たかしの啄木歌碑礼賛(続)

啄木歌碑およびぶらぶら旅

雫石高校の啄木歌碑

2013年08月31日 | 啄木歌碑
啄木歌碑と岩手山シリーズ(11)です。
雫石高校は岩手県立高校で、JR田沢湖線「雫石駅」から歩いて20分程の所にあります。グランドからは岩手山がくっきり見え、休みの日などにも野球部の選手が楽しそうに練習しています。校内の「思郷の森」に啄木歌碑が建立されています。



雫石高校正門


啄木歌碑





病のごと
思郷のこころ湧く日なり
目にあをぞらの煙かなしも
啄木



5月に雫石町を訪れると、岩手山を背景にした、小岩井農場の一本桜、小岩井桜ロードの桜、弘法桜などがとてもきれいです。



小岩井「桜ロード」


弘桜法














陸中八十八霊場(4番 白山堂)

2013年08月27日 | ぶらりぶらり
第4番 白山堂  本尊 大日  臺(現 花巻市湯本2-1-2)

よくお寺や神社へお参りし手をあわせますが、神社とお寺の違いは何なんでしょう。「仏教」は外来宗教で、「お釈迦様」の教えにそったもの、「神道」は伝統宗教で民族宗教、生活の中で自然発生的な「祈り・願い・感謝」というもが「神道」なのでしょう。
古い時代には、仏教と神道を同一のものとする「神仏習合思想」をとっていましたが、明治初期に「神仏判然の令」が出され、現在では神社とお寺は分けられているようですが?。はっきりしないところもあります。お寺は御本尊として大日如来、薬師如来、釈迦如来、聖観世音菩薩、文殊菩薩、地蔵菩薩、不動明王などの仏様が安置されています。しかし、神社で参拝するときは御神体を見ることが出来ません。神社に祀られるのは目に見えない神様です。

陸中八十八霊場にも神社が含まれていますが、○○堂として、御本尊が安置されています。

ここ白山堂は白山神社ですが、御本尊は大日さんです。場所は花巻温泉のすぐ傍ですが、入り込んでおり見つけるのが大変です。











御詠歌
「ながむれば月白妙の夜半なれやただ黒谷のすみぞめのそで」


なお、四国八十八ケ所霊場の四番は「大日寺」です。

大日寺御詠歌
「ながむれば月白妙(しろたえ)の夜半(よは)なれや ただ黒谷に黒染めの袖」





************************************************

啄木の歌

夜もすがら壁のこほろぎ何を泣く冷えし御心とむらひて泣く

小樽日報 明治40年10月15日号 藻しほ草(21首、その13)

匿名であるが啄木の作品として取り扱われている

**********************************************




陸中八十八カ所霊場(3番 高金寺)

2013年08月25日 | ぶらりぶらり

第3番 高金寺 本尊 釈迦  大巻(現 岩手県紫波町大巻花立28)

お盆も過ぎましたが、今年はまだ暑いですね。お盆には実家に帰る車で高速道路もだいぶ渋滞になりました。お盆には忙しくてお墓参りに行けなかったり、家に仏壇が無いという方でも静かに手を合わせ、死者の食事である「お線香」を焚くことで報恩の供養はできるのだそうです。また、煩悩により苦しめられている人もおります。”煩悩をたち切る”とよく言いますが、これは、”ほどほど”の効用をよく心得て、”ほどほど”になじむことしかない、ということのようです。

高金寺は野村胡堂・あらえびす記念館から1kmほどのところにあります。境内には、国際的な生物学者として名を馳せた野村益太郎、その長男で理学博士として活躍した羊觀親子の墓碑があるようです。






高金寺




御詠歌
「極楽の宝の池をおもへただこがねの泉たたへたるかな」


なお、四国八十八ケ所霊場の三番は「金泉寺(こんせんじ)」です。

金泉寺御詠歌
「極楽の宝の池をおもへただ こがねの泉すみたたへたる」
(金(こがね)泉(いずみ)寺)



高金寺の梵鐘「やわらぎの鐘」は昭和35年、鐘楼堂はあるが鐘がないとして盛岡市出身で東京在住の阿部徳蔵氏から寄進されたもので、盛岡の釜師・鈴木盛久によって制作されたものです。



やわらぎの鐘




山門の手前には野村胡堂の句碑も建立されています.



