で先端に1~2輪のピンクの入った白い花をつける。花粉が落ちる頃には徐々にピンク・赤味が入る。
・花のように見える5枚の花弁は、花を保護する萼(がく)で、本来の花弁は退化して蜜を出す蜜腺となっている。
・葉は常緑・肉厚で全体的に丸みを帯びる。
・他の原種と異なり不思議なことに笣葉がない。
・受粉の仕組みは、先に雌しべが成熟しその後で雄しべが花粉を放出する。雌しべが受粉して種が出来るのが5月頃。
・アルカリ性の土壌を好むので石灰を入れて酸性を中和する。また肥沃な土壌を好む。
・夏場は半日陰で育てる。
・H.ニゲルは過湿に弱く根ぐされしやすいので乾燥気味にし、乾いたらたっぷりと水をあげる。
・繁殖は株分けをする。種からの場合は発芽後1~2年後に開花。
・毒性があるので食しない。

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4 コメント

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えっ!いまごろ、、、 (きよみどす)
2009-04-30 20:33:47
と,びっくりしながら読みました.深いですねぇ~~。
白い花が清楚で素敵。
種から育てたら、1年ぶりで芽を出しましたが
それが普通なんですね~,気をもんで育った苗はより以上
大事にしてしまいますね~~。
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きよみさん (tetsuo)
2009-05-01 00:03:18
不思議なことは何か理由があるということ改めてわかりました。
疑問を持って忘れないでいることは重要ですね。ただ記憶力が衰えつつあるので、・・・です。
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良い色ですね (花ひとひら)
2009-05-04 23:35:24
いろいろと奥が深いのですね。でもただその時の花として容姿を楽しんでいたら、花はどれも美しいいですし癒されます。きょうの花の色も素敵です。
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花ひとひらさん (tetsuo)
2009-05-05 09:42:23
我が家は鉢で育てているので、環境に合わせて出来る限り移動させるようにしています。ということで、どの環境が適しているのかを知るようにしているので、こんな感じで調べるのでしょう。
ただ、記憶できなくなっているので年をとっての趣味は付け焼刃はつらいですね。
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