たかしの啄木歌碑礼賛(続)

啄木歌碑およびぶらぶら旅

陸中八十八カ所霊場 (54番 連正寺)

2014年08月31日 | ぶらりぶらり
54番 連正寺  本尊不動  新穀町(現 盛岡市大通2-2-13)

明治17年の大火で5間4面の本堂を焼失し、現在の本堂になったようです。
連正寺には 「豆腐買地蔵尊」が奉られています。400年ほど前にお母さんが重病で病床にある時、豆腐を食べたいと言われ、息子は、豆腐をせっせと買い食べさせたところ、お母さんの病が持ち直し全快しました。息子は「これも仏様のお陰」と守り本尊の地蔵菩薩を連正寺に寄進しました。豆腐買いの息子が寄進したことから「豆腐買地蔵」と呼ばれるようになり、今でも病を治すためお参りする人がいらっしゃるそうです。











1世帯あたりの豆腐消費量日本一の盛岡市には、このような由来を持つ地蔵様が祀られています。



御詠歌
曇りなき鏡のえんとながむれば残さずかげを写すものかな

なお、四国八十八ケ所霊場の五十四番は「延命寺」です。

延命寺御詠歌
くもりなき鏡の縁とながむれば残さず影をうつすものかな



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啄木の歌

大(おほ)鐘を海に沈めて八百潮に巨人よぶべき響添へばや

明星 明治37年3月号(辰歳第3号)  雛の夜(5首、その1)

署名 石川啄木
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盛岡市保存建造物(第25号 塩重商店)

2014年08月27日 | ぶらりぶらり
第25号 塩重酒店    盛岡市茶畑2-12-8

盛岡市保存建造物は25ありますので、今回の塩重商店が最後になります。指定された25のうち、第4号の木津屋本店は県文化財に指定されたことにより指定廃止、第8号の浜藤酒店は建物を解体撤去することになり指定廃止になり、現在、盛岡市指定になっている建物は23になっています。
塩重酒店のあたりは、かつて高崩といわれたところで、藩政時代には上級武士の下屋敷、幕末になって家老の別荘があったようです。建物は基本的には盛岡町家の形態を継承し、その特徴守っています。









塩重商店の近くに町名由来の看板が立っており、以前は上小路ともいわれていたようです。この通りは以前は盛岡から宮古に行く道でしたが、宮古方面への道も新しく出来たこともあり、現在は一方通行の狭い道で利用者も少ないようです。







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啄木の歌

何しかも泣くやと問へど君いはずいざと手とれど君は笑はず

釧路新聞  明治41年3月 (日付未詳) 釧路詞壇(5首、その5)

署名 匿名であるが啄木の作品として扱われている
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盛岡市保存建造物(第24号 南昌荘)

2014年08月22日 | ぶらりぶらり
第24号 南昌荘  盛岡市清水町13-46

南昌荘は実業家瀬川安五郎が,明治18年の盛岡河南大火で餌差小路(現肴町)の自宅を焼失,明治19年ごろ、上衆小路(清水町)に自宅として新築したものです。その後、第五代盛岡市長の大矢馬太郎、盛岡銀行(岩手銀行の前身)の金田一勝定と渡り、増改築があり当初の建物とは大きく変わっているようです。現在は岩手生活協同組合の所有になっており、展示会などに使われています。ここは、中津川に架かる「下の橋」から歩いて5分ほどのところにあります。












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啄木の歌

頬につたふ涙のごはぬ君を見て我が魂は洪水(おほみづ)に浮く

釧路新聞  明治41年3月 (日付未詳) 釧路詞壇(5首、その4)

署名 匿名であるが啄木の作品として扱われている
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石川啄木の歌を、新聞や雑誌に発表した年代順に掲載しております。啄木は本名を一(はじめ)といい、ペンネームとして、年代順に「翠江」、「麦洋子」、「白蘋」、「啄木」を用いています。「麦洋子」の名前では、新聞や雑誌に掲載して無いようです。

岩手県陸前高田市には、次の啄木歌碑が被災後に建立されました。




頬につたふ
なみだのごはず
一握の砂を示しし人を忘れず
啄木





盛岡「舟っこ流し」

2014年08月17日 | ぶらりぶらり
盛岡の舟っこ流しが今日17日に行われました。例年8月16日に行われておりますが、今年は雨で北上川が増水しましたので1日順延して今日われました。
盛岡のお盆の風物詩である盛岡舟っこ流しは約280年の伝統を誇る行事で、盛岡市の無形民俗文化財に指定されています。短い夏の終わりを告げる舟っこ流し、舟っこは送り盆16日の夕方、北上川の明治橋上流付近において、儀式が終わった後、川へ運ばれ、火をつけて流されます。舟っこには花火や爆竹などが仕掛けられてあり、夏を惜しむ恒例行事として、先祖の霊を送り無病息災を祈る伝統行事です。















盛岡市内には三つの川が流れており、盛岡駅前を流れる北上川、駅の後ろを流れる雫石川、岩手公園の脇を流れる中津川です。この三つの川は舟なっこ流れが行われ明治橋の500mほど上流で合流し、大きな北上川となり宮城県の石巻まで流れて行きます。


合流地点



三つの川が合流する地点です。手前の川が中津側、中央の川が北上川、その奥の川が雫石川です。その後方見える車線が東北新幹線と東北本線です。


東北新幹線


東北本線



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啄木の歌

春の雨夜の窓ぬらしそぼぬれて君か来るらむ鳥屋(とや)に鳩なく

釧路新聞  明治41年3月 (日付未詳) 釧路詞壇(5首、その3)

