たかしの啄木歌碑礼賛(続)

啄木歌碑およびぶらぶら旅

小奴の碑

2017年06月27日 | 啄木歌碑

 啄木の釧路での出会いに小奴がいます。芸妓小奴は料亭「しゃも寅」専属の芸妓で、啄木は彼女との思いを『一握の砂』に数多く詠んでいます。小奴は後に旅館を経営しましたが、この歌碑は小奴が経営した近江屋旅館跡に建立され、子奴碑として知られています。 

 

 小奴碑 

 

  

 小奴碑

 

                  碑文

                    明治41121日石川啄木は妻

                    子をおいて単身釧路に来る

                    同年4月5日当地を去るまで釧路新聞

                    社に勤め記者として健筆をふるへり

                      あはれ国のはてにて

                      酒のみき

                      かなしみの滓を啜るごとくに
                    

                    当時の生活感情を啄木はこのようにう

                    たう

                    当時しゃも寅料亭の名妓小奴を知交

                    情を深めり  


                 
     小奴といひし女の

                             やはらかき

                             耳朶なども忘れがたかり



                             舞へといへば立ちて舞ひにき

                             おのづから

                             悪酒の酔ひにたふるるまでも


                   漂浪の身に小奴の面影は深く啄木の心

                   をとらえ生涯忘れ難き人となれり 

                   小奴もまた啄木の文才を高く評価し後年

                   旅館近江屋の女将となり七十有余年の

                   生涯を終るまで啄木を慕い通せり

                   今 此処小奴ゆかりの跡にこの碑を刻

                   み永く二人の追憶の記念とす                    

                     昭和4111


小奴は「料亭しゃも寅」の専属の芸者でした。現在、「しゃも寅」跡には啄木歌碑が建立されています。


料亭しゃも寅跡の歌碑

 

                    火をしたふ蟲のごとくに

                    ともしびの明るき家に

                    かよひ慣れにき  啄木


 啄木が酔って、よく飲んだといわれる「しゃも寅」の井戸は今も冷水が湧き出しているようです。

 「しゃも寅」の井戸

 

 

 

 

 

 


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