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マルガリータのつぶやき

フォトジェニックな「趣味の記録」:マルガリータの庭、国内海外の旅、グルメ、美術・音楽・映画、自分勝手流読書、etc

酒田:土門拳記念館の衝撃

2014-09-14 23:04:45 | 絵画、展覧会、記念館
酒田出身の写真家土門拳は、記念館案内パンフが空港から道の駅から行く先々に置かれていて、山形が誇る著名人といった感じだったが、

 

鳥海山を臨んで、池に囲まれ、記念館の建築、庭、彫刻、「自然と建物」にまず驚かされ、

 

まず、記念館にかかわった才能を楽しんだ。
設計を建築家・谷口吉生、作庭とオブジェを華道家・勅使河原宏、中庭設計・彫刻と石のベンチをイサム・ノグチ、エントランス銘板をグラフィックデザイナー・亀倉雄策

今季の展示は
・古寺巡礼 第一集
 いうまでもない土門拳のライフワーク、法隆寺、中宮寺、飛鳥・白鳳・天平、いずれもどこかで見た覚えのある有名なものだ。
 一作ごとの迫力に加えて、ずらりと並んだ展示に圧倒された。

・こどもたち
 1950年代の江東、浅草、の貧しくても元気いっぱいな子供たち、この中にマルガリータも写っていそうと、思わず見入ってしまった。
  

土門拳賞受賞作品展「不知火海」桑原史成
『半世紀を超える”水俣病”事件の通史』、これ以上ない「リアリズム写真」を前に、旅の最後に現実に戻されたような衝撃だった。
 

葉山;山口蓬春記念館

2014-09-07 23:33:31 | 絵画、展覧会、記念館
一色海岸の神奈川県立美術館に車を停めて、「蓬春こみち」をあがれば、後ろの山を借景に見事な和モダンの山口蓬春記念館
雨上りの庭を愛で、折からの特集展;山口蓬春と吉田五十八を楽しんだ。

 







;右方が別館

別館がオープンしたばかり、清潔な館内、18分の解説VD、
2階からは、名画を横に、海の眺望にひたりながら、茶菓にコーヒー(ともにサービス)をいただく。
これから葉山に来たら、ここで一服しよう。

  

   

 

 

箱根小涌谷 『岡田美術館』初訪

2014-08-30 19:49:55 | 絵画、展覧会、記念館
昨年の10月オープンというから、いまだ一年に届かない 岡田美術館だ。
昨夜の寿司懐石のカウンターで、板長さんから評判を聞いて、さっそく出かけてきた。
何もかもにビックリ、、圧倒されるばかり、
逸品ぞろいの数々、とほうもない財力と人脈とはいえ、10年余りの短期間に集められたとはどういう??






ポーラ美術館;『モディリアーニを探して』

2014-08-28 22:15:33 | 絵画、展覧会、記念館
こゆき様と行く箱根のアートシーンは、ポーラ美術館『モディリアーニを探して』
”伝説の奥にみえてくる、リアルなモディリアーニ像”、新しいモディリアーニだった。
イタリアからパリ;モンマルトルからモンパルナスへ、20世紀初めの激動のパリ、  彫刻・恋人ジャンヌ・娘ジャンヌ・

 

  

わかりやすく、説得力のある内容だった。
帰りのショップで購入したのが展示目録でなく、『恋愛美術館』西岡文彦 だった。
帯の この絵を見ると切なくなるのはどうしてだろう 恋愛小説を読むように絵画を読む はモディリアーニ理解にとってもまさに神髄、という展示内容だった。

 

マルガリータのつぶやき’13’11月; 雨のモンマルトル  
                        モンパルナス墓地まで

建築家ピエール・シャローとガラスの家

2014-08-01 23:12:40 | 絵画、展覧会、記念館
今季のパナソニック 汐留ミュージアムは、建築家ピエール・シャルローとガラスの家
パリ、ポンピドー・センター・コレクションから、
アール・デコ時代の革新~ 1920~1930年代のパリ、家具とインテリアと建築 の3分野で生み出された革新的な造形を紹介している。

            

とくに、サン・ジェルマン大通りに交差するサン・ギョーム通りの「ガラスの家」の発想は、現代にも通用するような斬新さで驚かされた。
建物の3階部分はそのままに、その下部をすっぽりくりぬき、「ガラスの家」を収める。

    

この時代は、近代建築の黎明期だったという、
たしかに、ガラスブロック、優美な家具、仕掛けられた空間、すべて今に通じるモダンな作品群だ。
あらめてアール・デコの魅力にめざめた思いだ。

先日のフランス行きで何も意識して見てこなかったのが悔まれる。
来週、8日(金)~18日(月)の、ニューヨーク~ニュオーリンズ~シカゴ では、しっかりとどん欲に見てこよう。
いうまでもなく、アメリカはフランスと並ぶアール・デコの中心地、アール・デコのもう一つの発信地でもある。