署名 匿名であるが啄木の作品として扱われている
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陸中八十八カ所霊場(53番 来迎寺)

2014年08月16日 | ぶらりぶらり

53番 来迎寺  本尊 弥陀  郡山(現岩手県紫波町日詰石田47)

陸中八十八霊場は、花巻市、北上市、紫波町、矢巾町、盛岡市にまたがり、來迎寺(らいこうじ)は53番になっています。






マリア観音像


この仏像はマリア観音といわれますが、徳川三代将軍家光はキリシタンを禁ずる布令を出しましたが、禁制を犯した信徒達は使役のため、現在の紫波町佐比内の金山採掘作業に送られた人もおりました。信徒たちは仏像に模したマリア観音をつくり詮議の目を逃れつつ朝夕身心していた。この仏像の頭部を取り外しできるように作り、詮議の時は地蔵様の御首をつけて「地蔵様です」といい、普通はマリア様としておがんでいた。現在そのマリア様の頭部だけが残っているそうです。
なお、境内には神社もあります。


神社




御詠歌
来迎の弥陀の光の円明寺てりそふかげはよなよなの月

なお、四国八十八ケ所霊場の五十三番は「円明寺」です。

円明寺御詠歌
来迎の弥陀の光の圓明寺照りそふ影は夜な夜なの月


今日8月16日は盛岡舟っこ流しの日ですが、昨日の雨で北上川が増水のため明日17日に順延されました。舟っこ流しは、舟に堤灯やお供え物などで飾り火が灯されます。 灯籠流しと共に、先祖の霊をおくり無病息災を祈る伝統行事です。なお、今年の舟っこ流しでは,北上川の水量の関係で,通常北上川左岸から流す「鉈屋町」「南大通二丁目」「南大通三丁目」「松尾町」の舟っこについては,右岸の仙北町側から流舟することになったようです。


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啄木の歌

むらさきの花こそ咲きぬ百草の中に選りたる手弱の茎に

釧路新聞  明治41年3月 (日付未詳) 釧路詞壇(5首、その2)

署名 匿名であるが啄木の作品として扱われている
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陸中八十八カ所霊場(52番 新山堂)

2014年08月13日 | ぶらりぶらり

52番 新山堂  本尊観音 志和(現 岩手県紫波町土舘和山1)

各地に新四国八十八霊場が存在していますが、岩手県にも陸中八十八カ所霊場があり、新山神社(にいやまじんじゃ)は五十二番になっています。斯波氏(しばし)のころは新山寺(しんざんじ)といって郡内有数の寺院であったといわれています。新山寺は明治3年に新山神社と改称されています。


















御詠歌
大山に登れば汗のいでけれど後の世思へなんの苦もなし

なお、四国八十八ケ所霊場の五十二番は「太山寺(たいざんじ)」です。

太山寺御詠歌
太山へのぼれば汗のいでけれど後の世界へば何の苦もなし

太山寺の参道は長く大変ですが、後世を願う気持があれば何の苦労はありません。

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啄木の歌

月のぼり海しらじらとかがやきて千鳥来啼きぬ夜の磯ゆけ

釧路新聞  明治41年3月 (日付未詳) 釧路詞壇(5首、その1)

署名 匿名であるが啄木の作品として扱われている
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盛岡市保存建造物(第23号 米内浄水場)

2014年08月09日 | ぶらりぶらり
第23号 米内浄水場   盛岡市上米内字中居49

盛岡の最初の浄水場で昭和9年に建てられました。保存対象は旧管理事務所、ろ過池等です。
5月になると市指定のシダレ櫻が咲き誇ります。









場内のシダレヒガンザクラは盛岡市の指定樹木になっており5月の連休頃には多くの人でにぎわいます。





浄水場はJR山田線の上米内駅の向かいになっており、駅前には宮澤賢治の詩碑があります。






燃えそめし
アークライトは
黒雲の
高洞山を
むかひ立ちたり
宮沢賢治






盛岡七夕まつり

2014年08月04日 | ぶらりぶらり
盛岡七夕まつり
盛岡の七夕まつりが今日4日から始まりました。7日までです。盛岡市のホットライン肴町商店街が毎年行っています。肴町のアーケード街は全長365mあり、商店街の皆さんが手作りした七夕飾りが並んでいます。盛岡さんさが今日までですので、今日4日は“さんさ”と七夕祭りで多くの人でにぎあうのでしょう。



















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啄木の歌

君を見て我は怖れぬ我を見て君は笑ひぬその夕暮に

釧路新聞  明治41年3月19日 釧路詞壇(4首、その2)

署名 匿名であるが啄木の作品として扱われている
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夏まつり

2014年08月02日 | ぶらりぶらり
8月に入り夏祭りの時期ですね。盛岡の夏祭り“盛岡さんさ踊り”が今日8月1日(金)から4日(月)まで開催されます。時間は18時から21時までの3時間で、盛岡市中央通りの盛岡市役所前から約1キロメートルです。盛岡さんさ踊りは、2014.6.29「和太鼓同時奏」3,437人で世界記録に認定されております。










4日間で256団体で約34,500人が参加します。学生も夏休みの楽しみで、参加しており、岩手大学、岩手医科大学、県立大学、盛岡大学、県立盛岡商業高校、岩手女子高校の皆さんも先生方と一緒に参加のようです。










盛岡市中央通りには岩手銀行本店がありますが、ここは啄木が通っていた旧盛岡中学の跡地で、銀行の敷地内に啄木歌碑が建立されています。盛岡地方裁判所との間の道路から見えます。







盛岡の中学校の
露台の
欄干に最一度我を倚らしめ
石川啄木(一握の砂)

岩手県立盛岡中学校濫觴の地