大和大王墓と造り方が相似 向日の元稲荷古墳

2010-09-23 04:51:27 | 歴 history
向日市向日町にある3世紀後半の前方後方墳「元稲荷古墳」が、大和の大王墓級古墳と造り方が相似していることが分かった。市埋蔵文化財センターが 22日、発表した。発掘調査の結果、西側のくびれ部から出土した多数の葺(ふき)石や盛土の状況から詳細な造営方法が明らかになった。同センターは「被葬者像や同形の古墳の性格を探る上で重要な成果」としている。

 2006年度に調査を始め今回で5回目。7月から後方部南西側の発掘を進めた。くびれ部で10メートル四方にわたり葺石が多数出土した。斜面のこう配に沿って重厚に積み重ねられており、こうした技法は奈良の中山大塚古墳(天理市)などにみられるという。

 また、墳丘内の盛土の状況を調べたところ、最初に高さ約0・6メートルの土手を築き、水平方向に土を盛った後、内部を埋めていく作業を繰り返し構築したと判明。黒塚古墳(同市)なども同様の技法で造営されたことが確認されている。さらに、土の断面を調査した結果、墳丘の基底部は旧表土を削った土に灰などを混ぜて硬くするなどの改良が施されていた。地滑りや葺石の崩落を防ぐためと考えられ、畿内にある前期古墳で初の確認例という。

 センターの梅本康広主任は「大和の技術者か、地元の技術者が大和で造営法を学び造ったと推察できる。被葬者は、大和の王権に参画しながら政治経済的に自立した地元の有力首長だったのでは」と話す。

 現地説明会は25日午前11時から。向日市埋蔵文化財センターTel:075(931)3841。

【 2010年09月22日 22時36分 】 京都新聞


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