たかしの啄木歌碑礼賛(続)

啄木歌碑およびぶらぶら旅

啄木歌碑と岩手山(1)

2013年06月30日 | 啄木歌碑
啄木は「おもひでの山 おもひでの川」とうたっていますが、おもひでの山は岩手山なのでしょう。秀峰岩手山は盛岡市、八幡平市など多くの町から見ることができます。このため、啄木の歌碑も岩手山を背景にしたものが数か所あります。


岩山の「啄木詩(うた)の道」の啄木歌碑

岩山は盛岡の市街地を眺望できる場所であり、緑に親しめるレクリエーションの場所として広く市民に利用されています。岩山までは盛岡駅から6.5kmあります。歩いて行かれる方は、駅から出ている盛岡市内循環バス「でんでんむし」に乗り「若園町」で降りると、そこからは3.5kmほどです。
この岩山公園には啄木生誕111年を記念して平成9年に作られた200mにわたる「啄木詩の道」があり、啄木の歌が銅板に刻まれ、自然石に埋め込まれた歌碑基があります。









ふるさとの山に向ひて
言うことなし
ふるさとの山はありがたきかな
啄木



その他、啄木詩(うた)の道には、次の歌碑があります。





それとなく
郷里のことなど語り出でて
秋の夜に焼く餅のにほひかな
啄木





  
何となく
今年はよい事あるごとし
元日の朝晴れて風無し
啄木






友がみなわれよりえらく見ゆる日よ
花を買いきて
妻としたしむ
啄木






わが恋を
はじめて友にうち明けし夜のことなど
思ひ出づる日
啄木







不来方のお城の草に寝ころびて
空に吸はれし
十五の心
啄木






ふるさとの訛なつかし
停車場の人ごみの中に
そを聴きにゆく
啄木







盛岡の中学校の
露台の
欄干に最一度我を倚らしめ
啄木






ほたる狩
川にゆかむといふ我を
山路にさそふ人にてありき
啄木






岩手山
秋はふもとの三方の
野に満つる虫を何と聴くらむ
啄木



なお、明日7月1日(月)は岩手山の山開きです。雫石町の「御神坂登山口」、八幡平市の「焼走り登山口」、滝沢村の「馬返し登山口」では、朝6時に安全祈願を行い、正午から山頂セレモニーを行う予定になっています。山頂までは6km前後です。






片江風致公園の啄木歌碑(2)

2013年06月27日 | 啄木歌碑
片江風致公園  福岡市城南区南片江4丁目41


風致公園は樹木に覆われており、うす暗く、公園の入口横には「イノシシ出没注意」の看板も出ており、一人で園内を歩くのはさびしい。







公園入口





歌碑と説明板



歌碑



かにかくに渋民村は恋しかり
おもひでの山
おもひでの川

石川啄木





説明板




この歌の碑は盛岡市玉山区姫神の斎藤家の前にもあります。斎藤家は啄木が渋民小学校で代用教員をしていた時の宿家です。なお、当時の建物は啄木記念館の庭に移転されています。



斎藤家前の啄木歌碑



啄木記念館の庭に移転された斎藤家



二階の居間












片江風致公園の啄木歌碑(1)

2013年06月25日 | 啄木歌碑
片江風致公園   福岡市城南区南片江4丁目41

啄木歌碑は岩手県、北海道に多数存在しますが、九州の福岡県にもあります。福岡市にある風致公園です。風致公園は博多駅から大分離れており、バスの便も悪いので、博多駅から地下鉄で、福岡大学前で下車し、付属病院があるので、そこでタクシーに乗るとよいでしょう。タクシー料金は1000円以内です。
この公園は、もともとは私設の公園「日本文学碑公園」だったのを、閉園後にリニューアルした公園のようです。園内には歌碑や記念碑がたくさん建立しております。









東海の
小鳥の磯の
白砂に
われ泣きぬれて
蟹とたはむる





歌碑の説明板




この歌の碑は函館立待岬の啄木一族の墓、岩手県盛岡市渋民にある啄木記念館玄関脇にもあります。




立待岬の啄木一族の墓に刻まれた歌


啄木記念館玄関脇の歌碑




岩手花巻空港から福岡空港までは1日一往復ですが運行しております。約2時間の旅です。6月22日の土曜日に簡保の宿北九州に一泊、翌日先輩の家に行き、スモモ取りをした後博多駅に行き、風致公園に向かった。6月23日の日曜日は小雨で、風致公園には誰も訪れている人もありませんでした。