胡堂の句碑


草枯や
蟷螂の陣
蛇の閨

胡堂




胡堂・あらえびす館



胡堂・あらえびす館の喫茶室から見える 東根山・南昌山・赤林山




陸中八十八カ所霊場(2番 熊野堂)

2013年08月22日 | ぶらりぶらり
陸中八十八カ所霊場は明治24年、光勝寺(第88番)の26世赤塚宥天、大興寺(第1番)の30代桐野圓宗、自性院(第77番)の48代斎藤光海の3人でつくったといわれている。当時は四国に行くのは大変だったので、「陸中新四国八十八カ所霊場」として、四国八十八霊場の「本尊」、「御詠歌」をそのまま用い、この地の88カ所のお寺を当ててつくったものです。

2番 熊野堂 本尊 弥陀 上好地(現 岩手県花巻市石鳥谷町好地12地割142)


好地地区にある熊野神社で、本宮熊野神社といわれている。熊野神社は熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)の祭神を勧請された神社のことで、熊野詣の盛行や熊野先達の活動により全国に熊野信仰がひろまり、全国に熊野三山の祭神を勧請した神社が300ほどあり、花巻だけでもその数は10ほどあります。




熊野神社















御詠歌
「極楽の弥陀の浄土へゆきたくば南無阿彌蛇仏口くせにせよ」 

なお、四国八十八ケ所霊場の二番は「極楽寺」です

極楽寺御詠歌
「極楽の弥陀の浄土へゆきたくば南無阿彌蛇仏口くせにせよ」 
(極楽の浄土に行きたければ、ひたすら「阿彌蛇仏」を)





御詠歌(ごえいか)は、仏教の教えを五・七・五・七・七の三十一文字の和歌で作られ、曲に乗せて唱えるもので、平安時代より伝わる宗教的伝統芸能の一つです。この他、七五調の歌詞にメロディをつけた「和讃」(わさん)と、広い意味では両者を併せて『御詠歌』として扱っている。巡礼の行われている霊場にはかならずといってよいほど御詠歌が付随しています。 作者は不明のようですが、御詠歌に親しむことによって、様々な仏の教えを知ることができるでしょう。




************************************************

啄木の歌

我が心音もなく泣かゆ何しかもただ言多き君とわかれて

小樽日報 明治40年10月15日号 藻しほ草(21首、その12)

匿名であるが啄木の作品として取り扱われている

**********************************************




岩手山登山口の啄木歌碑

2013年08月20日 | 啄木歌碑
啄木歌碑と岩手山シリーズ(10)です。
岩手山登山の御神坂(おみさか)コースの入り口にある御神坂駐車場の啄木歌碑も岩手山を背景にした歌碑です。御神坂駐車場は岩手県雫石町にあり、東北自動車道盛岡ICより小岩井農場を過ぎ、網張温泉、網張スキー場方向に進んで行くと鞍掛山の登山口にもなっている相の沢キャンプ場があり、そこから2km程先の右側ある駐車場です。平成18年8月の大雨による土石流被害があった場所で、周りには大きな石がゴロゴロしており、土石流災害の怖さが分かります。この啄木の歌碑は、小岩井有料道路開通記念碑昭和46年8月に建立されました。








岩手山
秋はふもとの三方の
野に満つる蟲を何と聴くらむ
啄木


5月初旬~中旬に雫石町を訪れると岩手山を背景にした小岩井農場の一本桜、雫石町花工房らら倶楽部の芝桜を見ることができます。小岩井農場の一本桜はつぼみ(芽)のうちに鳥にやられ今年はほとんど咲きませんでした。




小岩井農場の一本桜



らら倶楽部の芝桜




船っこ流し

2013年08月16日 | ぶらりぶらり
盛岡舟っこ流しは毎年 8 月 16 日に行われる送り盆の行事で, 各町内会等で作られた飾り船を夕方火をつけて北上川に流します.盛岡の盆の風物詩である盛岡舟っこ流しは約280年の伝統を誇る行事で,盛岡市の無形民俗文化財に指定されており、地元住民を中心に多くの方が訪れる、先祖の霊を送り無病息災を祈る伝統行事です。今年も多くの人が出ていました。今日でお盆休みも終わりですね。




明治橋から















************************************************

啄木の歌

いかにせむかく身顫(みふる)ふと手をとられ眼(まなこ)くるめき我をわかなく

小樽日報 明治40年10月15日号 藻しほ草(21首、その11)

匿名であるが啄木の作品として取り扱われている

**********************************************




お盆

2013年08月14日 | ぶらりぶらり
江戸の時代、お正月とお盆には奉公人が休みをとって実家に帰ることが出来る時期で、これを「藪入り」と称していたようです。現在はお盆休みといって、8月の13日から16日までの4日間が休みのところが多いようです。この期間に田舎に帰って墓参りの人が多く、高速道路も渋滞が続きます。私も宮城県の田舎に墓があるので13日お参りに行ってきました。高速道路は東京に帰る人、これから田舎に行く人で、上り・下りとも渋滞とはなりませんでしたが大変な混みようでした。


龍国寺


お寺の鐘


墓所からの眺め


歴史民俗資料館(旧小学校)




