万葉集には、 “ツユクサ”をうたった詩がある。
『朝咲き 夕べは消ぬる 鴨頭草の 消ぬべき恋も 我はするかも』
あしたさき、ゆうべはけぬる つきくさの けぬべきこいも われはするかも。
ツユクサには、朝に咲き夕方には消える一日花なので、
儚い恋を題材とした詩が多く、
万葉の頃から日本人の情緒を刺激して来た。
こんな情緒を刺激するツユクサも、存在する場所が減りつつあり、
栽培しないと危険な状態にある。
路傍、道端、空き地、草地、・・・・・
コンクリートで固められていない所有権があいまいな場所が間違いなく減っている。
これとともに、儚い恋という情緒も減っていったようだ。
(因果関係はなさそうだが・・・・)
(写真)はかないツユクサの花
確かに、
ぬけるような鮮やかな青の2枚の花弁と、下の花弁の白、おしべの黄色の花粉、
鮮やかなこの組み合わせが一日で消える“もったいなさ”、“惜しさ”、“残念さ”
これらの感情が“はかなさ”になったのだろう。
或いは、
消えた花はあきらめ、次ぎの花に向かう“うつろいやすさ”が“はかない”のだろうか?
(写真)横から見たツユクサ
ツユクサ(Asiatic dayflower)
・ツユクサ科ツユクサ属の一年草。
・学名は Commelina communis。英名は Day flower, Asiatic dayflower。
・和名別名は、月草、鴨頭草(つきくさ)、着き草、蛍草などで呼ばれ俳句では秋の季語となる。
・古語の着き草には染料として使っていた由来があり、今は水に溶けやすい性質を利用した友禅染の下絵として使われている。
・また、乾燥させ下痢止めとして使われていたようだ。(日本のハーブ)
・原産地は、日本、朝鮮半島、中国南部
・草地にある普通の野草で、地面を這って茎が分岐し節から根を出して殖える。
・開花期は6~9月で、鮮やかな青い花を咲かせる。一日花。
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