『現代女流画家の視点』金谷美術館

2014-07-28 11:52:49 | 絵画、展覧会、記念館
『現代女流画家の視点』
金谷美術館;こじんまりして、地元代々の名主鈴木家の個人美術館。鈴木家は鋸山の石採掘(房総石)にかかわったという。
  

「現代女流画家の視点」
  

神戸文子「神戸(かんべ)ブルー」 モロッコ、アルジェリア、イスタンブール、カスバ






「パウル・クレーのよう」と言われた織田彩子 




≪MEMO≫ 金谷美術館「別館」;
地元・鋸山から切り出した「房州石」を使って、明治末期に建てられた石倉。「鈴木家住宅石倉」として、登録有形文化財。
下半分がなまこ壁、房州石の入り口部分。

   

主屋の西北に位置する。東西棟の桁行4.9m梁間7.6m2階建、寄棟造妻入桟瓦葺の石蔵で、東面に平屋建を取り付ける。主棟の棟積や鬼瓦は大振りで、重厚感をもつ。房州石の中でも最上級とされる桜目の石を丁寧に積み上げた石蔵で、成熟した石造の技法を示す。
~文化庁データベースより~

内部は、鈴木家代々の収蔵品;
   

明治35/大正12・昭和54改修  関東大震災で倒壊、再び建て直した。
房州石はかつて東京・横浜に出荷され、横浜港、港の見える丘公園、早稲田大学の大熊講堂などに使われ、膨大な量が日本の近代建築物に使われた。

房州石を使った井戸、登録有形文化財 昭和前期。
 

(近年、金谷の町では、石の切り出しで栄えた歴史と風光明媚で文人墨客に愛された歴史に着目して、「石と芸術」をテーマに町おこしをしている。)

 



写真家の眼 『ゴー・ビトゥイーンズ展』森美術館

2014-06-19 20:59:48 | 絵画、展覧会、記念館
「ゴー・ビトゥイーンズ」とは「媒介者」の意、
19C末から20C初頭にNYの貧しい移民の暮らしを取材した写真家ジェイコブ・A・リースが英語が不自由な両親の通訳として様々な用事をこなす移民の子どもたちをこう呼んだ。
    

表題作からさらに、子どもを取り巻く環境と彼らが対峙する問題をとらえていく。
1)文化を超えて     移民 国際養子縁組
2)自由と孤独の世界   子供特有の孤独感
3)痛みと葛藤の記憶   傷ついた思い出 戦争 
4)大人と子供のはざまで 思春期
5)異次元を往来する   現実と夢や想像の世界

  

  

写真が伝える問題のかずかずは社会的、文化的なものから、子どもの内面にふみこんでいく。
「子ども」をテーマにした映画論、絵画論はもちろんのこと、「写真」で切り込むインパクトもまた格別と感じた。
写真家の発想もすごい、衝撃の連続で見終わった後は体も頭もフラフラ だった。


梅雨の晴れ間の <東京シティービュー>

 スカイツリー~東京タワー


 東京タワー~

画家のパレット;『フランス印象派の陶磁器』

2014-05-10 20:55:56 | 絵画、展覧会、記念館
帰国してまだ三日目、フランス帰りには格好の、汐留ミュージアム 『フランス印象派の陶磁器』展だった。
  副題が[1866-1886 ジャポニスムの成熟]、

「印象派」登場と同じころ、陶芸の世界も新しい技術やジャポニスムの発想から革新的な陶磁器がつくられていたという。
初めて見る作品ばかり、
「バルボティーヌ」といわれる技法で制作された一点ものには目を見張った。
テラコッタの上から泥しょう(スリップ)を掛け、陶器をキャンバスにみたてて描いたような凹凸、画家のパレットのように混じった不思議な色使い。


特別にカメラOKのテーブルセッティング三景、背景にはシスレー、モネ、ルノワール等の印象派絵画が飾られて、贅沢な展覧会だった。
  

  

  