せんべい店の壁掛け




今日14日は妻の実家の墓参りでした。盛岡市内なので車で20分ほどです。


永泉寺


このお寺は盛岡三十三観音の第7番札所で、観音堂が山門の脇に立てられています。



観音堂






************************************************

啄木の歌

ゆるし給へ相見て笑みし束の間に目盲(めし)ひぬされば手ふれむ

小樽日報 明治40年10月15日号 藻しほ草(21首、その10)

匿名であるが啄木の作品として取り扱われている

**********************************************







渋民駅の啄木歌碑

2013年08月10日 | 啄木歌碑
昨日9日岩手県は「これまでに経験したことのないような」記録的大雨で被害を受けました。秋田新幹線も運休になり、代行バスを出したようですが、道路も冠水になり、進むことができず、近くの道の駅に避難したようです。今日10日も秋田新幹線は運休でお盆で秋田方向に帰るのが大変になっています。明日は天気がよさそうですが。

さて、啄木歌碑と岩手山シリーズ(9)になりますが、渋民駅の啄木歌碑からも岩手山がくっきりみえます。渋民駅はIGRいわて銀河鉄道の駅で、盛岡駅から20分ほどです。銀河鉄道は盛岡駅から金田一温泉まで、次の目時駅から八戸駅までは青い森鉄道になります。啄木歌碑は、平成16年5月玉山村合併50周年記念として建立されました。




渋民駅




 
啄木歌碑 






なつかしき
故郷にかへる思ひあり
久し振りにて汽車に乗りしに。
啄木




歌碑を撮り振り返ると岩手山がくっきりと見えます












陸中八十八カ所霊場(1番 大興寺)

2013年08月09日 | ぶらりぶらり
陸中八十八カ所は岩手県花巻市・北上市・紫波町・盛岡市・矢巾町の5市町にまたがっている。岩手を陸中と呼んだのは、明治9年からのようで、陸中八十八カ所は明治24年、光勝寺(第88番)の26世赤塚宥天、大興寺(第1番)の30代桐野圓宗、自性院(第77番)の48代斎藤光海の3人でつくったといわれている。
霊場とは神仏の霊験あらたかな場所の意で、神社・仏閣などを指します。霊験は人々の多様な願いによってさまざまな形をとって現れ、願う内容によって、平穏無事な日常生活を維持し、より高レベルの生活をめざす場合と、現実に起こった不幸や災厄を回復させる場合とに分けることができ、前者は予防・事前の請願、後者を対病・事後の請願と称されている。
自然を楽しみながらの巡拝はいかがでしょうか。

1番 大興寺 本尊 釈迦  葛岡(現 岩手県花巻市石鳥谷町大興寺第23地割)


大興寺は県道13号線(盛岡和賀線)から500mほど入ったところで、この道の一番奥になります。県道13号線からの入り口は案内板が立っていますので、すぐわかります。




大興寺



山門



本堂




鐘堂 




御詠歌碑


御詠歌
「霊山の 釈迦のみまえに めぐりきて 萬の罪も きへうけにけり」


なお、四国八十八ケ所霊場の一番は「霊山寺」です

霊山寺御詠歌
「霊山の 釈迦の御前にめぐりきて 萬の罪も きへうけにけり」
(四国霊場めぐりをし、すべての罪は消えたようだ)



陸中八十八カ所霊場は、当時は四国に行くのは大変だったので、「陸中新四国八十八カ所霊場」として、四国八十八霊場の「御詠歌」をそのまま用い、陸中地区の88カ所のお寺を四国八十八霊場にみたててつくったものです



境内には土佛観音堂宇(市指定文化財)もあり、御詠歌碑があります。土仏観音は、大興寺の開山・梅山聞本の難を救ったことから身代わり観音ともよばれており、病退散にご利益があると信じられています。



土佛観音堂の鳥居と御詠歌碑




御詠歌
「かずかずの ちかひはいろに あらわれて まへるわがみは やがて成佛」




境内にある良寛像と詩碑



いざ子ども 山べに行かむ 菫見に 明日さえ地ラバ 如何にとかせむ
良寛








盛岡七夕まつり

2013年08月05日 | ぶらりぶらり
盛岡の夏まつりさんさ踊りが4日で閉幕し、盛岡七夕まつりが肴町の肴町商店街アーケードで開幕しました。4日は天気も良く盛岡さんさ、盛岡七夕まつりは多くの人でにぎわいました。七夕飾りは7日までです。アーケード街ですので、雨が降っても大丈夫です。














さんさ踊りは4日で閉幕です。4日間で、まつりの人出は130万人とのことです。












************************************************

啄木の歌

神無月時雨の音を数へゐて今日また暮れぬ森に家して

小樽日報 明治40年10月15日号 藻しほ草(21首、その9)

匿名であるが啄木の作品として取り扱われている

**********************************************