彦四郎の中国生活

中国滞在記

中国の春節と「春運(40日間)」、今年は延べ90億人が移動と発表―観測史上初「亜熱帯の福建省で降雪」―ある婚約式の宴

2024-01-31 09:36:33 | 滞在記

 例年、多くの人が故郷への帰省や国内外への旅行で大移動することで知られる中国の旧正月「春節」。今年は2月10日(土)(9日が大晦日)から17日までの8日間が春節期間となり、この期間を含めた前後40日間あまりは、中国では「春運(春節運行)」期間と呼ばれ、いわゆる民族大移動の観をなす中国。今年の場合だと、1月20日(土)ころから中国の小中高校も大学もすべて冬休みに入り、会社や工場なども休業体制に入るところが多くなる。そして、「春運」が始まってくる。

 8日間の春節期間が終わってから2週間後の2月24日(土)が「元宵節(げんしょうせつ)」となり、翌日の25日(日)から29日(木)頃には「春運」の40日間余りが終わっていく。なんと、40日間余りの期間、中国は「春節」と「元宵節」のムードに包まれることになる。(※2月19日[月]頃から、ぼちぼちと会社や工場も再開されて始める[仕事はじめ]。学校関係は冬休みが終わり、2月28日(水)頃から新学期[後期]が始まってくる。

 1月16日に中国国務院報道弁公室が記者会見を行い、「今年の春運の40日間、中国国内で移動する人は、過去最多の延べ90億人と予測される」と発表した。

 航空機での移動は、コロナ前の1割増の延べ8000万人と発表もされた。この「春運」期間に海外に旅行に行く人も多いが、人気の海外旅行先は、日本・東南アジア(タイやシンガポールやマレーシア)・韓国とも報道されていた。

 今年の場合は1月20日頃から、スーパーマーケットなどでも「春節」商戦が始まる。縁起の良いとされる「赤」が商品にも店内にも飾られる。街角では、書の達者な人が、人々が家々の玄関口に飾る赤い紙に縁起の新年の言葉の書を無料で一筆書いている光景も見られる。

 赤い提灯が街角や家々に飾られ春節準備が整えられる。大晦日の日には、「春晩」と呼ばれる番組が、全国に放送される。もともとは日本の大晦日番組の「紅白歌合戦」を模したものだったが、近年では日本の「紅白」を10倍以上もすごくしたような「春晩」は、歌や踊りだけでなくさまざまな企画があり、日本の「紅白」の10倍は面白く見ごたえがある。そして、この大晦日には、各家庭で作られる手作り餃子を、家族・一族みんなで食べ、酒も飲みながら、「春晩」を視聴ししながら新しい年を迎えるというのが、中国の伝統的な「春節」の過ごし方。父や母から、または、祖父母たちから、子や孫たちに、赤い祝儀袋に入った「お年玉」も渡される。

 春節の1週間余りが終わると、2週間後の「元宵節」に向けた準備が始まってくる。町々にはランタン的な飾りが通りに飾られる。

 「春節」の終わりとなる「元宵節」もまた面白い。長い龍🐉の作りものが街中を練り歩き、ものすごい爆竹が何度も何度も繰り返し鳴らされる。

 そして、夜空にランタンが上げられる。まあ、これが、1か月間余りも続く「春節・元宵節ムード」の中国の旧正月「春節」と「元宵節」だ。海外に旅行に行く人たちは、大晦日などは故郷で過ごすことが伝統的なので、2月9日以前か2月12日以降に旅行に行く人が多いのかと推定もされる。

 さて、中国南部の亜熱帯気候の福建省は、雪が降らない地方でもあった。だから福建省の人たちは雪を見たことがない人がほとんどだ。ところが、気候変動の影響で北極圏からの大寒波が中国南部の福建省まで南下、今年の1月21日に福建省の省都・福州市でも雪が降り、市の山間地や山になんと、うっすらと積雪した。こんなことは、観測史上初めてのことだった。福建省ではもう梅が満開になっているのだが、この紅梅に雪が積もる光景が、私の知人からもチャットと送信されてきていた。

 そして、福建省福州市の山間地や高地(山)に雪がうっすらと積もった1月21日、そして翌日の22日に、閩江大学卒業生の王文重君の婚約式や婚約披露宴が福州市で行われていた。(※中国では、婚約式のことを「許婚式」と言い、そのためのパーティを「許婚宴」と言うようだ。) 王君の話では、21日は婚約する相手女性の実家の近くの会場で50~60人ほどの宴を催し、22日は王君の実家近くの会場で100人ほどの許婚宴を行ったのだそうだ。結婚式は今年の秋か来年に行う予定だという。彼は現在、日本企業系列の文具メーカー「コクヨ(国誉)」の社員で、福建省駐在員(福建省担当者)として働いている。

 この許婚式・宴を終えて、1月24日から2月3日までの約10日間、王君と婚約した女性(甘[かん]さん)は、京都市を中心訪日地として日本に旅行することとなっていた。23日に私は、ウイチャット(中国版のライン)に、「日本、24日から大寒波、大雪のおそれ」の画像を送信し、寒さ対策の衣類の準備が必要とのメッセージを送った。

■ビザ問題―14日以内なら日本人が中国に行く場合にはビザはいらなかった。(※中国人が日本に14日間以内でも行く場合はビザが必要だった。)  しかし、新型コロナパンデミック発生の3年間があり、中国は厳格なゼロコロナ政策を実施したため、日本人が中国に渡航する場合、14日以内でもビザを取得する必要があった。

    このため日本政府は、中国のゼロコロナ政策終了後、14日間以内の日本人訪中NOビザの復活を要求しているが、中国側は復活条件として、「中国人が日本に14日間以内の渡航の場合のNOビザ」を要求している。(2024年1月23日) この中国側の要求は、相互互恵関係の平等性のためには当然の要求かと思う。早く、日本政府は平等性に基づいた決定をしてほしいと思う。東南アジアのタイやシンガポール、マレーシアなどは最近、中国人の14日間以内渡航NOビザを発表した。


コメントを投稿