≪MEMO≫ パンフレットから
1874年4月、近代絵画史上最も画期的と見なされるグループ展、第1回印象派展がパリで開催されました。その出品作品のひとつであるモネの《印象、日の出》は、刻々と変化する水面の煌めきなどありのままの自然の情景が、大胆な筆致でキャンヴァスに表現されました。しかしこの絵画は精細さを欠いているとして多くの批判を浴び、皮肉をこめてこのグループは「印象派」と名づけられました。同じ頃、陶芸の世界においても新しい技術やジャポニスムからの発想を生かすなど、近代性を取り入れた革新的な陶磁器が作られていました。
第1回印象派展の出品作家で銅版画家のフェリックス・ブラックモンも、日本美術の影響を受けた一人です。彼は、リモージュ磁器で知られるアビランド社の経営者で日本美術の蒐集でも知られるシャルル・アビランドと出会い、同社の美術監督として迎え入れられると、ジャポニスムのモチーフなどを生かした伝統に捉われないデザインで才能を発揮しました。1880年代初頭には焼締陶器や銅紅釉を使用するなど新しい素材への挑戦を続け、アビランド社はフランスを代表する陶磁器メーカーとして発展しました。
そして、第1回印象派展から100年を経た1974年、「セラミック・インプレッショニスト(Céramique Impressionniste)」という展覧会がパリで開催されました。ここでは印象派絵画のような筆致で装飾された陶磁器と印象派絵画との関連が改めて注目を浴び、作品群は「印象派の陶磁器」と称され、その芸術性の高さが認知されることとなりました。
 本展は、アビランド家コレクションを中心に、印象派時代の陶磁器が日本で系統的に紹介される初めての機会です。印象派スタイルの絵付けをした陶磁器をはじめとして、19世紀後半のフランスが憧れた東洋や日本の美術が色濃く反映されたテーブルウエアや陶芸作品に加え、モネやルノワールといった印象派の絵画も含め合計155点展示いたします。

☆関連本コーナーが小規模ながら充実してる。
「浮世絵でめぐる江戸の花」重い大型本、内容にひかれて購入☆
  


汐留;パナソニック
 

心地よい陽気、歩行者天国を歩いて、銀座・西五番街;タルボットまで、時差ぼけ解消に役立ったかな?
  

 夏物の入荷待ちで今一つさえない。







金沢;鈴木大拙記念館

2014-02-15 22:22:00 | 絵画、展覧会、記念館
世界的・仏教哲学者である鈴木大拙(D. T. Suzuki)。
禅についての著作を英語で著し、日本の禅文化を海外に広くしらしめた仏教学者。
「大拙を「知る」「学ぶ」 思索空間で「考える」記念館。
 

2011年竣工の建物は超モダン、国際的な建築家である谷口吉生氏の設計。建物を見るだけで訪れる人もいるらしい。


古い成巽閣で、暖房もなく足カバーをはいて冷たい畳をふるえながら雛様を見て歩いた興奮とはまた別種の心の高揚、
ここは暖房ガンガン、ギャップに戸惑いながら、静かに思索空間に浸る来館者の合間をさっと。
今回は「大拙」を横に置いて、建築・設計に圧倒されて終わってしまった。
  <思索空間>

今朝の記念館周りはここで3軒目だが、どこも内容が半端でない。
金沢は、兼六園に茶屋街と、ひととおりの観光コースはともかく、一歩細かく入りこもうとすると膨大な知と時間が要求される町とつくづく実感した次第。

≪MEMO≫
「敷地の特長である小立野台地から続く斜面緑地を背景に、石垣や水景などによって金沢を象徴する景観を創造し、その中で鈴木大拙の世界を展開していくことを設計の基本方針としました。
建築は、「玄関棟」「展示棟」「思索空間棟」を回廊で結ぶとともに、「玄関の庭」「水鏡の庭」「露地の庭」によって構成されています。この3つの棟と3つの庭からなる空間を回遊することによって、来館者それぞれが鈴木大拙について知り、学び、そして考えることが意図されています。」

≪参考≫ [DNDメルマガ]vol.449 鈴木大拙館にみる谷口吉生氏の至高の世界

金沢:成巽閣「雛人形雛道具特別展」

2014-02-15 21:19:02 | 絵画、展覧会、記念館
加賀前田家奥方御殿・成巽閣(せいそんかく)の「前田家伝来 雛人形雛道具特別展は見ごたえがあった。
(成巽閣;兼六園の敷地内にある建物。文久3年(1863)、第13代加賀藩主前田齊泰が母・眞龍院の隠居所として建てたもの)

   

歴代藩主のご婦人・お子様方の雛人形は膨大な数だったという。維新の動乱等で大半が散逸したというが、現存する雛道具も大した数で、古いもので250年前という品々が、大事に保存されている。
次郎左衛門雛・有職雛・古今雛・梨地梅鉢紋雛道具・黒塗梅鉢紋雛道具・杏葉紋唐草蒔絵雛道具、牡丹唐草紋雛道具など、現在では貴重な美術工芸作品群が並ぶ。

次郎左衛門雛が中心で、その中でも最も大きく、かつ古い部類の
「次郎左衛門雛一対 予玄院所縁」


京都の人形師・雛屋次郎左衛門が宝暦十一年(1761)、日本橋室町に人形店を開いてから普及し、
公家・諸大名においては、ひな人形の本流として永く重んじられたという。

