たかしの啄木歌碑礼賛(続)

啄木歌碑およびぶらぶら旅

春を告げる岩手山の鷲型

2020年03月28日 | ぶらりぶらり

関東地区では、コロナウイルス感染の影響もあり外出を控えているようでですね。盛岡では今のところ感染者は出ず大きな騒ぎにはなっておりません。しかし、

昨日でしたか、小樽での感染者が岩手県に立ち寄ったとの報道があり、それが話題になっています。

東京では桜の花も咲き始めましたが、花見どころではありませんね。

さて、岩手県にも春を知らせる、岩手山の鷲型が現れてきました。岩手山は、別名、巌鷲山(がんじゅさん)とも呼ばれ、春になると、岩手山には雪融けの形が

飛来する鷲の形に見えるため、これが山名の由来になったとも伝えられています。今朝(2020.3.28)の岩手山頂上の鷲型です。

 

 

岩手山(2020.3.28)

 

「ふるさとの山に向ひて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな」  石川啄木 

 
 

今年は春の訪れがだいぶ早く感じられます。2014年4月15日の岩手山頂上の写真がありましたが、同じ鷲型を表しています。

 

岩手山(2014.4.15) 

 

なお、岩手山の南側の盛岡からみると、雪が融けた跡が鷲型に見えますが、北側の八幡平市の方から見ると、残雪が鷲型に見えます。

 

八幡平市上坊牧野の一本桜(2015.5.1)

 

 

 

 

 

 

 

 

 


啄木が作った歌の数(つづき)

2020年03月26日 | 啄木歌碑

啄木の歌の収録数は、筑摩書房発行の『石川啄木全集』によると 4,124首 あり、掲載誌と歌数は次のようになっています。


一握の砂   551   悲しき玩具 194    /   小計 745

 

 岩手日報    61 岩手毎日新聞     10  小樽日報   67 釧路新聞    26  国民新聞    9  東京朝日新聞     142

 東京毎日新聞    75  函館日日新聞    5    /   小計 395

 

 爾伎多麻 30      盛岡中学校 校友会誌    16      明星   374       小天地    18     紅苜蓿    18       心の花    77      春潮    47

 新天地      6  敷島    15   スバル   202     創作   136     学生    51    曠野     39  文章世界      36

精神修養    41      早稲田文学     27   秀才文壇    10   コスモス      8  新日本     26   層雲        11

さらば     12  詩歌   17   血潮     3   /   小計 1,220

 
  明治41年歌稿ノート「暇ナ時」  652     明治41年作歌ノート     373    明治42年作歌手帳       57  

  明治43年歌稿ノート127    一握の砂以後    192   /   小計 1,401

  断片   17       日記       195       書簡   113      ほか  38   /   小計 363       総計 4,124

 

その後、菟芽子集が見つかり36首が追加になり、収録歌数は4,160首になっています。

 

啄木の歌の収録数 4,160首の内 匿名の歌数は次のように、166首あります。

小樽日報    58       
釧路新聞    26
東京朝日新聞   9
小天地      8
紅苜蓿     18
心の花     47
計      166(首)


岩城之徳は著書「啄木全作品解題」で小樽日報の匿名の31首は啄木の歌では無いと述べています。

匿名の歌の取り扱いについて、啄木学会等では、どのように扱っているのでしょうか。

 

また、4,160首の内、重複して載っている歌が多数ありますので、これを考慮して、啄木が作った歌の数を

数えてみると2,681首になりました。

 

 

 

 


啄木が作った歌の数

2020年03月24日 | 啄木歌碑

啄木は何首の歌をつくったのでしょう。岩城之徳らよって編集された「石川啄木全集」(昭和53年)によると、収録歌数は下記のように4,124首なっています。

一握の砂     551

悲しき玩具    194

雑誌      1,220

新聞       395

歌稿ノートなど 1,401

その他                      363

 

4,124首の内、1つの歌が、新聞や雑誌に重複して載っている歌も多く、これらを考慮して、私が数えたところ、啄木が作った歌の数は2,670首になりま

す。

 

その後、岩城之徳著による「啄木全作品解題」(昭和62年)によると、小樽日報に載っている匿名の58首の内31首は啄木の歌では無いとこと、また、

新しく「莬芽子集」(うわぎしゅう)36首が見つかったことにより、啄木の収録歌数は4,128首であることが載っています(歌稿のノートなども1減になっ

ています)。    啄木全集にある 収録歌数は4,124首より4首増えています。

岩城之徳は、小樽日報に載っている、一部の匿名の歌を啄木の歌ではない、と判断しました。小樽日報にも匿名の歌はまだありますし、他の新聞、雑誌にも匿名

の歌が載っています。これらの匿名の歌が、他の雑誌等に啄木の著名で載っていれば啄木の歌なのでしょうが、他の歌はどのように判断すればよいのでしょう

か。皆さんは、いかに思われますか。

 

 

 


啄木「別れの歌」

2020年03月07日 | 啄木歌碑

啄木は渋民小学校の代用教員だった時代に、卒業する6年生の送別会の際「別れの歌」を作詞しております。先日、渋民図書館に行った時この歌が、額に入れて二階の壁にかざっていました。撮影禁止なので、石川啄木全集を参考にしました。

 

「別れ」

     渋民小学校卒業式に歌へる。

     譜「荒城の月」に同じ。 とあります。

 

一 心は高し岩手山

  思ひは長し北上や

  ここ渋民の学舎

  むつびし年の重りて

ニ 梅こそ咲かね、風かほる

  弥生二十日の春の昼

  若き心の歌ごゑに

  わかれのむしろ興たけぬ

三 ああわが友よ、いざさらば

  希望の海に帆をあげよ、

  思ひはつきぬ今日の日の

  つどひを永久の思出に

 

なお、渋民小学校の校歌も啄木の作詞です。玄関脇に校歌の碑が建っています。

 

 

渋民小学校の校歌

一  春まだ浅く 月若き
  生命の森 夜の香に
  あくがれ出でて 我が魂の
  夢むともなく 夢むれば
  さ霧の彼方 そのかみの
  希望は遠く たゆたいぬ 

ニ  そびゆる山は 英傑の
  跡を弔ふ 墓標
  音なき河は 千歳に
  香る名をこそ 流すらむ
  此処は何処と 我問えば
  汝が故郷と 月答ふ 

三 雪をいただく 岩手山
  名さえやさしき 姫神の
  山の間を 流れゆく
  千古の水の 北上に
  心を洗い 身を清め
  学の道に 進めかし