宿からの一枚



スモモの木






立待岬の啄木の歌

2013年06月22日 | 啄木歌碑
石川啄木は27歳という若さで亡くなりますが、「死ぬときは函館で」という啄木の言葉もあり、啄木は函館の地に眠っています。
墓地の場所は啄木の愛した大森浜を望む函館山の南端にある立待岬へ向かう坂の途中に石川啄木一族の墓として建立され、墓面に歌が刻まれている。












東海の
小島の磯
の白砂に
われ泣きぬれて
蟹とたはむる




啄木の墓地から200mほど進むと立待岬に着きます。立待岬からは晴れている日には下北半島まで見えると云われておりますが、天気が悪く壮大な景色を見ることができませんでした。





また、立待岬には、自然の岩を利用してつくられた与謝野寛、晶子の歌碑があります。





浜菊を郁雨が引きて根に添ふる立待岬の岩かげの土 寛

啄木の草稿岡田先生の顔も忘れじはこだてのこと 晶子



立待岬から五稜郭、トラピスチヌ修道院に立ち寄って帰ってきました。






天気が良ければ100mほどの高さのある五稜郭タワーからの一望は素晴らしいのでしょうが、残念でした。








トラピスチヌ修道院は日本初の女子観想修道院として明治31年に創立され、現在の聖堂は昭和2年に再建されているとのこと。煉瓦の外壁、半円アーチの窓などが印象的です。



啄木小公園の啄木歌碑

2013年06月20日 | 啄木歌碑
これまで「たかしの啄木歌碑礼賛」で載せてきましたが、私のミスで掲載できなくなり、同じテーマの「たかしの啄木歌碑礼賛(続)」でこちらに掲載することになりました。

函館市街から湯の川温泉街に向かって広がる大森海岸は、啄木が函館滞在中に好んで散策した場所の一つといわれ、ここには啄木小公園があり、啄木の銅像と、その台座に啄木の歌が刻まれている。この啄木銅像は昭和33年に建立され、昭和52年に道路拡張工事で現在の場所に移設されたようです。啄木像は海岸と海、函館山を背に建っていて、絶好のビューポイントですが、今回は天候が悪く残念でした。


函館山を背にした啄木像





啄木像と台座の歌


台座の歌



潮かをる北の浜辺の 
砂山のかの浜薔薇よ 
今年も咲けるや
啄木




啄木小公園に隣接して「土方・啄木浪漫館」があり、二階に啄木関連のパネルや資料が展示されている。また、館内の浪漫シアターでは啄木先生の講義がワイドスクリーンに映り出されます。



浪漫館


啄木先生の講義姿





また、啄木像のすぐ傍には西條八十が啄木に捧げた詩碑があります。





  
眠れる君に捧ぐべき
  矢車草の花もなく
  ひとり佇む五月寒
  立待岬の波静か
  おもひでの砂ただひかる
  捧啄木   西條八十







函館公園の啄木歌碑

2013年06月16日 | 啄木歌碑
函館の青柳町は啄木が明治40年に過ごした町でもあり、昭和28年に歌碑が建立されました。案内板には、次のように記載されています。
この歌碑は、啄木の青春のあしあと、青柳町時代を記念して昭和28年(1953年)4月に建立された。全国に数多く点在する啄木歌碑の中でも一番美しいできばえといわれるこの歌碑は、啄木の自筆を集字拡大したものであり、エキゾチックな風情とロマンをもつ街・函館をうたった歌として、広く市民に愛誦されている。
 薄幸の詩人、石川啄木が函館に逗留したのは、明治40年(1907年)5月から9月にかけての僅か132日間にすぎない。この間、文芸同人苜蓿社の諸友に囲まれ、文学を論じ、人生を語り心安らぎつつも、自らの若さと夢を思い悲しんだ。



啄木歌碑






函館の青柳町こそかなしけれ 
友の恋歌 
矢ぐるまの花
啄木




盛岡から函館までは列車で3時間半です。函館駅に友達が来てましたので、昼飯を五島軒でとり歌碑を訪れました。



五島軒


函館公園の正面入り口から入ると正面に函館山が見え、左側に噴水、右側に進むと啄木歌碑があります。



函館公園正面入り口



噴水



歌碑


歌碑案内板