東京の下町、人形問屋が立ち並ぶ「浅草橋」で生まれ育ったマルガリータ、雛人形はわかったつもりでいたが、
京の公家・諸大名においてのひな人形の本流・次郎左衛門雛の高貴、秀逸さにはただただ驚き、唖然とするばかりだった。

この雛様展示の横は、謁見の間(手前から下段の間、奥が謁見の間);優しく華麗に




金沢;泉鏡花記念館『山海評判記』

2014-02-15 20:21:02 | 絵画、展覧会、記念館
寒いみぞれもようの朝一番は、開館直後の、生家跡に建つ泉鏡花記念館まで、
 

浅野川、主計町茶屋街、ひがし茶屋街に隣接し、鏡花ゆかりの地。
つい2週間前の松江行のきっかけになった角田光代「かなたの子」が泉鏡花文学賞受賞作品で、ここのところ、鏡花の世界に思いをはせていた。
 
今日は「雪岱挿絵で読む『山海評判記』(さんかいひょうばんき)」特別編:125回にわたる連載の全挿絵・全カット紹介の第2期。 
鏡花×柳田×雪岱のコラボ作品、
       

≪能登・和倉温泉を舞台に小説家・矢野誓に忍び寄る怪異を描いた「山海評判記」。
盟友・柳田國男を介して知ったオシラ神信仰を背景に、絵師・小村雪岱の面妖な挿絵とともに「時事新報」に連載されたこの鏡花随一の怪作≫

 

「妖怪民俗学」柳田國男の妖怪民俗学という分野を初めて知った。
原作にあたってみて、なるほど、昭和初期(昭和4年)の文語調の旅行記から立ちのぼる雰囲気から、作者の民俗学への並々ならぬ興味がつたわってきた。
  
雪岱の挿絵が、おどろおどろしく、また、なんとなく愉快。
くしくも、これから向かう今晩の宿、和倉温泉が舞台で、思わず身を乗り出して楽しんだ。
古いながら、決して古びない魅力に引き込まれる。鏡花が現在も連綿と読まれ、演じられているゆえんか。
 千住明・オペラ 坂東玉三郎


記念館のHP;
≪幼い頃に母を亡くした泉鏡花。明治、大正、昭和にかけて亡母憧憬を基底とする浪漫と幻想の世界を紡ぎ出し、多くの小説や戯曲を生み出した鏡花は、やがて浪漫主義文学の大家と称され、また天才とも謳われるようになりました。
「義血侠血」「高野聖」「婦系図」「歌行燈」「日本橋」「天守物語」などまばゆいばかりの傑作の数々は、文学の世界だけでなく、視覚芸術である舞台や映画という手法によっても表現され、現在も人々に愛され続けています。≫




泉鏡花文学賞受賞作品候補作品一覧はこちらから




汐留ミュージアム;「モローとルオー」

2013-11-29 23:43:37 | 絵画、展覧会、記念館
パナソニック 汐留ミュージアムの「モローとルオー 聖なるものの継承と変容」展に行ってきた。
師モロー、弟子ルオー、世界初の二人展、開館10周年企画で力が入った内容だ。
19世紀パリ、象徴主義の巨匠G・モローとルオーの作品を対比、芸術と心の交流の軌跡をたどる。


 

モローの未公開作品に、ルオーの日本初公開作品、の数々、
なかでもモローのエボージュ(油彩下絵)「ピエタ」のような作品は初体験で、何度も振り返った。こちらに画像あり

エボージュについては、平野啓一郎が日経・REVIEW欄(11月14日)で言及していたので少し書き出すと、
… 彼のエボーシュには未然の豊かさがあり、何点かはその神秘的な美しさ故に抽象画として十分に魅力的である。
    若い弟子の中には、モローが立ち止って完成をためらったこの地点からこそ、自分の道を発見した者も多かったろう…


パナソニック汐留ミュージアムのHP

新潮美術文庫 ROUAULT ルオー 巻末年表より 1871年 ~1902年

森美術館;六本木クロッシング

2013-11-13 23:00:08 | 絵画、展覧会、記念館
マルガリータ にとって、森美術館の現代アートはいつも今一つ、理解度が足らないとおもう代物。
  

それが今回は、「これは面白い☆」と連発して、ジャスミン様を当惑!させ続けた。
              ・政治とアート  風間サチコ 
             ・自然とアート  サイモン・フジワラ
             ・社会とアート  柳 幸典 


・「もの派」
  

日本の現代史、近代文明の問題点、原発、ルポルタージュ絵画、
やっと アートって何? という作家魂に追いついた感じ。

森美術館 公式サイト 無料音声ガイド案内
ウエブサイトでのストレーミングはこちらから

≪展望台 シティ・ビューからの夕景;手前の国立新美術館から左上に、青山墓地、新宿高層ビルまで≫