3月29日(水)に日本から中国福建省福州に渡航し、深夜にアパートに着き、翌朝に窓から景色を眺めると、紫の桐の花が満開になっていた。日本の京都では、桐の花は5月に咲く。ここではもう、3月下旬に咲いている。この日、バスを乗り継いで大学に行ってみた。南門(正門)を入ってすぐ、「福建閩院酒店(大学構内のホテル・レストラン・宿泊所・学術交流センター)」内の数本の樹木の黄色い花が満開となっていた。
北海道大学くらいの広さのある大学構内の針葉樹林の森は、少し新緑の葉をつけ始めていた。年に3度余り実をつけるバナナ。房が少し大きくなり始めていた。日本の京都では、4月下旬から5月上旬頃に満開となるツツジだが、ここではもうほとんど咲いた花が色あせていた。
大学構内の木々の80%余りが常緑樹なのは、亜熱帯地方の特徴だ。その中で、日本の欅(けやき)のような幹回り枝ぶりの樹木があるのだが、この樹木は3月下旬から4月上旬ころに紅葉し、1週間ほどで落葉する。そして、落葉したらあっという間に新芽の新緑を出し始める。日本人にしたら不思議な光景というか、季節感がわからなくなってしまう…。日本の近畿地方では5月中旬頃から咲き始める白い卯(う)の花が満開になっている4月上旬の福州の光景。
大学構内の水辺に架かる石橋の下あたりにアヤメや杜若(かきつばた)の花が咲いている。日本の京都では5月上旬から中旬にかけて花が咲く。藤の花の満開が過ぎて、散り始めている福州の4月上旬。3月中旬頃から構内の中央広場の野原一面に咲き誇る蓮華(れんげ)は、もうこの時期には色あせていた。
4月中旬の大学構内。香港のシンボルとなっている花は、遠くからのちょっと見、桜並木のようにも見える。構内の新緑が美しくなってきた。
4月中旬頃になると、校内の針葉樹林の森も、黄緑色の葉が多くなってきている。4月上旬頃に紅葉し落葉した樹木も、あっという間に新緑に包まれた。高木に赤い大きな花を咲かせてボタリと落ちる亜熱帯の花も満開に。そして、沖縄にも咲くデェイゴの花が咲き始めた。亜熱帯地方の夏の花だ。福建省福州と沖縄県の那覇は同じ緯度(いど)にあり、那覇や長崎は、福州と友好都市となっていて、いろいろな人的交流(琉球大学や長崎大学などとの交換留学生)も多い。
4月9日(日)の午後、アパート近くのバス停からバスに乗って20分余りの所にある茶亭公園にふらっと行ってみた。この公園は私が好きな公園の一つだ。高層住宅が公園の周囲にそそり立つが、公園の風情はなかなかのもの。池に中国風の石橋が架かる。京都では5月上旬頃に満開となる小手毬(コデマリ)の白い可愛らしい花が満開になっていた。公園内で剣舞をしている数名の人の姿も‥。
笛や胡弓(こきゅう)などを演奏している人たち、7〜8人が池畔に座って語らっていた。幼い孫たち二人を公園にきた祖父(おじいちゃん)。京都にいる3人の孫たちに会いたくもなる‥。
福州市のシンボル樹木(市樹木)ともなっている常緑樹のカジュマル(榕樹)の深い緑の木陰。福州は榕城とも呼ばれ、このカジュマルの樹木が並木などにとても多い。夏の花であるハイビスカスやブーゲンビリアが咲き始める4月10日頃。この日の最高気温は28度の夏日。4月中旬から暑い日も徐々に多くなってきた。最高気温が32度〜33度の日も数日間続いた。5月からは本格的な真夏日(30度以上)へと季節は移ろう。閩江(びんこう)の大河の中洲に建つ洋館風の建物群。この辺りはかって福州の港(東シナ海に注ぐ、閩江の河口から30kmのところ)があり、茶葉が世界各国に輸出された中国最大の茶葉の港だった。付近には、かっての、米国・フランス・ドイツ・日本・ベルギー・ロシアなどの旧領事館の建物も多い。
4月下旬となった2日前、アパートの窓から向こうを眺めていると、長い梯子(はしご)を屋根に架けて登り、枇杷(びわ)を採っているいる人の姿が‥。京都では、枇杷が食べ頃に黄色く熟れるのは、5月下旬頃。日本の京都より1か月余りは早く、夏に向かって季節が移ろう、亜熱帯気候の中国・福州(人口約700万人/福建省の省都)。
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